政治資金問題から見える「維新の正体」その11(「大阪維新の会」等の「大阪府宅建政治連盟」購入政治資金パー券収支計332万円~388万円不記載疑惑)~ブログ「上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場」より 2019.7.7

記事公開日:2019.7.7 テキスト
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(文・上脇博之)

特集 「ゆ」党再編の要!? 維新の「正体」
※2019年3月31日9:11投稿の本ブログは、上脇博之氏の許可をいただき掲載しています。

1 政治資金規正法の収支の公開基準、「大阪府宅建政治連盟」と「大阪維新の会」所属議員との関係

(1)今回は、「大阪維新の会」の政治資金パーティー収入記載不記載疑惑について紹介するが、その前に、政治資金規正法における記載義務の基準について解説しておく。

同法は、政治資金の収入と支出を正直に政治資金収支報告書に記載するよう義務付けている(第12条)ことは、これまで何度か解説してきたが、その記載には、いくつかの点で注意を要する。
まず、収入の点を解説する。

「収入」については、単純化していえば、「寄付収入」と「政治資金パーティー」収入がある(正確にえば、他の収入もあるが、ここでは省略する)。

①寄付収入の場合、
政治団体(政党を含む)は、個人の寄付、法人の寄付、政治団体の寄付などの寄付者の主体ごとに、それぞれ寄付収入総額を記載する必要があるのだが、
それとは別に、個人であれ、法人であれ、団体であれ、
1年間の寄付者一人(1法人、1団体)の寄付の合計額が5万円を超える場合、
寄付者の氏名、寄付の金額、その者の住所、寄付を受けた年月日などの個々具体的な明細を記載する必要がある。
言い換えれば、年間5万円以下の寄付者については、その明細を記載する必要はないが、
寄付収入の総額や寄付者の主体ごとの寄付合計額には、このような寄付も含めて記載しなければならない。

例えば、毎月1万円、1年間で12万円の寄付をした者、あるいは、1回で6万円の寄付をした者があれば、その寄付を受けた政治団体は、その寄付者の氏名、寄付ごとの金額、年月日、住所などの明細を記載する必要がある。

②政治資金パーティー収入の場合、
政治団体(政党を含む)は、は、各パーティーごとの収入合計額を記載する必要があるが、
それとは別に、各パーティーごとに、20万円を超えるパーティ券購入者(パーティー会費支払者)があれば、その氏名’(法人名、団体名)、金額などの明細を記載する必要がある。
しかし、
各パーティーごとに20万円以下のパーティ券購入者(パーティー会費支払者)については、支払者の氏名、金額、年月日、住所など明細を記載する必要はない

例えば、ある政治団体が主催する、ある1つの政治資金パーティーで30万円支払った者があれば、その者の氏名など明細を記載する必要があるが、ある政治団体が3回の政治資金パーティーを開催し、1回目の政治資金パーティで15万円、2回目のそれで15万円、3回目のそれで15万円、計45万円を支払った者があっても、その者の氏名など明細を記載する必要はない(各売り上げの金額には含めなければならない)。

次に「支出」であるが、
政治団体(政党を含む)の支出については、
年間支出額、そのうち、経常経費の合計額、その各項目ごとの内訳合計額、政治活動費の合計額、その各項目ごとの内訳合計額をきさいすることが義務付けられているが、
それとは別に、1つの支出につき5万円以上のもの(政治団体は国会議員関係政治団体の場合は1万円超のもの)については、支出を受けた者の氏名、支出の金額、支出の年月日、支出を受けた者の住所など明細を記載するよう義務づけられている。

1つの支出につき5万円未満のものは、各項目ごとに、まとめてその合計支出額を「その他の支出」欄に記載する必要がある。

以上のことを踏まえて、以下を読んでいただきたい。

(2)また、これから紹介する「大阪府宅建政治連盟」とは、一般社団法人「大阪府宅地建物取引業協会」の政治団体であり、
2015年には、「地域政党「大阪維新の会」の大阪府議と大阪市議の一部が党発行の領収書を使い、大阪市内のホテルで行われた飲食を伴う会合費に政務活動費を充てていたこと」「大阪市内のホテルで開かれた「大阪府不動産振興議員連盟」の設立総会。飲食付きの会合の参加費5千円に、当時の維新府議10人が会費全額を、大阪市議2人は半額を政務活動費から支出した。収支報告書には「大阪維新の会」が発行した領収書の写しが添付されていた。」と産経新聞が報道し、私のコメントが紹介されている(https://www.sankei.com/west/news/150630/wst1506300057-n1.html)。

下記で登場する井上英孝氏は、2012年衆議院総選挙で初当選し、現在、「日本維新の会」総務会組織局長の衆議院議員である(https://www.hidetaka-inoue.com/profile)。

2 2017年「大阪府宅建政治連盟」の「9/5大阪維新の会懇親会」支払い額は110万円!

