2021年2月19日、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールで、福島原発千葉訴訟第一陣の原告と弁護人・支援者らが、この日、東京高等裁判所で出された判決に対し、判決後の記者会見と報告集会を行った。
福島原発の事故により、避難を余儀なくされて千葉に在住している避難者らを主な原告として争われたこの訴訟の第一審・千葉地裁判決は、2017年9月に言い渡され、東京電力の責任のみ認めて、国の責任は認めず、原告らが控訴していた。
判決で東京高裁の白井幸夫裁判長は、国と東電は津波の高さを予見できたとして、一審判決を破棄、国に東電と連帯して賠償を命ずる判決を言い渡した。
会見で判決への感想を求められた原告の南原聖寿(せいじゅ)さんは「(福島原発)群馬訴訟の仇を討ったよう」だ「子や孫に希望が持てる判決が出たので、ある意味びっくりしている」と述べた。
また、弁護団長の福武公子・弁護士は「原発は、国策・民営ということで行って来たものだから国の責任を否定するなどあり得ない」と述べ「(高裁は)国の責任を明確に認めた」「(国の地震調査研究推進本部による地震)長期評価は採用すべきものであると認めてかつ、結果回避の策を講じていれば、結果回避は可能だったことを認めた」と判決について高い評価を与えた。