【特別寄稿】再三の抗議にも向き合わなかった安倍元総理! 統一教会の被害者による銃撃事件は、霊感商法・高額献金を野放しにしてきた岸信介以来3代にわたる、反社反日カルト・統一教会との癒着政治が生んだ悲劇! 2022.8.10

記事公開日:2022.8.10 テキスト動画
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(取材、文・フリーランスジャーナリスト横田一)

 安倍晋三元総理銃撃事件から15日後の2022年7月23日、清和会(安倍派)事務総長の西村康稔・前新型コロナ担当大臣を直撃、旧統一教会の支援を受けた井上義行参議院議員(自民党全国比例で当選)の処遇について聞いてみた。

 「鴻巣市長選(7月24日投開票)」の自民推薦候補への応援演説を終えた西村氏に、「井上義行先生、清和会(安倍派)に入れるのか? 旧統一教会の支援は問題ないのか?」という質問をぶつけたのだが、「事実を知らないので、すみません」という回答しか返って来なかったのだ。

■2022.7.23 【映像提供:横田一氏】西村康稔前大臣直撃

▲西村康稔・前新型コロナ担当大臣(左)(横田一氏提供、2022年7月23日)

 正直言って、唖然とした。

井上議員参加の「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」関連集会の様子は、7月7日のIWJの記事「『LGBT差別』と炎上中の自民党・井上義行候補(全国比例)が、自民党の支持母体で、井上氏自身も信徒の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)会合で『炎上上等』と表明!」が初めて取り上げて以降、TBSの『ニュース23』を皮切りに、テレビ朝日の『サタデーステーション』や日本テレビの『情報ライブ ミヤネ屋』などが集会写真と音声を紹介していた。それなのに安倍派事務方トップの西村氏は「知らない」と言い放ったのだ。

▲井上義行氏(右)を紹介する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)幹部(横田一氏提供、2022年7月6日)

 すぐに事実確認は可能と思いつつ、私は声掛け質問を続けた。

 「旧統一教会の支援を受けた井上義行議員、清和会に入れたままなのか? 脱会、離党させないのか? 何でもいいから当選させればいいのか?」「清和会と旧統一教会、ズブズブの関係ではないか?」「一言お願いします。清和会の事務総長でしょう」と大声を張り上げ続けたが、西村氏は無言のまま車に乗って走り去った。

 「清和会(安倍派)と旧統一教会との関係をウヤムヤにしたまま、嵐を過ぎ去るのを待つ」という姿勢(報道対応)が透けて見えた瞬間だった。

記事目次

安倍元総理銃撃事件は、祖父の岸信介元総理から孫の安倍晋三までの3代にわたる反社反日カルト統一教会との癒着政治が生んだ悲劇! 全国霊感商法対策弁護士連絡会は安倍元総理に対し、統一教会や関連団体へのメッセージ発信は、被害者にとって「たいへんな衝撃」と厳重抗議していた!!

 今回の銃撃事件は、祖父の岸信介元総理から孫の安倍晋三までの3代にわたる反社反日カルト統一教会との癒着政治が生んだ悲劇と言っても過言ではない。選挙支援で世話になっている旧統一教会を優遇、高額献金(金銭的搾取)が社会問題化していた霊感商法を野放しにするというギブ・アンド・テイクの癒着関係が見て取れるからだ。

 立憲民主党の泉健太代表が、安倍元総理銃撃事件の現場を訪れた7月16日、大和西大寺駅前に設けられた献花台には長い列ができていた。献花台の前には、ワイシャツ姿で微笑む安倍元総理の写真。「安倍さん、ありがとう」などと書いた色紙も飾られていたが、私は「自業自得」「因果応報」「身から出た錆」といった言葉しか浮かんで来なかった。

▲奈良市大和西大寺駅前の安倍元総理銃撃現場に設けられた献花台(横田一氏提供、2022年7月16日)

 「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が2021年9月17日に安倍氏宛に出した公開抗議文を安倍氏が受け取り、被害実態解明や規制強化に乗り出していれば、統一教会の被害は食いとめられ、結果として信者の息子という、被害者による銃撃事件は避けられたに違いないからだ。

 銃撃事件から4日後の7月12日、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(以後、「弁護士連絡会」)が記者会見を開いた。前日に大手テレビ局と新聞社限定で開かれた旧統一教会の記者会見で、「2009年以降は献金をめぐる金銭トラブルはない」「教会に対する恨みから安倍元首相の殺害に至ることはとても距離がある」などと述べた田中富広会長に反論するためだった。

 そして、公開抗議文を出す発端となった安倍元総理の祝辞(ネットで視聴可能)について、次のような説明(声明文の読み上げ)がなされたのだ。

■安倍晋三 演説 UPF(旧統一教会の友好団体)2021年9月

 「安倍元首相が、統一教会やそのダミー組織のひとつである天宙平和連合(UPF)などのイベントにメッセージを発信することを繰り返し、特に昨年(2021年)9月12日の『神統一韓国のためのTHINK TANK 2022希望前進大会』(UPFのウェブ集会)でビデオメッセージを主催者に送り、その中で文鮮明(ムン・ソンミョン)教祖(2012年死去)の後継の教祖・韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏に『敬意を表します』と述べたことは、統一教会のために人生や家庭を崩壊あるいは崩壊の危機に追い込まれた人々にとってたいへんな衝撃でしたし、当会としても厳重な抗議をしてきたところです」。

▲韓鶴子・世界平和統一家庭連合総裁(Wikipediaより)

 安倍元総理が祝辞を送った旧統一教会のダミー組織(友好団体)のイベントは、2021年9月12日に開催され、その5日後に弁護士連絡会が安倍元総理宛の公開抗議文を出していた。

しかも、文鮮明教祖の後継の教祖・韓鶴子氏に「敬意を表します」と述べたビデオメッセージはネット上で視聴可能で、山上徹也容疑者も視聴したと報じられていた。

 未遂に終わった後継教祖への襲撃を断念した山上容疑者が、恨みの矛先を安倍元総理へと切り替えた方針変更については、特に不自然さを感じることはない。「とても距離がある」(旧統一教会の田中会長)ととらえる方が強い違和感を抱かざるを得ない。

 弁護士連絡会の説明は、さらに続いた。

(…会員ページにつづく)

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