【IWJブログ:「戦争はしません。でも、事変はやります」獨協大学教授 古関彰一氏インタビュー】 2013.2.12

記事公開日:2013.2.18取材地: テキスト動画
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 2013年2月12日(火)、岩上安身が、埼玉県草加市獨協大学教授の古関彰一氏へインタビューを行った。以下、インタビューの実況ツイートを掲載します。

■ハイライト

インタビューの本記事はこちらです。
岩上安身による獨協大学教授古関彰一氏インタビュー 2013.2.12

■以下、インタビュー実況ツイートのまとめに加筆・訂正をしたものを掲載します。

2月12日(火)14時~、古関彰一獨協大学教授インタビューの模様を実況します。

古関教授「1995年衆議院で、それまで秘密扱いだった憲法成立時の議事録が初めて公開され、昭和天皇崩御時、木下侍従長の回想録が出るなどして、当時のことが徐々に分かるようになった。当時、最大の問題は、『天皇をどうするか』ということだった。米国にすら『天皇は戦争責任を取るべき』という議論があった。米国は、国務省と陸海軍、大統領を議長とする調整委員会(今の国家安全保障会議)が天皇をどうするか戦中から議論してきた。しかしポツダム宣言でも決まらず。僧職にしてはどうか、という議論もあった。

 ルーズベルト大統領のもとで、ニューディール政策などに携わったケーリス氏などが、日本国憲法制定のメンバーに入っていた。非常にリベラルな顔ぶれ。

 民政局に出したマッカーサー三原則。天皇を最高位にする。戦争の放棄。封建制の廃止。ホイットニー民政局長とケーディスが、具体的に憲法の作成作業に入った。

 ポツダム宣言は、陸海軍の解散に言及しているが、天皇の規定も戦争放棄についても言及がない。これらを憲法に盛り込むというのは、戦後、マッカーサーのイニシアティブで進められた。

 マッカーサーは、やはり昭和天皇が好きだったのだと思う。才覚を非常に高く評価していた。天皇を残して、戦争責任が問われない方法を模索した。それが『象徴』というステータスだった」

岩上「天皇を残すというのは、プラグマティックな判断だったのではないか」

古関教授「そうです。米国というのはよくも悪くもプラグマティズムの国。

 自民党の憲法草案を読んで本当に驚いた。文書を読む時は『何が書かれていないか』を考える。自民党案の最大の問題は、宣戦布告を行なう主体が明記されていないこと。明治憲法では天皇だと規定している。宣戦布告しなければ戦争は出来ない。国際法上、最後通牒を文書で送付して戦争が始まる。満州事変は、国際法上の開戦の手続きを踏んでいないから、戦争ではなく『国家事変』と呼ばれます」

岩上「自民党は『国家事変』を起こすつもりなのでしょうか?」

古関教授「さすがです。この憲法案は、米国が戦争をした場合に国防軍がそこについていけるようにするもの。自民党はそのことを自覚している。第二次大戦のような戦争がまたあるというのではない。アメリカの後方支援をするという新たな戦争が起こりうる、ということ。自民党の新憲法案はそのことを想定している。だから9条1項を残している」

岩上「尖閣の問題。石原氏が購入宣言をしたヘリテージ財団から出たクリングナー論文では、日本の対中ナショナリズムを利用しろ、とある」

古関教授「ほぉ。太平洋をまたぎ、日本と米国との関係は変わらない。15年戦争に入っていったのは、中国との関係を誤ったから。

 ヨーロッパを中心に、領土や国境をベースに安全保障を考えるということが古くなってきている。『人間の安全保障』という新しい概念。難民、感染症、原発などは国境が関係ない。”人間”という単位で安全保障を考える。

 国家安全保障すなわちナショナルセキュリティ。ナショナルには国民も入る。しかし今の安全保障では、国家を守ることだけが考えられている。それは『ステイトセキュリティ』です。

 日本国憲法の骨格は、間違いなくGHQ。アメリカ的な憲法。そこに25条1項の生存権を加えたのは、社会党の議員。福祉国家の根源的な考え方。ワイマール憲法から学んだ」

岩上「私たちは、天皇制が無い社会を考えたことがない」

古関教授「当時の日本共産党が『日本人民共和国憲法案』というのを出したこともある。共産党は日本国憲法に反対していた。共産党は当時、自衛戦争と侵略戦争を分け、自衛戦争を肯定していた。それに対して、吉田茂が『全ての戦争は自衛戦争で始まる』と。現在の左右がひっくり返っている。大変な皮肉。

 昭和23年3月、マッカーサーが、アメリカの陸軍省幹部に沖縄に米軍基地を集約させると発言。この前提には、天皇もそのことに賛成していた、としか考えられない」

岩上「自民党の改憲案。これは憲法の改正なのか、それとも新憲法の制定なのか?」

古関教授「2005年の小泉政権時、自民党は『新憲法草案』を作った。自民党憲法改正草案は非常に復古的。『維新』とは王政復古。自民党の政策集に出ている『日本人らしさ』は、外国人を排除するという前提のもとで成り立つ。改正草案では外国人参政権が認められていない。

 今の憲法が未来永劫守られるべきとは思わない。大切なのは、憲法の中の何を守るのかということ。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重、という日本国憲法の三原則を大きく変えないこと」(了)

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「【IWJブログ:「戦争はしません。でも、事変はやります」獨協大学教授 古関彰一氏インタビュー】」への1件のフィードバック

  1. rakueco_s より:

    このインタビューも憲法ができた経緯に詳しい。明治憲法の頃からこっそり新しい憲法を研究してたグループの話とか。そういう努力があって今の憲法はできてる。すごくおもしろい。

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