れいわ新選組が擁立した元金融為替ディーラー・大西つねき氏が、MMT理論の台頭を「天動説が地動説へ変わっている」と歓迎!? れいわ新選組は「新しい地動説をわかっている」!? 7.2 山本太郎街頭演説会 2019.7.2

記事公開日:2019.7.4取材地: テキスト動画
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(IWJ編集部)

 山本太郎参議院議員率いる「れいわ新選組」が7月2日、沖縄創価学会の野原善正(よしまさ)氏、自然NGO職員の辻村ちひろ氏、元金融為替ディーラーの大西つねき氏の擁立を発表した。

 新たな3候補者のうち、JPモルガン銀行などに勤務していたことのある大西氏は、熱心なMMT理論(現代金融理論)の推進論者といえる。MMT理論によると、自国通貨を発行できる政府は、貨幣を際限なく発行できるため、ハイパーインフレを起こさないように注意すれば、財政赤字の拡大は問題にならない、というのである。

 大西氏擁立のニュースを第一報として7月3日の日刊IWJガイドで取り上げたところ、大西氏は「熱心なMMT推進論者ではない」「彼は自分の動画でMMT批判をしている」等の忠告やご批判をいただいた。しかし、大西氏がかつてどう考えていたかよりも、立候補が決まった現時点で表明した考えの方がはるかに重要である。

 7月2日、れいわ新選組からの擁立が発表されてから、大西氏は実際、東京都新宿駅西口で行われた街頭演説でこう述べていた。

 「ようやく米国からMMT、現代貨幣理論っていうのが出てきたの。それはようやくこの仕組みをわかった連中が、政府の借金を垂れ流し続けてお金を作り続けていくしかないって、ようやく言い出したの」

 続けて大西氏は、「天動説が地動説に変わっている。要するに、今までの財政金融の考え方がいかに間違っていたかということに世界が気づき始める、今その時なんです」と訴えた。

 MMT理論の台頭を「天動説から地動説」への大転換になぞらえたわけだが、今の日本がMMT理論に従った経済政策を推進すると、果たしてどのような結末に至るのか。

 以下、大西氏の街頭での演説を全文文字起こしした。岩上安身は、長年、人口問題が放置されたままの日本で、財政赤字の拡大を顧みずに国債を増発することに警鐘を鳴らしている。ぜひ、大西氏の演説の文字起こしとあわせて、以下の「岩上安身のツイ録」をご覧いただきたい。

 なお、MMT理論が抱える問題点について、岩上安身は明石順平弁護士とエコノミストの田代秀敏氏にインタビューを行っている。あわせてご覧いただきたい。

■大西つねき氏

  • 弁士 山本太郎氏(れいわ新選組代表、参議院議員)/辻村千尋氏(参議院議員選挙予定候補、環境保護NGO職員)/大西恒樹氏(参議院議員選挙予定候補、元J.P.モルガン銀行資金部為替ディーラー)/安冨歩氏(参議院議員選挙予定候補、東京大学東洋文化研究所教授)

大西つねき氏「皆さん、こんばんは。れいわ新選組の大西つねきです。今回、山本さんにお声がけいただきまして、自分の役割は基本的に一つだと思っています。

 基本的に僕は何をずっと言ってきたかというと、今の金融制度がいかにおかしいか、ということを言ってきたんですよ。結局、皆さんもわかっていると思うんですけど、我々が直面しているたくさんの問題、先ほどの環境の問題もそうです。格差、貧困、病気、それから戦争。全部その中心にはお金があるということを皆さん、知っているんですよ。そこに何かがおかしいという違和感をずっと感じている。

 僕はJPモルガンでずっと金融の仕事をしていました。だから、今の金融制度がいかにおかしいか、ということを本当に目の前で見てきました。

 2008年のリーマンショックの時に、これはもう完全に終わったなと思いました。本当におかしな詐欺まがいの金融商品を散々作って、膨大な全く実態のないお金を作り出して、そのお金は全く消えていないまま、皆さんの生活を圧迫しています。これは世界規模です。

 金融システムを変えなければいけないという大きな世界規模の流れは、もう今年から始まっています。去年ぐらいから始まっている。イエローベストの運動とかね。どこに問題があるのか、多くの人々が理解し始めています。

