豊洲の新市場の地下に「盛り土」がされず地下空間となっていた問題で、都は2016年11月1日、緊急記者会見を開き、自己検証報告書の結果報告をした。
地下空間は、2010年11月の基本設計の起工から、2012年5月の実施設計の契約締結の間に最終確定したと結論づけられた。責任については、決定に関わった中西充・現市場長兼副知事や岡田至・前市場長ら、8人の幹部にあるとされた。会見に臨んだ小池知事は、すでにOBとなった者も含む8人の処分方法を検討すると発表した。
(取材・文:城石エマ 記事構成:岩上安身)
特集 築地市場移転問題
豊洲の新市場の地下に「盛り土」がされず地下空間となっていた問題で、都は2016年11月1日、緊急記者会見を開き、自己検証報告書の結果報告をした。
地下空間は、2010年11月の基本設計の起工から、2012年5月の実施設計の契約締結の間に最終確定したと結論づけられた。責任については、決定に関わった中西充・現市場長兼副知事や岡田至・前市場長ら、8人の幹部にあるとされた。会見に臨んだ小池知事は、すでにOBとなった者も含む8人の処分方法を検討すると発表した。
■ハイライト
処分の対象となるのは、岡田至・前市場長、中西充・現市場長兼副知事、塩見聖仁・管理部長、宮良眞・前新市場整備部長、臼田仁・前基盤整備担当部長、加藤直宣・現基盤整備担当部長、砂川俊雄・元施設整備担当部長、久保田浩二・前施設整備担当部長ら8名。
9月30日に発表された第1次報告書では、「いつ」「誰が」盛り土を決定したのかを特定することができなかった。
2回目となった今回の報告では、「知りうる立場にあった管理職は、知らなかったことをもって免責されるものではないと判断した」として、上記8名の責任者を決定した。
処分の理由として小池知事は、8人が整備方針に反したこと、必要な手続きを踏まなかったことをあげ、議会で事実と異なる答弁をしたことも重視した。
一方で、当時の都知事だった石原慎太郎氏の責任は、明らかにされなかった。調査過程で質問状を受け取った石原元都知事は、多くの質問に対し、「記憶にない」「知らない」と回答したとされる。小池知事は、石原氏の回答を「ほぼノー回答だった」として、引き続きヒアリングの実施を検討するとした。
「知りうる立場にあった管理職は、知らなかったことをもって免責されるものではないと判断した」という小池知事の言葉は、「都政」の「最高責任者」であり、当然「知りうる立場」にあった石原元都知事にもあてはまるものだ。
「記憶にない」「知らない」とシラを切り続ける石原氏の責任を追及することなく、「部下」の責任だけが問われる――。
そんな理不尽がまかり通ることのないように、願いたい。