(1)2017年「大阪府宅建政治連盟」(代表・阪井一仁)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306160/29ak0086.pdf)には、以下の支出が記載されていた(35~36枚目)。

組織活動費 渉外費
9/5大阪維新の会懇親会 10万円 2017年8月22日 大阪維新の会
9/5大阪維新の会懇親会 10万円 2017年8月25日 大阪維新の会
9/5大阪維新の会懇親会 10万円 2017年8月25日 大阪維新の会
9/5大阪維新の会懇親会  6万円 2017年8月25日 大阪維新の会
9/5大阪維新の会懇親会  6万円 2017年8月25日 大阪維新の会
9/5大阪維新の会懇親会  6万円 2017年8月25日 大阪維新の会
9/5大阪維新の会懇親会  6万円 2016年9月15日 大阪維新の会

以上の合計額は計54万円だが、
1回の支出が5万円未満のもののまとめである「その他の支出」は707万円超もある(37枚目)ので、5万円未満の「9/5大阪維新の会懇親会」への支出がほかにあり、計54万円を超える可能性がある。

(2)現に、2017年「大阪維新の会」(代表・松井一郎)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00306160/29rk0005.pdf)の「政治資金パーティーに係る収入の内容」欄には、以下の支出が記載されていた(7枚目)。

大阪府宅建政治連盟 110万円 2017年9月5日

これが真実なら、「大阪府宅建政治連盟」は、「その他の支出」から66万円を支出していたことになる。

では、2016年以前は、どうだろうか?

3 2016年「大阪宅建政治連盟」の「9/23大阪維新の会懇親会」への支払いの収支不記載疑惑

(1)では、2016年はどうだろうか?

2016年「大阪府宅建政治連盟」(代表・阪井一仁)の政治資金収支報告書(www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260106/28ak0086.pdf)には、以下の支出が記載されている(32頁目)。
組織活動費 渉外費
9/23大阪維新の会懇親会 10万円 2016年8月25日 大阪維新の会
9/23大阪維新の会懇親会 10万円 2016年8月25日 大阪維新の会
9/23大阪維新の会懇親会  8万円 2016年8月25日 大阪維新の会
9/23大阪維新の会懇親会  6万円 2016年8月25日 大阪維新の会
9/23大阪維新の会懇親会  6万円 2016年8月26日 大阪維新の会
9/23大阪維新の会懇親会 12万円 2016年9月 2日 大阪維新の会
9/23大阪維新の会懇親会  6万円 2016年9月15日 大阪維新の会

以上の合計額は計58万円である。
ただ、1支出につき5万円未満をまとめた「その他の支出」が「617万円」もある(33枚目)ので、実際には、58万円を超える可能性がある(前述の2017年の場合を参照)が、
それは「大阪府宅建政治連盟」に確認しなければわからないので、ここではとりあえず最低限の計58万円だったとしよう。

(2)しかし、2016年「大阪維新の会」(代表・松井一郎)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260106/28rk0005.pdf)には、「政治資金パーティーに係る収入の内容」欄には以下の記載しかない(10頁目)。

大阪府宅建政治連盟 28万円 2016年9月23日

この28万円は、
①上記の「12万円 2016年9月2日」と「6万円 2016年9月15日」の合計額の可能性もあれば、
②それとは別の可能性(前述の「その他の支出」で購入されたものの合計額)もある。

①前者であれば、前述の計58万円のうち28万円しか記載していないので、計30万円分を記載していないことになり、当然、その分を売上総額に含めておらず、そうなると、当然、その分の支出も記載していないことになり、不記載収支合計額は計60万円になる。

②後者であれば、「大阪府宅建政治連盟」が「9/23大阪維新の会懇親会」のために支出した最低額は86万円になり、不記載額は計58万円になり、当然、その分を売上総額に含めておらず、そうなると、当然、その分の支出も記載していないことになり、不記載収支合計額は計116万円になる。

