2021年2月24日、東京都港区の原子力委員会で、更田豊志(ふけたとよし)・原子力規制委員長による定例記者会見が行われた。
20日の原子力規制委員会で東京電力は、今月13日深夜に発生した福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震による福島第一原発への影響や対応について説明した。
東京電力福島第一原子力発電所では昨年、3号機建屋への揺れの影響を評価するため1階と5階のオペレーションフロアに地震計を設置したが、昨年7月の大雨などの影響で故障し、今回の地震の揺れに関するデータが取れていなかったことが明らかになっていた。また、規制委員会の指摘で、故障を知りながら半年もの間放置され、結果として役に立たなかったことも判明。
通常の原発では、すべての原子炉に地震計の設置が義務付けられているが、福島第一には設置義務が求められていなかったことも委員会で明らかとなっていた。
会見で、記者から「震災で弱った事故炉で地震計の設置が義務付けられていないことに驚きを覚える」と指摘された更田豊志委員長は、「(規制委員会は)検討用地震度と、検討用津波高さを与えていて、それについての測定に関して要求していなかったことがどうかということは、これからの議論だ」と述べた。
また、今後実施計画の中に盛り込んで、義務付けて行く考えはあるかと問われたが、「今回のような(データを取る)機会がこのような形で逃されると、実施計画の中で要求していくことも考えざるを得ないし、これまで要求してこなかった事がどうなのかは、検証の必要がある」と述べるに留まった。