はじめに
(1)数日前から2015年大阪府議会選挙に「大阪維新の会」から立候補した者
の政治団体の政治資金収支報告書を調査しているが、
同じ名称の政治団体が2つあり、驚いたので、以下では、それを紹介する。
もっとも、
同じ名称の政治団体は、これまでも複数確認できているのだが、
その場合、政治団体の名称は同じでも、その代表あるいはそれが支援している政治家は、
別人である。
ところが、
私が今回、驚いたのは、同じ政治家の政治団体で、名称が同じ政治団体なのである。
それは、「笹川理志援会」である。
もっとも、同時期に存在していたわけではなく、
解散後に再び同じ名称の「笹川理志援会」が結成されていたのである。
それも同年内に結成されているのだ。
(2)笹川理氏は、
自民党政治大学校なにわ塾 卒業(1期生)だったが、
「大阪維新の会」での立候補に際し除籍処分 されている人物で、
2011年の大阪府議会選挙で初当選し、
2015年には再選されてた府議会議員である(http://sasagawa-osaka.jp/profile.html)。
先月(2019年4月)の府議会選挙でも当選しているようだ。
1 新「笹川理志援会」の消えた政治資金約218・8万円
(1)では、問題の「笹川理志援会」である。
その政治資金収支報告書とその概要は、以下の通りである。
①2014年分(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00237084/26sa0159.pdf)
代表は笹川理氏、会計責任者は石井誠宏氏
主たる事務所の所在地は大阪市東淀川区北江口(以下省略)
「翌年への繰越額」は345万964円。
②2015年分(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00237084/27sa0159.pdf)
代表は笹川理氏、会計責任者は石井誠宏氏
主たる事務所の所在地は大阪市東淀川区北江口(以下省略)
「前年からの繰越額は」345万964円
「翌年への繰越額」は335万4870円。
③2016年分(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00237084/28sa0159.pdf)
代表は笹川理氏、会計責任者は石井誠宏氏
主たる事務所の所在地は大阪市東淀川区北江口(以下省略)
「前年からの繰越額は」335万4870円
「翌年への繰越額」は218万7967円。
この政治団体は、解散したようで、
大阪府選挙管理委員会にその政治資金収支報告書を
2016年10月11日に提出している。
ところが、
2016年分の政治資金収支報告書がもう一つあった。
④2016年分(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306427/28sa0212.pdf)
代表は笹川理氏、会計責任者は笹川学氏
主たる事務所の所在地は大阪市東淀川区相川(以下省略)
「前年からの繰越額」は0円
「翌年への繰越額」は1万8239円。
⑤2017年分(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307501/29sa0212.pdf)
代表は笹川理氏、会計責任者は笹川学氏
主たる事務所の所在地は大阪市東淀川区相川(以下省略)
「前年からの繰越額」は1万8239円
「翌年への繰越額」は3万1304円。
ところが、
2018年分の政治資金収支報告書を発見した。
⑥2018年分(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306420/30sa0212.pdf)。
代表は笹川理氏、会計責任者は笹川学氏
主たる事務所の所在地は大阪市東淀川区相川(以下省略)
「前年からの繰越額」は3万1304円
「翌年への繰越額」は0円。
この政治団体も、解散したようで、
大阪府選挙管理委員会にその政治資金収支報告書を
2018年6月15日に提出している。
なお、いずれも、資金管理団体ではなく、
政治資金の支出の明細が記載されない「その他の政治団体」である。
(2)旧「笹川理志援会」は、その代表が笹川理議員本人なので、
2016年に解散したのは、本人の意向だったのだろう。
また、同年に、同じ名称の新「笹川理志援会」を結成したのも、
代表の笹川理議員本人の意向だったのだろう。
(3)そうなると、
2015年大阪府議会選挙で再選されたのに、
なぜ、その翌年に、あえて旧「笹川理志援会」を解散したのか疑問である。
ほかに政治団体を持っているのだろうか?
現時点では、私はその存在を把握してはいない。
旧「笹川理志援会」を解散した理由は、本人に確認するしかないが、
その理由の可能性として推察できることがある。
それは、2016年の解散時の「翌年への繰越額」218万7967円を
ネコババするためではないか、ということである。
同年に結成された同じ名称の新「笹川理志援会」は
「前年からの繰越額」は0円で、
前の「笹川理志援会」から継承したと明記された収入は、
存在しないからだ。
つまり、
「翌年への繰越額」218万7967円は、消えたのである。
もし、このカネが政治活動に使用されていれば、
政治資金規正法違反である。
もし選挙で投入したのなら、公選法違反になる。
そうなると、
「218万7967円」は誰かのポケットマネーにされたという選択肢
しか残らないように思う。
(4)2016年10月20日には36万円が「笹川理」氏名義で
新「笹川理志援会」に寄附されているが、
これは、「218万7967円」の一部だったのだろうか!?
それまで(2014年から)旧新「笹川理志援会」へは
「笹川理」氏名義の寄付はなかったのに
上記の36万円を皮切りに新「笹川理志援会」にへは
「笹川理」氏名義で以下の寄付がなされている。
2017年3月30日 50万円
2018年3月30日 10万313円。
2 なぜ新「笹川理志援会」もかいさんしたのか?
(1)さらに疑問なのは、新「笹川理志援会」は、
なぜ2018年6月に政治資金収支報告書を提出して解散しているのか、
ということである。
「前年への繰越額」は0円なので、
2016年時のネコババがなされた可能性はないことになるが、
今年(2019年)の統一地方選挙に立候補しているわけだから、
新「笹川理志援会」を解散しなければならない理由があるとは思えないからだ。
新「笹川理志援会」を解散してから、
笹川理議員は、政治資金なしで政治活動しているのだろうか?
(2)そんなことはないだろう。
というのは、
いまだに、解散した新「笹川理志援会」の主たる事務所の所在地が、
笹川理事務所における「連絡・府政相談所」(政務事務所とは別)
になっているからだ(sasagawa-osaka.jp/)。
その事務所の賃料等はどうしているのだろうか?
私が把握していない政治団体をもっているのだろうか?
(つづく)