2013年2月26日(火)18時から、東京都千代田区の弁護士会館で、日本弁護士連合会が主催する「秘密保全法制シンポジウムPART III『言論の自由を守れるか』」が開かれた。同シンポジウム3回目の今回は、報道の現場と関わりが深い現役ジャーナリストが招聘され、警察をめぐる情報と秘密保全法について議論が交わされた。
(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)
2013年2月26日(火)18時から、東京都千代田区の弁護士会館で、日本弁護士連合会が主催する「秘密保全法制シンポジウムPART III『言論の自由を守れるか』」が開かれた。同シンポジウム3回目の今回は、報道の現場と関わりが深い現役ジャーナリストが招聘され、警察をめぐる情報と秘密保全法について議論が交わされた。
■ハイライト
高崎暢氏(日弁連副会長)による挨拶に続き、田中早苗氏(日弁連人権擁護委員会副委員長)が、基調報告で、秘密保全法制が報道の自由に与える影響について述べた。「特別秘密の概念は曖昧で広範だ」と指摘した田中氏は、「国防に関しては、自衛隊法がすでにある。尖閣沖の漁船衝突事故の映像は、国民が知るべき情報だった。あの一件以外で、同法改正後に国家の秘密が外に漏れた形跡はない。国は、秘密の範囲を広げようとしている」と力説した。TPP(環太平洋連携協定)に代表される、通商外交や原発の安全性をめぐる情報、さらには警察関連の情報までも、「特別秘密に指定される恐れがある」として危惧を表明した。
続く特別報告では、福山洋子氏(日弁連憲法委員会副会長)が「少し時間をもらい、憲法改正の問題について話したい」とし、国家安全基本法案の3条3項の存在を指摘。「これは秘密保全法よりも適用範囲が広いと考えられ、国が無限定で情報を保護する可能性がある内容である」と強調した。
その後のパネルディスカッションには、パネリストとして、青木理氏(フリージャーナリスト)、轡田隆史氏(元朝日新聞論説委員)、梶山天氏(朝日新聞記者)、高田昌幸氏(高知新聞記者、元北海道新聞記者)が登壇した。
司会を務めた清水勉氏(日弁連秘密保全法制対策本部長事務局長)は、「今日は警察をめぐる情報について、秘密保全法の観点から討論したい」と宣言し、「事件報道の現場がどうなっているか、忌憚のない発言を」と壇上の4人に呼び掛けた。
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