政治資金問題から見える「維新の正体」その22(「馬場伸幸後援会」が「なんばグランド花月貸切観劇会」に500万円支出)~ブログ「上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場」より 2019.7.9

記事公開日:2019.7.9 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・上脇博之)

特集 「ゆ」党再編の要!? 維新の「正体」
※2019年4月6日23:35投稿の本ブログは、上脇博之氏の許可をいただき掲載しています。

(1)「馬場伸幸後援会」は、「日本維新の会」の馬場伸幸幹事長の政治団体である。
「資金管理団体」ではなく、「その他の政治団体」であるし、代表は馬場伸幸幹事長ではない。

しかし、主たる事務所の所在地は、大阪府堺市西区鳳南町(番地は省略)であり、この所在地は、馬場伸幸幹事長が代表の「日本維新の会衆議院大阪府第17選挙区支部」および馬場伸幸幹事長が代表の資金管理団体「伸幸会」
の主たる事務所の所在地と同じであり、会計責任者Aも事務担当者Bもそれぞれ同じ人物A・Bであり、連絡用の電話番号も全く同じである。

また、会費を支払っている会員は一人もおらず、後述するように馬場伸幸幹事長のための政治資金パーティーも開催しているし、衆議院総選挙の時は、馬場伸幸選挙事務所に無償提供の寄付(54万9600円)をしている。

さらに、「維新」の創始者である橋下徹氏に講演を依頼し、「(株)TMマネジメント」に「216万円」の「講演料」を支払ってもいる(「その3」を参照)。

したがって、「馬場伸幸後援会」は、いわゆる勝手連的な政治団体ではなく、事実上の資金管理団体に匹敵する政治団体である。

(2)その「馬場伸幸後援会」(高槻清爾)の2017年政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00307561/29ha0078.pdf)には、「機関紙誌の発行その他の事業による収入」として、以下の記載がある。

役員新年会会費                        30万0000円
なんばグランド花月貸切観劇会                501万4500円
政治資金パーティー開催事業(衆議院議員馬場伸幸を励ます会)1455万円
役員会会費                          18万9000円
政治資金パーティー開催事業(衆議院議員馬場伸幸を囲む会)  155万5000円

以上のうち、「なんばグランド花月貸切観劇会」に関する経費支出に関しては、以下のように記載されていた。

劇場貸切及び飲食代  500万円 2017年6月16日 (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー 2017年6月4日開催

つまり、「なんばグランド花月貸切観劇会」については、501万4500円の収入があり、
500万円を支出していたのである。
おそらく観劇会参加者から参加費を徴収し、その資金で支払いが行われているのだろう。
したがって、公選法違反の寄付にはならないだろう。

(3)私がここで問題視したいことの第一は、「なんばグランド花月貸切観劇会」が政治活動の一部だと位置づけていることだ。

「なんばグランド花月」(http://www.yoshimoto.co.jp/ngk/)は、
周知のように、吉本新喜劇などが行われている劇場である。

「なんばグランド花月貸切観劇会」について政治資金収支報告書にその収支を記載していることは、正直でよいが、これが政治活動だと考えていることには大いに異論がある。
従来の保守政治家と同じではないか!

(4)第二に、このような事業を行うことには何らかの政治的思惑を感じる。
というのは、吉本興業の芸人はテレビやラジオに出演し、しばしば政権与党べったりの政治的発言をしている者が多い。

500万円を支出し、吉本興業とその芸人に何らかの影響力を行使したいと考えているのではないかとの疑念が生じるのだ。

(5)そこで、気になることがある。
500万円は、何名分なのだろうか?
「なんばグランド花月」の座席数は2階席を含めても860程度である(http://zaseki.s-works.jp/345)。
2階席を含め満席だったのだろうか?
貸切でちょうど860人を募集したのだろうか?
その場合、一人約5800円になる。
これは、以下の情報と比較すると高すぎる。

https://shinkigeki.com/ticketprice/
吉本新喜劇の本場である大阪《なんばグランド花月》の、チケット値段は基本的に
1階指定席 4,700円(通常料金)
2階指定席 4,200円(通常料金)
くらいの値段です。

もし団体割引があれば、もっと安いのではないかと思われる。

どう考えても500万円は高すぎる。

ランチ付きだったのだろうか?
しかし、そうすると、逆に支払いが少なくなってしまう。
劇場によっては、プラス1,350円でお弁当セットのチケットが販売されていたり、ホテルランチセットのチケットも販売されていますよ!

(前掲)

いずれにせよ、500万円の内訳の詳細が知りたいものだ。

(6)ちなみに、
前述の「衆議院議員馬場伸幸を囲む会」の支出においては、以下の支出が記載されてある。

出演料  20万円 2017年12月15日 (株)ヨシモトクリエイティブ・エージェンシー

(7)最後に、おまけの紹介である。

前述の「衆議院議員馬場伸幸を励ます会」の支出においては、前述の「216万円」の「講演料」や「会場借り上げ及び食事飲代」(593・7万円)のほかに、以下の支出が記載されている。

コンパニオン料 10万円 2017年8月9日 BANQUET STAFF ベルフィーユ  堺市堺区戎島町

ホテルで開催しているのに、果たしてコンパニオンが必要なのだろうか?

(つづく)

——ブログへのリンク——

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です