2017年1月21日(土)、山田正彦元農水相の主催する「山田正彦の炉端政治塾」で、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏が講演を行った。そのわずか数時間前、アメリカではトランプ新大統領が就任演説を行い、かねてからの予告通りTPPからの離脱を宣言した。
今回の講師であり、2010年当時農水大臣だった山田氏とともに当初から一貫してTPPの危険性を訴え続けている東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は、「TPPに歯止めをかけることができてよかった」と喜びつつも、今後の問題の深刻さを訴えた。
(取材・文:城石裕幸)
特集 TPP問題
※1月26日、テキストを追加しました。
2017年1月21日(土)、山田正彦元農水相の主催する「山田正彦の炉端政治塾」で、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏が講演を行った。そのわずか数時間前、アメリカではトランプ新大統領が就任演説を行い、かねてからの予告通りTPPからの離脱を宣言した。
今回の講師であり、2010年当時農水大臣だった山田氏とともに当初から一貫してTPPの危険性を訴え続けている東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は、「TPPに歯止めをかけることができてよかった」と喜びつつも、今後の問題の深刻さを訴えた。
記事目次
■ハイライト
「TPPのような自由貿易によってこれ以上格差が広がるのはもうゴメンだという大きなうねりが世界に広がっている」と、トランプ新大統領が誕生した背景を分析した鈴木氏だが、その一方でトランプ氏の目指すアメリカ一国主義の問題点を次のように指摘した。
「トランプ氏はアメリカが儲かるようにしたい。そのためにアメリカ国内での生産を増やそうとしている。一見、『地産地消』でよいことのようだが、アメリカが儲かるためには、国内だけでなく外国に売るということ。アメリカ国内に入ってくるものは徹底して規制するが、日本などにはさらなる規制緩和を要求してくるだろう」
そのうえで鈴木氏は、国会でTPP批准案と関連法案が強行採決された理由を、「国際公約としてTPP水準の国益の差し出しを交渉のベースにして、さらにそれ以上の譲歩をするという意思表明だろう」と分析した。
さらに、「『だからトランプさん、東京オリンピックが終わるまでは総理でいさせてください』という安倍首相のメッセージだ」と述べ、「アメリカの要求に盲目的に応えることで自分の地位を守ろうとする政治を止めなければ、根本的な解決ができない」と嘆いた。
アメリカの離脱によってTPP協定は発効の見込みがなくなったが、そこであらたに浮上してきたのが、日・EUの貿易協定だ。
「日本はEUに譲るだけ譲って決めてしまおうとしている。そうなると農産物、とくに乳製品が危ない」と鈴木氏は説く。
(…会員ページにつづく)
命の要の食糧を国内で作れなくなってもどうでもいいなんて言っている政治が、武器での安全保障ばかり言っている。安全保障の要はまず食糧。それを国民に供給できなくて武力の増強を主張するのは全く意味不明な議論だ。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/358172 … @iwakamiyasumi
https://twitter.com/55kurosuke/status/824385797348405248