はじめに
(1)足立康史氏は、
2011年、みんなの党大阪府第9選挙区支部長だったが、
2012年、日本維新の会に移籍し、大阪府第9選挙区支部長になった。
2012年衆議院総選挙の小選挙区選挙で初当選し、
2014年衆議院総選挙の比例代表選挙、2017年衆議院総選の比例代表選挙で
それぞれ当選した(http://adachiyasushi.jp/?page_id=2253)。
(2)このブロブの連載「その59」の投稿において、
直近3回(2012年、2014年、2017年)の衆議院総選挙で
「日本維新の会」の馬場伸幸幹事長(現在)の選挙運動資金の残金約942・6万円が、
収支報告の期待される選挙区支部・資金管理団体等で収支報告されていないことを指摘した
(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51922296.html)。
また、「その60」の投稿において
「日本維新の会」の伊東信久氏の選挙運動資金の残金約1774・8万円が、
収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で収支報告されていないことを指摘した
(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51922364.html)。
(3)足立康史衆議院議員についても同様の問題、
それも伊東信久候補より当該残金が多額であることがわかったので、
以下具体的に指摘する。
1 2012年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は1082・5万円弱
(1)まず、2012年総選挙の時。
足立康史候補は「日本維新の会」公認で立候補していた。
2012年12月16日執行の衆議院小選挙区選出 議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8407948_po_251227選管事務局告示112号.pdf?contentNo=24&alternativeNo=)
における「足立康史」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(60-61枚目)には、
2012年11月15日~同年12月26日までの収入総額は
計1500万円と記載されている。
一方、
同じ期間の支出総額は計587万1531円で、
そのうち「公費負担相当額」は169万6440円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
足立康史候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した417万5091円となる。
したがって、
1082万4909円の黒字となる。
(2)では、この選挙運動資金における1082・5万円弱の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
2012年12月26日以降、足立康史議員の選挙区支部などに寄附が
なされていたのだろうか?
足立康史議員が代表を務めている「日本維新の会衆議院大阪府第9選挙区支部」
の2012年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/271504/2012.pdf)
同2013年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/271504/2013.pdf)
また、足立康史議員の資金管理団体「足立やすし後援会」
の2012年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/271502/2012.pdf)
同2013年分政治資金収支報告書
(https://www.openpolitics.or.jp/pdf/271502/2013.pdf)
を、
それぞれチェックしたが、
2012年12月26日以降、足立康史候補(または選挙事務所)から
1082・5万円弱の寄付を受領したとの記載はない。
(3)要するに、
2012年衆議院総選挙における足立康史候補の選挙運動資金の実質的残金
1082・5万円弱は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。
他の政治団体で収支報告されたのだろうか?
2 2014年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は717・3万円弱
(1)次は、2014年衆議院総選挙の時。
足立康史候補は「維新の党」公認で立候補していた。
2014年12月14日執行の衆議院小選挙区選出議 員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9928219_po_%EF%BC%88差し替え%EF%BC%89280310選管事務局告示10号.pdf?contentNo=14&alternativeNo=)
における
「足立康史」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(49-50枚目)には、
2014年11月17日~2015年1月15日までの収入総額は
計1018万円と記載されている。
一方、
同じ期間の支出総額は計474万0032円で、
そのうち「公費負担相当額」は173万2652円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
足立康史候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した300万7380円となる。
したがって、
717万2620円の黒字となる。
(2)では、この選挙運動資金における717・3万円弱の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
2015年1月15日以降、足立康史議員の選挙区支部などに寄附が
なされていたのだろうか?
足立康史議員が代表を務めている「維新の党衆議院大阪府第9選挙区支部」
の2015年分政治資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00230075/27pq0014.pdf)
また、足立康史議員の資金管理団体「あだち康史後援会」
の2015年分政治資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228584/291122h27aa0278.pdf)
を、
それぞれチェックしたが、
2015年1月15日以降、足立康史候補(または選挙事務所)から
717・3万円弱の寄付を受領したとの記載はない。
(3)要するに、
2014年衆議院総選挙における足立康史候補の選挙運動資金の実質的残金
717・3万円弱は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。
他の政治団体で収支報告されてたのだろうか?
3 2017年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は844・9万円強
(1)最後に、2017年総選挙の時。
足立康史候補は「日本維新の会」公認で立候補していた。
2017年10月22日執行の衆議院小選挙区選出議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11160490_po_300813選管事務局告示第83号.pdf?contentNo=10&alternativeNo=)における
「足立康史」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(41-42枚目)には、
2017年9月21日~同年11月28日までの収入総額は
計1021万5000円と記載されている。
一方、
同じ期間の支出総額は計370万1383円で、
そのうち「公費負担相当額」は193万5868円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
足立康史候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した176万5515円となる。
したがって、
844万9485円の黒字となる。
(2)では、この選挙運動資金における844・9万円強の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
足立康史議員が代表を務めている「日本維新の会衆議院大阪府第9選挙区支部」
の2017年分政治資金資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306681/29PY0008.pdf)
また、資金管理団体「あだち康史後援会」の2017年分政治資金収支報告書
(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307434/29aa0278.pdf)
を、
それぞれチェックしたが、
2017年11月28日以降、足立康史候補(選挙事務所)から
844・9万円強の寄付がなされたとの記載はどこにもなかった。
(3)要するに、
2017年衆議院総選挙における足立康史候補の選挙運動資金の実質的残金
844・9万円強は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。
他の政治団体で収支報告されているのだろうか?
4 まとめ
(1)以上によると、
足立康史候補の選挙運動資金の実質的残金は、
2012年衆議院総選挙では1082万4909円
2014年衆議院総選挙では 717万2620円
2017年衆議院総選挙では 844万9485円
以上の残金合計額は2644万7014円である。
選挙運動資金の残金は、政治活動のために支出するのであれば、
自身の関係する選挙区支部・政治団体で収支報告されるべきだが、
足立康史候補(または選挙事務所)は、そうしてはいない。
(3)足立康史議員または出納責任者らは、
上記の各残金を、その都度どう処理したのだろうか?
選挙運動の裏金として違法支出したのだろうか?
選挙後の政治活動の裏金として違法支出したのだろうか?
誰かがネコババしたのだろうか?
そのいずれかが真実だからこそ
直近3回の選挙運動資金の残金計2644万7014円を
自身の関係政治団体等に寄付せず収支報告していないのではないか、
との疑念が生じる。
足立康史議員は、この疑念を払拭するために説明責任を果たすべきである。
(つづく)