もっとも、真実は、その中間の場合もあれば、あるいはまた、「その他の支出」が「617万円」もあるので、もっと高額な場合もありうる(前述の2017年の場合を参照)。

ここでは、確認できないので、政治資金規正法違反(不記載罪)の不記載収支合計額は60万円~116万円としておこう。
政治資金パーティー券売り上げ総額に上記計58万円を含めていなければ、
その虚偽記載、収入全体の総額の虚偽記載、支出全体の総額の虚偽記載(政治資金規正法違反)になる。

4 2016年「大阪府宅建政治連盟」の「6/13井上英孝君を育てる会」への支払いの収支不記載疑惑

(1)「大阪府宅建政治連盟」は、「維新」の個々の政治家の政治団体の政治資金パーティーの会費も購入している。

2016年「大阪府宅建政治連盟」(代表・阪井一仁)の政治資金収支報告書(前掲)には、以下の支出が記載されている(31枚目)。
組織活動費 渉外費
6/13井上英孝君を育てる会 8万円 2016年6月6日 井上ひでたか事務所
6/13井上英孝君を育てる会 8万円 2016年6月6日 井上ひでたか事務所
6/13井上英孝君を育てる会 8万円 2016年6月6日 井上ひでたか事務所
6/13井上英孝君を育てる会 8万円 2016年6月6日 井上ひでたか事務所

以上の合計額は32万円であるが、
「その他の支出」が「617万円」もある(33枚目)ので、実際には、32万円を超える可能性がある(後述の2017年の場合を参照)が、それは「大阪府宅建政治連盟」に確認しなければわからないので、ここではとりあえず最低限32万円だったとしよう。

(2)しかし、2016年「井上英孝君を育てる会」(代表・速水眞二)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260103/28ab0501.pdf)は、
政治資金パーティー収入全体は記載しているが、
それとは別に、20万円を超えるパーティー券購入者氏名等を一切記載していないので、
「大阪府宅建政治連盟」が購入した上記計32万円の受領を記載してもいない。

なお、念のために、
事務所の所在地が同じ「日本維新の会衆議院大阪府第1選挙区支部」(代表・井上英孝、会計責任者・速水眞二)の2016年政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260155/28py0006.pdf)も、
また、「井上英孝後援会」の2016年政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00260103/28ab0338.pdf)も確認したが、
いずれも上記計32万円の受領を記載してはいなかった。

最低限でも計32万円を支払った「大阪宅建政治連盟」の会費支払を一切記載していないということは、このような高額な支払者を見落とすはずはないから、
その受け取り額は、裏帳簿に掲載されていても、表の会計帳簿には記載されていないのであろう。

(3)となると、
「6/13井上英孝君を育てる会」の総売り上げにも含まれておらず、裏金として処理され、
当然、裏金としても支出された可能性が高いだろう。
収支計64万円の不記載である。

これは、収入としての不記載罪(政治資金規正法違反)と支出としての不記載罪(同)になる。

政治資金パーティー券売り上げ総額に上記計32万円を含めていなければ、
その虚偽記載、収入全体の総額の虚偽記載、支出全体の総額の虚偽記載(政治資金規正法違反)になる。

5 2015年「大阪宅建政治連盟」の「9/15大阪維新の会感謝祭会費」への支払いの収支不記載疑惑

(1)2015年「大阪宅建政治連盟」(代表・阪井一仁)の政治資金収支報告書(www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228541/27ak0086.pdf)には、以下の支出が記載されていた(30枚目)。
組織活動費 渉外費
9/15大阪維新の会感謝祭会費 10万円 2015年8月11日 大阪維新の会会計東徹
9/15大阪維新の会感謝祭会費 10万円 2015年8月25日 大阪維新の会会計東徹
9/15大阪維新の会感謝祭会費  8万円 2015年8月25日 大阪維新の会会計東徹
9/15大阪維新の会感謝祭会費  8万円 2015年8月25日 大阪維新の会会計東徹
9/15大阪維新の会感謝祭会費  8万円 2015年8月25日 大阪維新の会会計東徹
9/15大阪維新の会感謝祭会費 20万円 2015年8月28日 大阪維新の会会計東徹