 皆さんご存知かどうかわかりませんけれども、今回のれいわ新選組の政策の中に、主要政策はここに(スライドを示しながら)あります。消費税廃止、奨学金チャラ、最低賃金1500円、公務員を増やす、お金を配る等々。

 こういった政策を出すと、必ず何を言い出すかというと、『財源がない』って言い出すんですよ。

(聴衆から「特別会計あるだろー!」と声が上がる)

大西氏「それもある。それもあるんだけどね、財源がないと言いながら、この国は…。

 僕は1964年、前回の東京オリンピックの年に生まれました。『戦後の国債管理政策の推移』で試しにグーグルで検索してみてください。昭和40年(1965年)からの日本の財務省の国債の管理政策が載っています。

 この昭和40年、僕が生まれた翌年から、要するに東京オリンピックの翌年から、建設国債が発行されました。そこから、赤字国債、建設国債の両方ですね。基本的にこの五十数年間、ほぼほぼ毎年ずーっと赤字なんですよ。要するに税収の範囲内でほとんどやっていないです。

 じゃあ、足りない分はどうしているのか。結局ずーっと借金でお金を作り続けて使っているんですよ。

 ちょっと待って。借金でお金を作るって何? そう思うでしょ? お金って実は借金で作っているんです。

 僕はそこがおかしいってずーっと言い続けていて。何を言っているのかというと、政府が借金でお金を作れるんだったら、財源の問題ってそもそもどこにあるの? 税金を集める必要あるの? 極端な話をすると、税金をゼロにして、全部政府の借金で賄おうと思えばできます。これ、できちゃうんですよ。なぜかというと、ずっとやり続けているからです。

 このグラフは、1980年から2018年までのデータなんですね。この一番上の青の線は何かというと、日本中のお金がいくらあるのか、というデータなんです。日本中のお金が1980年の時は200兆円だったのが、今は1000兆円を超えているんですよ。1980年からこの38年間で、お金が5倍に増えているんですよ。

▲大西氏が演説で用いたグラフ(2019年7月2日、IWJ撮影)

 ちなみに僕が1986年に就職した年、初任給は20万円だったんですよ。僕の息子が去年2017年に就職したんですけれども、初任給20万円だったんですよ。全く同じだったのね。全く一緒だったの。

 それで、お金がどれだけ増えたかというデータを見ると、1986年の時に、実は約340兆円くらいあったんですよ。日本中のお金を全部あわせて約340兆円だった。

 それが2017年には、940兆円かな。お金が3倍に増えているんですよ。お金が600兆円以上増えたにもかかわらず、大学生の初任給は全く変わっていないんですよ。払うのやめちゃったからですよ。

 じゃあ600兆円はどこに行ったかというと、結局、企業の内部留保が400兆円とかね。内部留保はどうやって貯まるかというと、企業が皆さんの給料を払わずに、安い法人税を払うと、貯まる仕組みになっています。それをずっとやってきている。

 お金はこれだけ増えている。それで、お金はどうやって作っているかと詳しい説明はしませんが、今のお金って実は、日銀が発行しているのではなくて、借金で作っているんですよ。要するに、銀行にお金を貸すために、お金が生まれるという仕組みで作っていて、それに利息がつくので何が起きるかというと、お金と借金がずーっと増え続ける、そういう仕組みなんですよ。そうしないと回らない仕組み。

 だけど、お金と借金を増やし続けられるかというと、そんな話はないですよね。(人口が)1億3000万人しかいないのに、銀行がずーっとお金と借金を増やし続けられるなんて、誰がそんなに借りてくれるんだって話です。

 このグラフを見ると一目瞭然なんですよ。この緑の線が、日本の銀行の貸出しの残高です。本来は、この緑の線が青の線を作ってきたんですよ。だけど、バブルが崩壊してから、銀行がお金を貸せなくなって、貸さなくなって、不良債権処理をして、貸し渋りをして、借金を減らしているんですよ。お金は減っていないですね。

