岩上安身は2021年1月13日の菅義偉総理の記者会見に参加し、質問のため挙手したが当てられなかった。その場でできなかった質問を、官邸がメールで受け付けるとしたため、岩上安身は質問内容をツイートで公表するとともに、官邸に送信した。その岩上安身のツイートを以下に掲載する。
また、岩上安身が質問で触れている、菅義偉総理および政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長の発言の動画を、末尾に掲載する。
——岩上安身のツイート(2021年1月13日)——
本日1月13日午後7時から首相官邸で行われた菅総理の会見に参加してきた。挙手し続けるも、残念ながら、当てられずじまい。質問を打ち切る際、記者達が「まだ質問をさせてもらいたい」と声をあげたが、司会の広報官は質問を打ち切り、その代わりできなかった質問をメールで受けつけると約束した。
また、そのメールでの質問はホームページで公開するとも約束した。なので、用意していた複数の質問のうち、特に他の記者が質問しなかった質問をここに記し、同時に官邸報道室にもメールで送ることにする。私の質問とともに、公開されるはずの回答にご注目いただきたい。質問内容は以下の通り。
「菅総理は緊急事態宣言を発令して4つの対策を掲げましたが、その対策から家庭内感染の対策がすっぽり抜け落ちています。感染経路不明が現在約6割を占めますが、感染経路が判明している中では、東京都では家庭内感染の割合が50.4%と過半数を超えており、一番高くなっています。
背景には入院も施設への隔離もできず、感染が判明していても、自宅療養の人が急増していることが考えられます。実際、11月初旬の調査で全国で約千人だった自宅療養者の数は2ヶ月後の1月初旬現在、17倍の約1万7000人超に急増しています。
こうした自宅療養者の急増は、医療機関も満床に近く、軽症者を隔離する施設も確保できていないことが原因と思われます。豪邸に住める一部の富裕層をのぞき、ウサギ小屋といわれる狭小な住宅に住む大半の庶民の家屋では、感染した家族を自宅に留めれば、家庭内感染が広がるのは必然です。
感染症対策の基本は徹底した検査による陽性者の発見と徹底した隔離であるといわれています。飲食業の時短や外出の制限やテレワークの推進によって、人々を自宅に押し込めることだけでは、本来の意味での『隔離』とは言えず、逆に家庭内感染を広げてしまう懸念があります。
会見中、尾身会長は、『昼夜を問わず、外出しないこと』を国民に求めました。また、菅総理は、『30代以下の若い人が、無症状のまま感染を広げている』と言われました。
しかし、無症状者は、自分が感染しているのか否か、検査を受けさせてもらえない限り、知る術はなく、隔離を含めて、どのような行動を選択すべきか、判断できません。
前々回の会見で、私は菅総理に、これまでの政府の検査抑制方針を転換し、無症状者を含めて、国民全員に検査を行う考えはないか、お聞きしましたが、総理のご回答は『国民全員に検査する考えはない』というものでした。
総理ご自身が、無症状者による感染拡大に言及されている現時点で、改めておうかがいしますが、これまでの政府の大方針である検査抑制政策を転換し、無症状者を含めた全量検査を行う考えはありませんか。
また、家庭内感染の拡大を食い止めるためには、隔離施設の不足を解消しなければなりません。例えば東京ならば五輪選手村が空いています。1万8千床分が確保可能ですが、こうした有休施設を積極的に隔離施設に転用する政策は考えておられませんか。
また、徹底した検査と施設における隔離を行うには予算が必要です。野党はGOTO政策の予算を組み換えてコロナ対策に当てることを求めていますが、閣僚や与党幹部からは否定的な声が出ています。菅総理には予算の組み換えを行うお考えはないのでしょうか。以上、お尋ねしたいと思います」
以上の質問を官邸報道室にメールで送付するので、回答の返信とホームページへのアップを待ちたい。