2020年12月14日夜9時15分から、小池百合子・東京都知事の記者会見が東京都庁にて行われ、IWJが生中継した。
この日、菅義偉総理は首相官邸ホームページで、「Go To トラベル」について、「札幌、大阪に加えて、東京、名古屋についても一律に、今月27日まで、到着分は停止、出発分も利用を控えるよう求める」「今月28日から来月11日までの措置として、Go To トラベルを全国一斉に一時停止する」と発表。また政府は、営業時間の短縮要請に協力した飲食店への協力金を、最大で1ヶ月120万円に倍増すると発表した。
小池都知事の会見は、これらの発表をうけて、「年末年始を中心とした新型コロナウイルス感染症対策について」をテーマに行われた。
小池知事は冒頭発言で、「先ほど、政府の対策本部が開催され、『Go To トラベル』の全国一時停止が発表されたが、これはまさに都の方針と軌を一にすると受け止めている」と述べた。
都の方針として具体的には、「営業時間の短縮要請」について、「23区及び多摩地域の各市町村の酒類の提供を行う飲食店及びカラオケ店」を対象に、すでに12月17日(木)まで短縮要請しているが、これを1月11日(月・祝)24時まで延長して、営業時間を「朝5時から夜10時まで」とすることを要請するとのことである。
そして「営業時間短縮に全面的に協力する中小事業者には、一律で協力金100万円を支給する」とし、そのために「470億円の予算を東京都議会に追加提案する」と知事は述べた。
「Go To トラベル」に関しては、12月18日(金)から12月27日(日)まで、「東京が目的地」の旅行は「利用を一時停止」、「東京が出発地」の旅行は「利用自粛呼びかけ」を行う。
12月28日(月)から1月11日(月)までは、東京が目的地の旅行も、東京が出発地の旅行も、利用を一時停止する。その際の「キャンセル料は国の負担だが、詳細は観光庁と調整して改めてお知らせする」と語った。
都が行っている旅行の東京都民割「もっと楽しもう!TokyoTokyo(略称:もっとTokyo)」事業については、「国の取り扱いに合わせる」として、「引き続き新規予約の受け付けを停止」「すでに予約済みの旅行は、12月18日(金)から1月11日(月)まで利用を一時停止する」と述べた。
「Go To イート」事業については、「食事券の新規発行を引き続き停止」「すでに発行された食事券・ポイントの利用を控えるよう呼びかけ」を、12月18日(金)から1月11日(月)まで行うとした。
中小企業による感染防止対策への助成金については、対象にアクリル板・消毒液・CO2濃度測定器などの購入を追加し、申請期間等を2月26日(金)まで、取り組み期間を4月30日(金)まで延長するとした。
さらに、医療崩壊を防ぐため、国の医療機関への支援とあわせて、新型コロナ患者を受け入れる医療機関への支援を充実させると語った。
質疑応答では、「夕方の総理の発表までの間に、知事と総理の間で、営業時間短縮への協力金支給や『Go To トラベル』一時停止に関して、何かしらやりとりがあったか?」との質問があった。
これに対し、小池知事は、「西村康稔担当大臣に都の要請をいくつか出した」「営業時短は年末年始ということを考慮に入れてほしいと伝えた」と答えた。
知事会見のあと、引き続き、都の担当者による質疑応答が行われた。IWJ記者は、知事への質問を用意して知事会見で手を上げたが、さされなかったため、担当者の質疑応答の時間に、「知事向けに用意した質問だが」と断った上で、質問を行った。
IWJ記者「日本政府の姿勢を問わざるをえないと思うのですが、狂った政策のやり方だと思います。東京都民として、その後始末を何でもかんでも自治体に押しつけることやめてほしいと、知事のほうから菅総理にもっと質してほしいのですがどうでしょうか?
他方、豊洲に関してですが、多くの感染者が出ている現状をふまえ、まして生ものを扱う部署での大量感染です。衛生的に見ても検査を拡充して、感染蔓延をすぐにでも防ぐべきではないでしょうか?」
都の担当者「1問目のお話は、私どもはあくまで事務方でここにきておりますので、会見の事務的な話を、ここではお答えさせていただきたいと思いますので、そのへん私どものほうからは申し上げにくいところがありますので、ご理解いただければと思います。
2点目、申し訳ありません。中央卸売市場が本日同席をしておりませんので、豊洲市場の感染状況については、たいへん申し訳ないんですけれど、個別に中央卸売市場にお問いあわせいただければと思います」
IWJは下記のように、すでに東京都中央卸売市場に直撃取材を行っている。IWJは、監督する立場にある都に対して、対策を質問したのだが、都は自らに責任はないと言わんばかりに門前払いしたわけである。