政治資金問題から見える「維新の正体」その59(馬場伸幸幹事長の消えた選挙運動残金疑惑、直近3回衆院選で約942・6万円)~ブログ「上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場」より 2019.7.17

記事公開日:2019.7.17 テキスト
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(文・上脇博之)

特集 「ゆ」党再編の要!? 維新の「正体」
※2019年6月22日9:53 投稿の本ブログは、上脇博之氏の許可をいただき掲載しています。

はじめに

(1)このブロブの連載「 政治資金問題から見える「維新の正体」」「その58」の投稿において、現在「日本維新の会」の幹事長である馬場伸幸衆議院議員の2017年衆議院総選挙における選挙運動資金の実質的残金305万円強(305万391円)がどこにも収支報告されていないという問題を指摘した(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51922278.html)。

(2)実は、馬場伸幸衆議院議員の選挙運動資金資金の残金が収支報告されていないのは、
2017年衆議院総選挙だけではなく、
その前の2014年でも、その前の2012年でも
同様に収支報告されていないのではないかとの疑惑が生じることが判明した。

1 2014年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は237・8万円弱

(1)まず、2014年衆議院総選挙の時。
馬場伸幸候補は「維新の党」公認で立候補していた。

2014年12月14日執行の衆議院小選挙区選出議 員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9928219_po_%EF%BC%88差し替え%EF%BC%89280310選管事務局告示10号.pdf?contentNo=14&alternativeNo=)
における
「馬場伸幸」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(102-103頁)には、
2014年11月21日~2015年1月22日までの収入総額は
計517万7240円と記載されている。

一方、
同じ期間の支出総額は計493万7615円で、
そのうち「公費負担相当額」は213万8036円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
馬場伸幸候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した279万9579円となり、
237万7661円の黒字となる。

(2)では、この選挙運動資金における237・8万円弱の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?
2015年1月22日以降、馬場伸幸議員の選挙区支部などに寄附(戻し金)が
なされていたのだろうか?

まず、400万円を超える寄付をしていた「維新の党衆議院大阪府第17選挙区支部」
への寄附(戻し金)があるのか、同支部の2015年分政治資金収支報告書
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00230075/27pq0019.pdf
をみても、
馬場伸幸候補(選挙事務所)から237・8万円弱の寄付を受領した
との記載はない。

また、馬場伸幸議員の資金管理団体「伸幸会」の2015年分政治資金収支報告書
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228573/27sb0165.pdf
をみても、
馬場伸幸候補(選挙事務所)から237・8万円弱の寄付を受領した
との記載はない。

念のために、「馬場伸幸後援会」の2015年分政治資金収支報告書
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228520/27ha0078.pdf
もみたが、
馬場伸幸候補(選挙事務所)から237・8万円弱の寄付を受領した
との記載はない。

(3)要するに、
2014年衆議院総選挙における馬場伸幸候補の選挙運動資金の実質的残金
237・8万円弱は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。

他の政治団体で収支報告されているのだろうか?

2 2012年衆議院総選挙における選挙運動資金の残金は399・8万円弱

(1)次は、2012年総選挙の時。
馬場伸幸候補は「日本維新の会」公認で立候補していた。

2012年12月16日執行の衆議院小選挙区選出 議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8407948_po_251227選管事務局告示112号.pdf?contentNo=24&alternativeNo=)
における「馬場伸幸」候補の選挙運動費用収支報告書の要旨(121-123頁)には、
2012年11月21日~2013年2月5日までの収入総額は
計721万2100円と記載されている。

一方、
同じ期間の支出総額は計529万4566円で、
そのうち「公費負担相当額」は208万0218円と記載されている。
以上に基づいて清算がなされたのであれば、
馬場伸幸候補(選挙事務所)の実質的な支出総額は
「公費負担相当額」を控除した321万4348円となり、
399万7752円の黒字となる。

(2)では、この選挙運動資金における399・8万円弱の残金は、
その後どのように取り扱われたのだろうか?

2013年2月5日以降、馬場伸幸議員の選挙区支部などに寄附(戻し金)が
なされていたのだろうか?

まず、600万円の寄付をしていた「日本維新の会衆議院大阪府第17選挙区支部」
への寄附(戻し金)があるのか、同支部の2013年分政治資金収支報告書
https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272901/2013.pdf
をみても、
馬場伸幸候補(選挙事務所)から399・8万円弱の寄付を受領した
との記載はない。

また、馬場伸幸議員の資金管理団体「伸幸会」の2013年分政治資金収支報告書
https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272902/2013.pdf
をみても、
馬場伸幸候補(選挙事務所)から399・8万円弱の寄付を受領した
との記載はない。

念のために、「馬場伸幸後援会」の2013年分政治資金収支報告書
https://www.openpolitics.or.jp/pdf/272903/2013.pdf
もみたが、
馬場伸幸候補(選挙事務所)から399・8万円弱の寄付を受領した
との記載はない。

(3)要するに、
2012年衆議院総選挙における馬場伸幸候補の選挙運動資金の実質的残金
399・8万円弱は、収支報告の期待される選挙区支部・政治団体で
収支報告されてはないのである。

他の政治団体で収支報告されているのだろうか?

3 まとめ

(1)以上によると、
馬場伸幸候補の選挙運動資金の実質的残金は、
2017年衆議院総選挙では305万0391円
2014年衆議院総選挙では237万7661円
2012年衆議院総選挙では399万7752円

以上の残金合計額は942万5804円である。

(2)馬場伸幸氏は、堺市議会議員を経て、
2012年衆議院総選挙で初当選している(http://baba-nobuyuki.com/profile.html)が、
その時以降、国会議員であるながら、
選挙運動資金の残金は、政治活動のために支出するのであれば、
自身の関係する選挙区支部・政治団体で収支報告されるべきだが、
それはなされていない。

(3)馬場伸幸幹事長(現在)または出納責任者らは、
上記の各残金を、その都度どう処理したのだろうか?

選挙運動の裏金として違法支出したのだろうか?
選挙後の政治活動の裏金として違法支出したのだろうか?
誰かがネコババしたのだろうか?

そのいずれかが真実だからこそ
直近3回の選挙運動資金の残金計942万5804円を
自身の関係政治団体等に寄付せず収支報告していないのではないか、
との疑念が生じる。

馬場伸幸幹事長は、以上の疑念を払拭するために説明責任を果たす必要がある。

(つづく)

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