以上の合計は、64万円になる。
ただし、31枚目の下の「その他の支出」は1回の支出につき5万円未満の支出をまとめもので、その合計額が「535万円超」もある。
ここで、注意を要するのは、「大阪宅建政治連盟」が一つの政治資金パーティーの会費を数回支払ていることである。
ということは、上記「9/15大阪維新の会感謝祭会費」計64万円以外に、「その他の支出」535万円の中に、5万円未満の「9/15大阪維新の会感謝祭会費」への支出がある可能性があるということである(前述の2017年の場合を参照)。
そうであれば、「大阪宅建政治連盟」が2015年に「9/15大阪維新の会感謝祭会費」を支払った金額は、計64万円を超える可能性があるが、それは「大阪宅建政治連盟」に確認しない限り、わからないので、ここでは、最低限の計64万円としておく。

(2)一方、2015年「大阪維新の会」(代表・松井一郎)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00228541/27rk0005.pdf)には、
20万円超の支払い者の明細を記載することになっている「政治資金パーティーに係る収入の内容」欄に、以上の計64万円の受領さえ一切記載してはいない(10頁目)。
パーティー収入全体には含めているかもしれないが、それは確認できない。

最低限でも計64万円を支払った「大阪宅建政治連盟」の会費支払を一切記載していないということは、このような高額な支払者を見落とすはずはないから、
その受け取り額は、裏帳簿に掲載されていても、表の会計帳簿には記載されていないのであろう。

(3)となると、
「9/15大阪維新の会感謝祭」の総売り上げにも含まれておらず、裏金として処理され、
当然、裏金としても支出された可能性が高いだろう。
収支計128万円の不記載である。

これは、収入としての不記載罪(政治資金規正法違反)と支出としての不記載罪(同)になる。

政治資金パーティー券売り上げ総額に上記計64万円を含めていなければ、
その虚偽記載、収入全体の総額の虚偽記載、支出全体の総額の虚偽記載(政治資金規正法違反)になる。

6 2014年「大阪宅建政治連盟」の「9/11 大阪維新の会懇親会会費」への支払いの収支不記載疑惑

(1)2014年「大阪宅建政治連盟」(代表・阪井一仁)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00201651/26ak0086.pdf)には、
以下の支出が記載されていた(30枚目)。

9/11 大阪維新の会懇親会 会費  8万円 2014年8月22日 大阪維新の会
9/11 大阪維新の会懇親会 会費  8万円 2014年8月22日 大阪維新の会
9/11 大阪維新の会懇親会 会費 12万円 2014年8月26日 大阪維新の会
9/11 大阪維新の会懇親会 会費  6万円 2014年8月29日 大阪維新の会
9/11 大阪維新の会懇親会 会費  6万円 2014年9月 3日 大阪維新の会

以上の合計は40万円である。

「その他の支出」は0円なので、不記載額は40万円でとりあえず確定する。

(2)しかし、2014年「大阪維新の会」(代表・橋下徹、会計・東徹)の政治資金収支報告書(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11318/00201651/26rk0005.pdf)には、
「大阪府宅建政治連盟」が政治資金パーティー券を購入した記載が一切ない。
計40万円を見落とすはずがない。
パーティー収入全体には含めているかもしれないが、それは確認できない。

計40万円を支払った「大阪宅建政治連盟」の会費支払を一切記載していないということは、
その受け取り額は、裏帳簿に掲載されていても、表の会計帳簿には記載されていないのであろう。

(3)となると、
「9/11 大阪維新の会懇親会 会費」の総売り上げにも含まれておらず、裏金として処理され、
当然、裏金としても支出された可能性が高いだろう。
収支計80万円の不記載である。

これは、収入としての不記載罪(政治資金規正法違反)と支出としての不記載罪(同)になる。

政治資金パーティー券売り上げ総額に上記計40万円を含めていなければ、
その虚偽記載、収入全体の総額の虚偽記載、支出全体の総額の虚偽記載(政治資金規正法違反)になる。

7 まとめ

(1)以上をまとめると、以下のようになる。

①2014年「大阪宅建政治連盟」の「9/11 大阪維新の会懇親会 会費」への支払いにつき、「大阪維新の会」が記載しなかったパーティー券売り上げ(パーティー会費)額は、計40万円だった。
当然、その分の支出も不記載だろうから、収支不記載合額は、計80万円となる。