 黄色の線は、GDPが増えなくなったからそうなっている(横ばいで推移している)んですけど、じゃあ、誰が借金をしてお金を作り続けてきたかというと、その答えは赤の線なんです。この赤の線は、日本政府の国債の残高なんですよ。つまり、ここを見ると一目瞭然なんですよ。日本政府の借金がお金を作ってきたんですよ。

 政府の借金でお金を作るって何か? それは、たとえば、僕が政府だとします。あんまりなりたくないけど。日本の一般会計の税収ってだいたい年間50兆円なんです。50兆円の税金を皆さんから集めますよね。ということは、皆さんの現金・預貯金が最初は50兆円減るということです。

 その後、もし、政府が50兆円分の予算を組んだとする。そうすると、政府が使ったものというのは、政府の、公務員の給料とか、政府需要の支出とか、要するに民間にいくんです。皆さんに戻ってくる。

 もし、これで70兆円の予算を組むと何が起きるかというと、20兆円足りませんよね。20兆円をどうするかというと、20兆円分、政府が国債を発行するんですよ。それを銀行に買わせます。銀行が20兆円分の国債を買ってくれますよね。だから20兆円を政府がもらえるんだけど、じゃあその20兆円分がどこから来ているかというと、皆さんの預金ですよね。

 だけど、政府の国債の20兆円分を買うからっていって、皆さんの自分の預金は1円も減らないですよね。減らないんです。そういう仕組み。

 なぜかというと、銀行はその分を作って政府に渡しているからね。その20兆円ともともとの税収の50兆円をあわせて70兆円を使うと何が起きるかというと、皆さんの預金が差し引き20兆円分増えるんです。そして政府の借金も20兆円分増える。

 要するに、政府の借金と皆さんの預金は、実は平行して伸びているんですよ。今は政府の借金が900兆円なのに対して、皆さんの現金・預貯金が1000兆円。つまり、900兆円の政府の借金を皆さんの1000兆円の預金から返してしまうと何が起きるかというと、お金が消えちゃうでしょ。お金がなくなっちゃうんですよ。

 だって900兆円の借金を返すのに、皆さんから引き続き集めなければいけない税金って、900兆円ですよね。1000兆円しかないのに。つまり、政府の借金を税金で返すっていうのは嘘なんですよ。もうでっかい嘘なんです。そんなことしたらお金がなくなっちゃうから。

 だから消費税が、政府の借金をまかなうんだから税金を上げなきゃいけない、消費税を上げなきゃいけない、それから、要するに財源がない、全部嘘っぱちなんです。それを本気でやったら、今の金融システムは崩壊するんです。

 (聴衆から「麻生代われ麻生太郎!」という叫び声)

 いや本当に代わってほしいんだ本当に。でもね、だからそうゆうことがわかっていない人たちがこの国をずーっと動かしてきたの。これね、とんでもないことですよ。

 免許のない人がバスにみんなを乗せてF-1レースを走っているようなもんですよ。とんでもないんですよ、だから。だからね、どうしようもないとわかった連中の考え方を、もう本当に破壊していかなきゃいけないんです。

 今日、僕は何でこの話をしたかというと、一応記者会見のつもりで来たんですよ。すごく人が集まって、外だけど。

 だからね、マスコミの人に必ず言われると思っている、大手新聞の人たち。大手新聞の人たちいい加減嘘書くのやめなさい、本当に。政府の借金を税金で返すなんてことはありえないんだって。そんなこともわからないで、大手新聞の論説をやっているなんて話にならない。

 いや、どの銀行もそうなの。割と他の銀行もそうだったりするのね。何を言ってるかっていうと、要するに、ようやく米国からMMT、現代貨幣理論っていうのが出てきたの。それはようやくこの仕組みをわかった連中が、政府の借金を垂れ流し続けてお金を作り続けていくしかないって、ようやく言い出したの。

 それで、今何を言っているかっていうと、天動説が地動説に変わっている。要するに、今までの財政金融の考え方がいかに間違っていたかということに世界が気づき始める、今その時なんですよ。

 山本太郎氏のこの政策をきっかけにこの議論を大きくしてくと、今までの政治家とか政党はバカだったって話になりますよ。そしたら、じゃあもうそういうことを、新しい地動説がわかっている、れいわ新選組しかないねっていう、そういう動きになって、僕はこの選挙戦、17日間ありますけど、その間何を言っているかっていうと、こういう、本当にまともな議論をみんなにしていきます。

