2020年4月22日、東京都千代田区内で、千代田区保健福祉部が主体となって設置した「PCR検体採取仮設診療所」のメディア向け内覧会が開催された。
開催にあたり、石川雅己区長は「採取した検体を民間の検査機関に持ち込むと、早いと翌日には結果が出る」「判定と採取の分離が結果として感染防止につながる」と設置の趣意を述べた。
山崎崇・千代田区地域保健課長は「軽症者はなかなか検査が受けられない、と区民から苦情のようなものは頂いていた」「区内の医師会、病院と連携を取って実現したが、医師の確保の関係で、1日あたり2時間、当初予定では一人当たり15分を想定していたが、慣れるにしたがって5分くらいで終わることができるだろう」と話した。
重ねて歌川さとみ保健福祉部長は「医療スタッフは医師、看護師、受付事務の3人一組、すべて医療機関から来ていただく」「慣れてくれば一人当たり5分で終了するので、1時間あたり入れ替えを含めても10件が可能、1日2時間なので20件はできるのではないか、1日あたりの処理件数は弾力的に運用する」と述べた。
仮設診療所は受付、検体採取、そしてスタッフの着替えの3つのセクションで構成され、検体採取のテント内はエアコン、排気ダクト、フットペダルで手洗いができる流しが設置されており、鼻腔粘膜から検体を採取して、専用容器に収めるまでは実質1分ほどで終了し、他の患者との接触はない。
最後に単独取材に応じた歌川部長は「こちらの利用者は医師の診断を受けた方が、医師を通じて予約をする施設。区民の方が区役所に直接申し込むという利用のしかたではない。医師から検査が必要との連絡を受けて、月・水・金曜日のそれぞれ2時間予約を受け付ける。予約が決まれば、医師から曜日、時間が伝えられ、公共交通機関を使わずに来所いただく流れになる」とあくまで、かかりつけ医師を通じて実施される旨を強調した。