②2015年「大阪宅建政治連盟」の「9/15大阪維新の会感謝祭会費」への支払いにつき、「大阪維新の会」が記載しなかったパーティー券売り上げ(パーティー会費)額は、計64万円だった。
当然、その分の支出も不記載だろうから、収支不記載合額は、計128万円となる。

③2016年「大阪宅建政治連盟」の「9/23大阪維新の会懇親会」への支払いにつき、「大阪維新の会」が記載しなかったパーティー券売り上げ(パーティー会費)額は、30万円~58万円の可能性があり、
当然、その分の支出も不記載だろうから、収支不記載合額は60万円~116万円になる。

④2016年「大阪府宅建政治連盟」の「6/13井上英孝君を育てる会」への支払いにつき、「井上英孝君を育てる会」(代表・速水眞二)が記載しなかったパーティー券売り上げ(パーティー会費)額は、計32万円だった。
当然、その分の支出も不記載だろうから、収支不記載合計額は、計64万円となる。

以上の収支不記載の合額は、少なくとも計332万円~388万円の金額になる。

(2)「大阪宅建政治連盟」が2017年に「大阪維新の会」の政治資金パーティー券を購入した金額は110万円である。それに比べると、2016年、2015年の購入額は少ないように思う。
2017年に急に「大阪維新の会」の政治資金パーティー券を2倍購入した可能性がないとは言えないが、
一つの可能性としては、2015年も2016年も110万円に近い額を購入していた可能性がある。そうすると、両年の裏金収支はもっと増えることになる。

2013年以前は確認できていない。2017年分に不記載がないとだんていできるのか・・・・。確認しなければ断定できない。
2014年から2016年までだけでも、以上の売り上げ収入の不記載が発覚した。
常識であれば、見落とすはずがないから、そうすると、当然その分が総売り上げに含まれておらず、さらに、その分の支出についても不記載ではないかとの疑惑へと発展する。
そすると、上記不記載は、単純なミスではなく、組織的な裏金づくりのために行われたのではないかと疑念が生じる。

いずれによせ、上記したように政治資金規正法違反である。

しかし、これは「氷山の一角」にすぎないのかもしれない。
もちろん、そうではないかもそれないが、「維新」の政治資金は、これまで連載してブログで指摘したように、上記政治資金パーティー収支不記載疑惑だけではない。

「大阪府宅建政治連盟」が購入した分だけでも、以上の金額だから、他の政治団体・法人・個人が購入した分まで調査すれば、もっと金額は膨らむ可能性がある。

(3)堺市の竹山市長は、大阪府の元職員で(http://www.city.sakai.lg.jp/shichoshitsu/prof.html)、その家族がその3つの政治団体の政治資金を管理していると聞いているが、
受け取れない企業献金を受け取るなど、政治資金規正法についての初歩的な知識もないようだ。私に取材でコメントを求めてきた記者の説明を聞いても、そう思う。
その政治資金について、その収支の不記載問題が発覚しているが、
その対象は「2012年」からのようだ(https://www.sankei.com/west/news/190315/wst1903150004-n2.html)。
政治資金収支報告書が公表されていない2012年まで遡って、よくぞ明らかにしたものと思う。これまで、ここまで過去に遡って明らかにした政治家は、ほとんどいないのではなかろうか。その点だけは高く評価できる。
同市長は、2009年に、「維新」の創設者の橋下徹氏が全面支援する形で当選したが、堺市を廃止する「大阪都構想」に反発し、2013年に「維新」と決別している(https://facta.co.jp/article/201303032.html)ので、
同市長の2012年からの政治資金収支不記載問題では、政治資金規正法についての初歩的な知識もないことに付け込んで、上記「維新」の手口が入り込んだ可能性がある。
この点まで含めマスコミは十分調査する必要がある(そこまで踏み込んで取材した記事を見たことがない)。

(4)「大阪維新の会」は、上記の政治資金規正法違反疑惑のものだけではなく、すべてのパーティー券購入者、かつ、堺市長を見習って可能な限り過去にまで遡って、すべての政治資金の収支について調査をし、その調査結果を明らかにすべきである。

疑念を払拭するためには、「大阪維新の会」が自ら進んで説明責任を果たすべきである。

マスコミの記者の皆さん
以上の点に留意して、是非とも取材して真実を報道していただきたい。

(つづく)

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