今冬、偏西風の蛇行の影響により日本は暖かく、スキー場は深刻な雪不足に見舞われていることが報じられている。様々な記事、TV番組が声高に暖冬を報じているし、犯人を温暖化のせいだと名指ししている媒体もあるので、読者によっては素直にCO2の上昇による地球温暖化がこの暖冬の原因だと思っている人もあるだろう。
- 「大暖冬で雪が足りない」の先にある大きな心配(東洋経済、2020年1月27日)
- 地球温暖化がもたらしている今年の暖冬… もっと危機感をもたなければ!(夕刊フジ、2020年1月31日)
しかし、依然としてCO2による地球温暖化説は仮説に過ぎず、日本の主要メディアはこの事実を無視しているものの、昨年(2019)年に発表された科学論文だけでも440篇以上(その内131篇が地球の気候変動は主に自然が原因だとし、121篇が将来の気温を予測する気候モデルには欠陥があることを示唆している)が人為的なCO2の排出が主に気候変動を操るとの見解に疑問を投げかけている、という事実を知っていていただきたい。
- Over 440 Scientific Papers Published In 2019 Support A Skeptical Position On Climate Alarm(Climate Depot、2020年1月31日)
- 上記の440篇の科学論文に対する日本語訳のツイート(2020年2月1日)
また、世界中が暖冬による雪不足に苛まれていると思っている人もいるかも知れないがそうではない。例えば、台湾は記録的な大雪に見舞われていたし、カザフスタンでは約5フィート(約152cm)の積雪に車が埋まるような状態にあった。
- Record snowfall in Taiwan(Ice Age Now、2020年2月2日)
- Another video from Kazakhstan(Ice Age Now、2020年1月31日)
そして、北半球全体の積雪量についてだが、米国のラトガース大学が公開しているデータによれば、秋も冬も1967年の統計開始以来増加傾向にあり、地球温暖化による雪不足は確認できない。
- RUTGERS UNIVERSITY :: CLIMATE LAB :: GLOBAL SNOW LAB
- Data: Northern Hemisphere Fall/Winter Snow Cover Continues To Climb. Arctic Ice Mass Stabilizes(No Tricks Zone、2020年1月29日)
- 日本語による説明のあるツイート(2020年1月30日)
因みに、米国の海洋大気庁(NOAA)の解説を読むと、北極上空にある強い寒気の渦である「極渦」がジェット気流(偏西風)とともに蛇行する現象は冬季にしばしば起こることや、極渦という名称は1853年には既に言及されており、全く珍しい現象ではないということなどが分かる。
偏西風の蛇行による自然現象で、日本では今シーズンは暖冬が続くかも知れない。しかし、それは天気のせいであり、世界を見れば大雪に見舞われている地域もあり、それもまた、今のところは天気のせいだろう。日本では、多くのメディアが「30年に一度」という異常気象の定義を無視して、暖かい天気を気候変動や地球温暖化に結びつけがちであるが、冷静な読者はそれに踊らされないものと信じる。
温暖化やCO2に疑問を感じることと環境問題に無関心とは違う。
まずは疑うことから化学は始まるのだ。読み応えあり。
ホッキョクグマ研究の第一人者が「気候変動でホッキョクグマは絶滅しない」と主張!! 絶滅どころか実はホッキョクグマ増えていた! https://iwj.co.jp/wj/open/archives/467935
@iwakamiyasumi
https://twitter.com/55kurosuke/status/1231886972089618432