【岩上安身のツイ録】東京中心に同心円状に広がるコロナ感染爆発とSF『AKIRA』の類似! アキラは2020年東京五輪スタジアムで爆発! 主人公、金田のバイクを使う開会式演出を組織委は排除! 物語の中の非常事態宣言やクーデターは緊急事態条項想起! 2021.7.28

記事公開日:2021.7.29 テキスト
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(岩上安身)

 2021年7月28日、岩上安身は、1回目のコロナウイルス接種を行い、副反応への対応とブレイクスルー感染についてツイートした。

 また、東京五輪開会式の時点(7月23日)では、1日あたり1359人だった東京都の新型コロナ新規感染者数は1週間もたたないうちに、7月27日に過去最多を突破し、28日18時時点では3177人に、29日には3865人となった。27日時点では、神奈川県1051人、埼玉県870人、千葉県577人と、茨城県194人と、首都圏1都3県に茨城県も加わって「過去最多」を記録した。間違いなく、文字通りの感染大爆発だ。

 岩上安身は、3865人と過去最多となった東京都の28日の新規感染者数を知り、以下のようにツイートした。

「ほぼ4千人。毎日千人ずつ増えている勘定になる。これは、五輪開催中に、一万人に届くのでは?検査数を操作して少なく見せるかもしれないけれども。言うまでもなく、過去の4波とは比べ物にならない大感染爆発。→新型コロナ: 東京都、新たに3865人感染 3日連続で最多更新:」

 この状況について、7月28日、岩上安身は、2020年の東京を舞台とする大友克洋作の近未来SFマンガ、アニメの「AKIRA」のようだとツイートした。

 「1回目のコロナウイルス接種会場に来ています。副反応は誰でもそうだと思いますが、やはり不安。それでも、心臓の主治医に、接種しないリスクの方が高いと説得され、受けることに」

 「接種終了。接種前に会場には問診のお医者さんがいて、細かく相談に乗っていただいた。高血圧と冠攣縮性狭心症の持病があり、睡眠時無呼吸症候群と血中酸素濃度が低く、それを埋め合わせるためヘモグロビンが高い。主治医から出された薬を見せて副作用を確認したが、大丈夫とのこと」

 「もう一つ気になることとして、『副反応が出た際、発熱や痛みなどにロキソニンはやめた方がいい、カロナールがいい』と、知人から言われたことを問診の医師に確認して質問した。ネット上にもロキソニンとワクチンの組み合わせはよくないと風評が出ているようだ。医師によると問題ない、とのこと」

 「1人の医師に聞いただけなので、ロキソニンが絶対に大丈夫なのかは、わからない。しかし、ロキソニンは危険というのが風評に過ぎないのだとすれば、一応お知らせした方がいいと思い、情報提供します。副反応と服用する薬の飲み合わせについて、確度の高い情報をお持ちの方、ぜひ、重ねてください」

 「僕が受けたのはモデルナ。1ヶ月後の2回目の接種の予約もその場で取った。2回の接種が終了し、深刻な副反応さえなければ、ひと安心、のはずだった。ついこの間までは。しかし日本でも急増中のデルタ株はワクチン接種完了者にも感染する。ワクチンを突破するブレイクスルー感染対策が今後の最重要課題」

 「東京だけ、そして一都三県の首都圏だけでなく、茨城県など、関東圏エリア全体に感染が広がっていっている。この、五輪開幕とともに起き始めた東京を中心に同心円状に広がる感染爆発は物凄い。どの程度、デルタ株が含まれているか、解析を急ぐべき。五輪が感染爆発も無関係などとは到底言えない」

 「感染爆発は、目には見えないが、確実に起きている。嫌でも思い出してしまうのが80年代に大友克洋によって書かれた近未来SFの『AKIRA』。2020年、東京五輪が行われる設定で、特別な能力をもつアキラが爆発を引き起こして第三次大戦後のネオ東京を廃墟にしてしまう。爆心地は五輪スタジアムだった」

 「今回の五輪開会式の演出に、『AKIRA』の主人公金田のバイク疾走シーンのパフォーマンスがプランとして上がっていたが、排除されたという。惜しいことをしたと思う。が、アキラの能力によるネオ東京の爆発を思い出せば、嫌でもコロナの感染爆発を重ね合わせて連想してしまう。政府には不都合だろう」


 上記ツイート中の「AKIRAの主人公金田のバイク疾走シーンのパフォーマンス」とは、東京五輪開会式の執行責任者だった振付演出家・MIKIKO氏が企画提案したプランである。

 MIKIKO氏はPerfumeやBABYMETALなどを手掛ける人気演出家で、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の「恋ダンス」も彼女の作品である。

 このMIKIKO氏の開会式案を週刊文春が入手し、2021年4月8日号で紹介した。

 記事によれば「MIKIKO氏が責任者を外される直前にIOC側にプレゼンし、称賛を受けた約280ページに及ぶ資料」は、昨年4月6日付のもので、コロナの感染拡大で、開催延期が正式決定した直後に提案されたとされる。

 その内容は、以下のようものだった。

 「セレモニーは、会場を一台の赤いバイクが颯爽と駆け抜けるシーンで幕を開ける。漫画家・大友克洋氏が2020年東京五輪を“予言”した作品として話題となった『AKIRA』の主人公が乗っているバイクだ。プロジェクションマッピングを駆使し、東京の街が次々と浮かび上がっていく。三浦大知、菅原小春ら世界に名立たるダンサーが花を添え、会場には大友氏が描き下ろした『2020年のネオ東京』が映し出される」

 文春の記事は「IOC側は『よくここまで準備してくれた』と大喜びでした」という組織委員会幹部の言葉を伝えている。

 しかしその後、「コネ人事」ですべてが変わる。

 森喜朗組織委員長と親密な「電通代表取締役社長補佐・高田佳夫氏が、開会式のコロナの緊急対策リーダーに電通同期の佐々木(宏)氏を指名した」とされ、その後、高田氏の意向で、MIKIKO氏は演出担当を降板させられることになったと文春は報じている。

 電通OBの佐々木氏とは、容姿差別の開会式プランを出して降板した人物である。その後、クリエイターの差別事件が続出したことも周知の通りである。

 森氏と電通のコネクションが人事を私物化し、あげく開会式を狂わせ続けたという他はない。森氏の罪は大きい。

 今となっては、幻となったこのMIKIKO氏の開幕シーンが、現実の東京の惨憺たる状況と重なりあう。AKIRAが描いたネオ東京はまさに、感染爆発に見舞われている今の東京と重なりあう。


 岩上安身のツイートは、以下のように続く。

 「原作のAKIRAには、非常事態宣言や、軍のクーデターによる戒厳令も出てくる。これは現実世界で進行している、改憲による緊急事態条項の導入を想起させる。物語では、米軍が干渉し、国連軍が上陸してくるが、『大東京帝国』を名乗る金田らは『我々の国に口出しをするな!』と警告し走り去る」

 「AKIRAの物語の最後のセリフに、対米従属への反発を見て取るのは容易い。しかし、主人公らは、捨てゼリフを吐いて走り去り、日本への米国の影響力を排除し、政治的主体性をこの国にもたらすことなく物語は終わる。『反抗』以上の、国家としての自立は構築されない。その物悲しさが、現実とまた重なる」

 「東京五輪のタイミングで爆発が起こり、社会が崩壊するという点で、物語と現実は交錯する。AKIRAの中の、2020年東京五輪と、アキラの超能力による爆発は、空想の産物だが、我々の生きる現実世界での2021年東京五輪と、東京を中心として広がる、コロナの第5波感染爆発は空想ではない。現実である」

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