モンサント除草剤「ラウンドアップ」はがんを発生させた「事実上の要因」!今度はカリフォルニアで陪審評決!類似するケースは9000以上とも! 2019.3.23

記事公開日:2019.3.23 テキスト
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(文:IWJ編集部)

特集 TPP問題|特集 種子法廃止!「食料主権」を売り渡す安倍政権
※本記事は、2019年3月23日発行の「日刊IWJガイド」No.2382号を加筆・修正したものです。

 米モンサントの除草剤「ラウンドアップ」に発がん性があるとして、所有地で同除草剤を数十年間使用し、喉に悪性リンパ腫を患ったエドウィン・ハードマンさん(70)がモンサント側を訴えた裁判で、米カリフォルニア州地方裁判所の陪審は2019年3月19日、ラウンドアップががんを発生させた「事実上の要因」だったとの評決を下した。モンサントは昨年、ドイツのバイエルによって買収されている。

▲バイエル社ロゴ(Wikipediaより)

 同評決は米国内で現在進められている他の同様の訴訟にも、影響を与える可能性があると見られている。モンサント買収でバイエルが引き継いだ米関連訴訟は1万1200件で、今回のハードマンさんの訴えと類似するケースは、9000以上あるとも言われている。

 昨年8月には、カリフォルニア州で末期がんと診断されたドウェイン・ジョンソンさんが、がん発症はラウンドアップが原因だと訴えていた裁判で、モンサント側に2億8900万ドル(日本円で約320億円。後に7800万ドル、日本円で約87億円に減額されましたが陪審評決は維持されました)の賠償命令が出されている。

 同裁判は20日から損害賠償金や法的責任を確定する第2段階へと移っている。健康への懸念を払拭し主力除草剤の販売を促進するために、モンサント側が世論を巧みに操作したことを示す電子メールなどの証拠が、陪審団に提示されるとされている。

▲バイエルHPより「グリホサートについて話そう」

 今回の陪審評決を受けてバイエルは発表資料で「除草剤に発がん性がないことを科学が証明すると引き続き固く信じている」とし、「モンサントの行為が適切で原告のがん罹患に対する法的責任はないことが第2段階の審理で示されると確信している」とコメントしている。

 19日の陪審評決を受けて、20日のフランクフルト株式市場のドイツ株式指数(DAX)で、バイエルは10%近く下落。日中に一時13%安となる場面もあった。

▲バイエルのドイツ株式指数(DAX)(googleより)

 ラウンドアップには、2015年にWHO外部組織であるIARC(国際がん研究機関)が、発がん性の懸念があると指摘したグリホサートが含まれている。2019年2月にはCNNが、ワシントン大学の研究チームによる「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」という研究結果を報じている。

 このグリホサートの使用に関して、オランダやフランス等はすでに禁止、ドイツ、イタリア等世界33か国が2~3年後には禁止することを表明している。

 他方、日本政府は2017年12月25日にグリホサート残留農薬基準をべにばなの種子では400倍に緩和、小麦は6倍の30ppmまでとするなど緩和している。

▲岩上安身による山田正彦氏インタビュー用パワーポイントより(2019年3月18日)

 IWJはかねてよりこの問題を報じ続けている。3月18日には、岩上安身が元農林水産大臣の山田正彦氏にインタビューを行い、世界の流れに逆行して多国籍企業に迎合していく安倍政権を批判した。岩上安身による山田正彦氏インタビューは、以下のURLよりご覧いただきたい。

 あわせて、以下の記事もご覧いただきたい。

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