北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫氏の兄であり、元東京電力社員でもある蓮池透氏(64)が、5月31日、今夏の参議院選挙を念頭に、山本太郎参院議員が立ち上げた「れいわ新選組」から立候補すると表明した。
山本議員は、蓮池氏が住む新潟県柏崎まで自ら赴き「力を貸してください」と要請したとのこと。東日本大震災後のあるテレビ番組で共演したのが初対面だったという二人。蓮池氏は「芸能人だった山本太郎さんは自ら国政に打って出て風穴を開けた。当時から原発反対と言うことでは共感しており、非常にリスペクトしている」と語った。
- 会見者 山本太郎氏(れいわ新選組代表、参議院議員)ほか
- タイトル れいわ新選組 参院選 候補予定者発表会見
- 日時 2019年5月31日(金)15:30〜
- 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)
突然の出馬要請に当初は戸惑ったという蓮池氏だが、「太郎さんをひとりにしておいてはいけない」との思いに至り、一念発起したとのこと。また、「『ネットで悪口ばかりを言っている』と批判されてきたが、オフライン(国政の場)で自分の言いたいことを言おうと決めた」などとも述べた。
他方、山本議員は「一緒に闘いたい人は本気の大人、骨のある人」と、蓮池氏に出馬要請をした理由を語った。
また、安倍政権の拉致問題への対応を問われた蓮池氏は、「対話路線にシフトしたかのように見える安倍政権の政策を静観したい」と語った。
参議院選挙では、蓮池氏の地元の新潟選挙区に、弁護士の打越さく良氏(51)が野党統一候補として出馬することが決定している。野党共闘を呼び掛ける山本議員は「新潟で無理やり(蓮池氏を)立てるということはまったくない」と強調した。蓮池氏が出る選挙が衆参どちらかは「参院選公示日前日までに答えを出せばいい」とし、さらに「私を含めギリギリまでわからない」とし、自身の衆院鞍替えの可能性さえもにおわせた。
選挙資金を市民からの寄付で賄うとしていた「れいわ新選組」だが、5月31日までに寄せられた額は1億5089万円。すべて個人献金で、延べ人数は約1万人とのことだ。
山本議員は4月10日に行われた「れいわ新選組」立ち上げの記者会見で、選挙戦に挑む方針を次のように示していた。
・10億円以上:衆参に候補者を立てる。
・5億円以上:参院の2人区以上の選挙区に候補者を立てる。
・3億円以上:参院の選挙区と比例区に合計10人立てる。
・1億円以上:参院で10人立てる。
5月31日の会見では、少なくとも次の選挙で最低でも参院で10人立てることは決まったとする山本議員だが、「3億円(の寄付金)は見えたと思う」とも語った。
候補者に関しては、蓮池氏のようにこれから山本議員が直接出馬要請していく人物がいるとのこと。また公募でも候補者を募集しており、5月31日の時点で119人(内訳は参院選81人、衆院選38人)の応募があったことも明かした。