「東京大改革2.0」
小池百合子東京都知事がパネルを掲げた示した政策のキャッチフレーズは、東京都政の改革を、1期目よりもバージョンアップして継続していく、という決意表明ということだったが、肝心の詳細な政策は「後日改めて」との事で、中身は何もわからずじまいだった。
▲小池百合子東京都知事
6月12日、かねてより都知事選に出馬するとみられていた小池氏が、2期目を目指して出馬を表明。都庁で記者会見を行った。
6月18日告示、7月5日投開票の都知事選にこの時期まで出馬表明を遅らせた理由は、現職知事としてコロナ対策名目でメディアに露出することを、「選挙活動」として最大限に利用するためではないか、との批判もある。
出馬表明のタイミングも、新型コロナウイルスに対する東京アラート解除を発表した翌日。この日東京都は、休業要請を「ステップ3」に緩和し、カラオケや漫画喫茶などの休業要請を解除。また、飲食店の営業時間をこれまでの午後10時までから、午前0時までとした。
東京都の新型コロナウイルスの新規感染者は、6月に入っても、2桁の人数が出続けている。とても警戒を解除できる状況ではない。しかも小池都知事は「夜の街」が危険であると名指ししながら、「接待をともなう飲食店」まで自粛解除している。これらは自身の出馬にあわせた、支持率稼ぎのための政策ではないかと勘ぐってしまう。
- タイトル 東京都知事選 小池百合子氏 出馬会見
- 日時 2020年6月12日(金)18:00〜
- 場所 東京都庁(東京都新宿区)
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さらに都は12日夜、レインボーブリッジや都庁のライトアップをこれまでの赤色から虹色に変えた。これもまた、出馬表明にあわせて小池氏の都知事としての業績をたたえるための演出のようにさえ見えてしまう。
小池都政については、4年前に掲げた公約、「待機児童ゼロ」「介護離職ゼロ」「残業ゼロ」「都道電柱ゼロ」「満員電車ゼロ」「多摩格差ゼロ」「ペット殺処分ゼロ」の「7つのゼロ」の大半が達成されていないことが明らかになっている。
また、文藝春秋社から出版された石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』がベストセラーとなり、「カイロ大学を首席で卒業」という小池氏の学歴詐称疑惑が再燃している。
しかし記者会見では、大手メディアの記者から「これまでの4年間を振り返って、4字熟語で表現してください」などと、記者クラブの記者と知事の、べたべたとしたなれあいを表すような危機感の全くない、生ぬるい質問ばかりが繰り出された。
一方、雑誌記者から公約が達成されていないことを質問された小池氏は、「揶揄する質問かと思う」などとかわした。
また、フリージャーナリストの畠山理仁氏が「出馬に際して卒業証明書を提示するつもりはないか?」と質問。
これに対して小池氏は「卒業云々についてはすでに私自身がカイロ大学が認めているということを申し上げてまいりました。また今日も一部のメディアで、原本そのもの、かつて公表しておりますので、それを載せて掲載しているところがございました」と語り、すでに原本も示し、カイロ大学からも正式にお認めいただいていると主張した。
しかし現在、カイロ大学の認定の根拠や卒業証書の真贋そのものについて疑惑が生じているため、これでは答えになっていないことは明らかだ。
まさに中身をともなわない、イメージ最優先の劇場型小池都政の総仕上げのような出馬表明と言えるのではないだろうか?
東京都の基準を超えたコロナ感染者、東京アラート、コロナ感染より都知事選の優先順位が上か?
当初から計画通りのまま解除か?オリンピック延期決定直後の時と同じか?何かおかしい?