「権力を行使する国を縛る、それだけが憲法の役割」―院内集会「いま、憲法を変えていいのか!? ~反貧困、脱原発、平和の実現のために」 2013.3.22

記事公開日:2013.3.22取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/奥松)

 2013年3月22日(金)12時から、衆議院第二議員会館において、「院内集会『いま、憲法を変えていいのか!? ~反貧困、脱原発、平和の実現のために』」 が行われた。「権力を行使する国を縛る、それだけが憲法の役割」と、伊藤真氏は憲法の考え方を語り、宇都宮健児氏は、都知事選挙、原発、生活保護の話を交えながら、現行憲法を守ることを呼びかけた。

■ハイライト

  • 講師 伊藤真氏(伊藤塾塾長、法学館憲法研究所所長)、宇都宮健児氏(前日本弁護士連合会会長、反貧困ネットワーク代表)
  • 主催 9条フェスタ市民ネット

 伊藤氏は、立憲主義について、「多くの人は知らないと思うが、個人の人権を保障するために、権力行使を憲法で制限する考え方をいう。昔、国王に歯止めをかけるために生まれたもので、民主主義社会における多数派による民意を反映した政治でも、やってはいけないことがあれば、それに歯止めをかけるのが立憲主義である。少しデフォルメした形で本質を話すと、法律は、国民を制限し、社会の秩序を守るもので、逆に憲法は、国民が国家を縛り、人権を守るものだ」と説明した。

 今回の自民党の改憲案について、伊藤氏は「3大義務から10個くらいに義務が増えている。まさに、国民に義務を課して、国民を支配するための道具に変質している。国民が国を縛る憲法ではなく、国が国民を支配するための道具になり、憲法の役割が変質している。99条で、天皇摂政および国務大臣国会議員、政治家が憲法を守り、国民には憲法を守る義務はないとしているのが憲法の本質である。ところが、改憲案では、すべて国民はこの憲法を尊重しなければならないとして、国民に憲法を守ることを押しつけ、天皇摂政からは憲法を守る義務を削除している。自民党の改憲案は、国民に憲法を守れと義務づけ、立憲主義の本質を壊すものである。また、天皇摂政を憲法尊重義務から解除し、憲法の上の、超越した存在にしようとしている」と述べた。

 続けて、平和主義に関して、「日本国憲法には、日本の先進性の表れで独自のものである、積極的非暴力平和主義、恒久平和主義と呼ばれるものがある。これは日本の英知の結晶であり、日本人の誇りで、他国と違うところである。まさに日本国憲法の立憲主義に並ぶ、大きな特徴である」と述べた。その上で、「自民党の改憲案では、立憲主義からの決別とともに、平和主義からも決別している。日本の英知を、まさに否定している。9条2項の戦力の保持と交戦権の否認を、改憲案では削除するという。この交戦権の否認は、極めて重要だ。

(…会員ページにつづく)

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