【特別寄稿】「西日本豪雨災害は歴代自民党政権の人災だ」! 河川政策の専門家で日本初の流域治水条例をつくった嘉田由紀子・前滋賀県知事インタビュー(ジャーナリスト・横田一) 2018.7.15

記事公開日:2018.7.15 テキスト動画
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(取材・文 横田一)

 西日本豪雨災害の死者が200名を超えても、カジノ実施法案で国会審議に張り付いている石井啓一国交大臣(公明党)の「売国的対応」が際立っている。

 米国益第一の下僕のような安倍総理(政権)と足並みを揃え、トランプ大統領の大口献金者でカジノ王こと「ラスベガス・サンズ」のシェルドン・アデルソン会長らが儲かる法案成立(海外カジノ業者への賭博解禁)を最優先、日本国民の生命財産を守る本来の職務遂行を二の次にしているからだ。

 職務怠慢にしか見えない石井大臣が真っ先に視察、歴代自民党政権下で国交省が進めてきた河川政策の誤りを認め、方針変更を決断すべき現場がある。堤防が決壊、一帯が水没して死者50人(14日段階)を出した岡山県倉敷市真備地区のことだ。

▲岡山県倉敷市真備地区 小田川の堤防決壊現場(2018年7月11日、山形県鶴岡市議・草島進一氏撮影)

 今回の豪雨災害を「歴代自民党政権の人災」と指摘するのは、日本初の流域治水条例を現職時代(2006年7月~2014年7月)につくった嘉田由紀子・前滋賀県知事。河川政策の専門家である嘉田氏は「人災」と指摘する理由をこう話す。

▲嘉田由紀子・前滋賀県知事(2013年11月28日、横田一撮影)

 「水没した真備地区は、ハザードマップ(被害予測地図)で2メートルから5メートルの浸水が予想された危険区域でした。真備地区では高梁川(たかはしがわ)の支流の小田川などで堤防が決壊していますが、この地区の堤防補強が最優先課題だったのです。滋賀県知事になる頃から『矢板(注1)やコンクリートで周りを囲むアーマーレビー工法で鎧型堤防(注2)にして補強すべき』と国に提案して来ましたが、歴代の自民党政権は『鎧型堤防は当てにならない。堤防補強よりもダム建設だ』と言って来た。この優先順位による河川政策が今回の豪雨災害でも大きな被害をもたらした」。

(注1) 矢板:
 根切り工事で、掘削によってできる土壁が崩れないように押える為の土留め板。木製・鉄筋コンクリート製・鋼製がある。土木工事の際に用いる鉄板。
(注2) アーマーレビー工法で鎧型堤防
 アーマーレビーとは鎧(よろい)をかぶった堤防を意味し、洪水が越えても破堤しにくい構造に強化した堤防のこと。堤防のり面をコンクリート・ブロックなどで覆う補強。

記事目次

堤防を補強する方がダム建設よりもお金がかからない!国交省の緊急点検で強化が必要とされた約2200キロのうち工事が終了したのは半分にも満たない!?

 7月10日から11日に現地調査をした草島進一・山形県鶴岡市議が撮影した写真や動画は、歴代自民党政権の人災であることを物語るものだ。

■決壊現場@倉敷市真備 小田川100Mの決壊現場 2018.7.11

■真備記念病院周辺と決壊現場7.11.2018

 以下、横田自身による嘉田由紀子氏へのインタビューを記す。

横田「写真を見ると、堤防の土の断面が露出しているのが分かります。ここを矢板やコンクリートで補強しておかないといけなかったと」

▲岡山県倉敷市真備地区 小田川の堤防決壊現場(2018年7月11日、山形県鶴岡市議・草島進一氏撮影)

嘉田氏「矢板やコンクリートで堤防を補強する方がダム建設よりもお金がかかりません。国交省の緊急点検で強化が必要と判定された約2200キロのうち、現段階で工事が終了したのは半分にも満たない。この堤防強化を最優先で進めるべきなのです」

水害常襲国家でありながら緊急課題だった堤防補強対策を打たずに真備地区で50人の方が亡くなった!日本は文明国なのか!?

横田「マスコミは『本流の高梁川と支流の小田川の合流地点で、流れの多い高梁川側から流れの少ない小田川側に逆流(バック・ウォーター)が起きて、支流の堤防が決壊した』という専門家の見方を紹介していました。とすれば、逆流を想定して堤防決壊を防ぐ補強をしておかないといけなかったのですね」

嘉田氏「『本流(高梁川)の水量が多いから、支流(小田川)に逆流する』というのは河川工学の教科書に載っていること。当然、逆流による浸水リスクは予測できたのだから、決壊回避するための堤防補強が緊急課題だったのです。水害常襲国家でありながら、きちんとした対策を打たずに真備地区で50人の方が亡くなった。『日本は文明国なのか』と言いたくなります」

堤防の決壊とオーバーフローでは被害が全然違う!ダム建設よりも堤防補強を優先すべき!

 「水没危険区域では堤防強化をして、水が溢れても破堤しないようにすることが不可欠です。堤防の決壊とオーバーフロー(越水)では被害が全然違います。オーバーフローをして堤防の反対側がえぐられて決壊する場合が多いので、矢板やコンクリートで堤防を鎧のように補強すれば、越水はしても決壊は防げる。補強費用もダム建設に比べたら遥かに安価でできます。だからダム建設よりも堤防補強を優先すべきと言い続けて来たのです」

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  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「西日本豪雨災害は歴代自民党政権の人災だ」! 河川政策の専門家で日本初の流域治水条例をつくった嘉田由紀子・前滋賀県知事インタビュー(横田一) https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427491 … @iwakamiyasumi
    ゼネコンを票田にしてきた政治の歪みともいえる。いまこそ「コンクリートから人」へと政治を取り戻そう。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/1018443193648537601

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