2012年3月1日(木)、衆議院議員会館で行われた「秘密保全法反対院内集会」の模様。
2010年12月7日に政府は、「尖閣沖漁船衝突事件のビデオがインターネット上に流出する事案等が発生し、政府の情報保全体制に対する信頼が揺らいでいることは誠に遺憾」とし、情報管理・漏えい対策を目的とした「政府における情報保全に関する検討委員会」を設置した。
委員会の下には、「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」が置かれた。2011年8月8日に、有識者会議は「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」を政府に提出した。政府は、2012年通常国会に「秘密保全に関する法制の整備のための法案」(いわゆる秘密保全法)を提出することを決定。報告書を参考に、法制度化の準備を行っている。
- 日時 2012年3月1日(木)
- 場所 衆議院議員会館(東京都千代田区)
- 主催 自由法曹団
今回の集会には、秘密保全法に反対する報道、法律、労働組合などの10数団体が参加。同法の問題点の指摘や今後の抗議に関する発言が約1時間半にわたり行われた。集会の基調報告を行った森孝博弁護士は、「政府は報告書の内容を十分に尊重して法案化作業を行うと公表した。有識者会議報告の内容に沿った法案になるだろう」と述べた。
また森氏は報告書の内容を「およそあらゆる情報が秘密の対象で、故意過失を問わず処罰。公務員のみならず、行政機関から委託を受けた研究者、民間の技術者・労働者などへも網がかけられる。取材活動も教唆などとして罪に問われかない」と同法の問題点を指摘した。加えて、秘密保全法を必要とする立法事実がそもそもないことや政府の狙いについて述べた。
参加者からは情報公開の範囲を政府が拡大させることを懸念し「情報公開が大切だというなか、なぜこのような法案を出すのか」「平和の問題、人権の問題、言論出版の自由の問題と考える」といった発言がされた。衆議院で法務委員会の理事を務める辻恵議員(民主党)や福島瑞穂議員(社民党)も参加し、発言を行った。