 そうすると、山本太郎さんを今まであまり支持していなかった人たちも含めて、経済に明るいと思っている人も含めて、保守も含めて説得していくことができるんですよ。そうすると、すごい数の人たちの賛同が集まる可能性があって、最終的にものすごい数になる可能性がある。

 僕はそのための幅を広げる役割だと思っています。ということで、大西つねき、今回れいわ新選組の場所を借りて、本当の財政金融の話を日本に広げるために、参加させていただきました。ありがとうございます。以上です」

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  1. トミキョウ より:

    岩上さん
    いつもありがとうございます。
    ただ、MMTに関してというか国(政府)の借金問題についてですが、
    国は中央銀行(日本銀行)を通して、通貨を発行することができます。
    いくら国債を発行しても、財政破綻することはありません。
    財務省のHPでも日本がデフォルトするリスクはないとも述べています。
    貨幣や経済に関しては山本太郎氏の方が考察が深いように思います。
    ぜひ、今一度貨幣とは何か(金本位制ではもうありません)考察を深めていただければと思います。
    緊縮路線はグローバリスト(未来投資会議等)が望んでいるように、庶民を疲弊させ富裕層だけが儲かる政策です。

  2. 若枝 より:

    借金の垂れ流しはカッコが悪い。だから貨幣を回す仕組みにして、恒久的な財政制度にすべきだと思います。 #共同所有貨幣制度

  3. 森川 幸生 より:

    秋葉原駅前の動画を見て、涙が止まりません。
    みんな本当のことを言っている。
    あたりまえのことを実現しようとしている。
    こんなに嬉しいことはありません。
    心から応援します。

  4. 上野 壮一 より:

    岩上様、
    上記 2019.7.2 の街頭演説での大西氏の発言は、「MMTは正しい現状認識ができる人たちが出てきた」と言っているだけです。信用創造の仕組みでお金が発行されている限り、マネーストックと借金は増え続けなければ成り立たず、実際に今まで国債でマネーストックを増やし続けて来たことによって、日本が自らMMT理論が正しいことを証明しているということを話しているだけです。ですが、この街頭演説の短い時間の中で、大西氏が通常2時間以上かけて講演している内容全てを伝えることはできず、次の点が話されていません。

    語られていない大事なポイント:
    結局、国債は借金である以上利息が付き、利息は拝金資本主義ピラミッドの上層へと吸い上げられてゆき、一部の富裕層ばかりが儲かっている。こんな不公平な仕組みを子供達に残す事は出来ない。政府の借金である国債は、金利の付かないお金、つまり政府通貨で返して行かなければ根本的な解決にはならない。そして、最終的には信用創造に大きく頼らない(一部の必要性は認めています)お金の発行の仕組みを模索する必要がある。

    国債であれ政府通貨であれ、政府がマネーストックを増やすことに違いはありません。長くなるので
    ここでは割愛しますが、マネーストックが増えることによって明石純平氏が危惧している様な「ハイパーインフレ」や「円の暴落」が起こらないことも、大西氏は著書の中で論理立てて解説しています。また、税金の取り方には哲学が必要であること、国防や憲法改正の問題など、大西氏の2時間超の講演は国家経営のあり方に関し、大西氏が8年間かけてまとめた考えを広範囲に話されます。そして、選挙期間の前も中も後も、一貫して同じ事が話されています。また、著書「私が総理大臣ならこうする」にこれらのことが全て纏められています。

    IWJ、岩上様におかれましては、ぜひ大西氏の講演を聞かれるか、著書を読まれて、2019.7.2 の街頭演説だけから抜き取った大西氏に関する薄っぺらい表面的な記事を訂正していただきたいと思います。

    また、大西つねき氏と明石順平氏を交えた対談などを行なっていただければ、より前向きな議論が展開される事と思います。明石氏の著書「データが語る日本財政の未来」に書かれていることもまた、事実として認識しなけれならない事が多くありましたが、残念ながら穏便な解決策は提示されていません。一方で大西氏の財政政策は穏便な解決方法になり得ます。ぜひお二人の議論を聴いてみたいです。

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