豊洲新市場の安全性を担保する”カギ”地下水管理システムは機能していない!? 日本環境学会元会長の畑明郎氏が専門家会議の見解を一蹴「当然予想されたこと」 2016.10.20

記事公開日:2016.11.18取材地: テキスト動画
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(取材・文:須原拓磨)

 豊洲新市場の地下水上昇を抑えるために稼働している、地下水管理システム。これは、有害物質が地下水に浸透し、地表へ染み込まないようにするシステムであり、東京都は、「水位が上昇した場合は、地下水をポンプでくみ上げ、処理施設で処理後、公共下水道に放流する」と説明している(東京都HPより )。

 2016年10月20日(木)東京都庁で、「守ろう! 築地市場パレード実行委員会」、「“築地”有志の会」による、小池百合子都知事宛「要請書」提出後の記者会見が行われ、日本環境学会元会長の畑明郎氏は、この地下水管理システムを「機能していないのではないか」と厳しく指摘した。

■ハイライト

  • <出席予定者>
    和知幹夫(築地市場水産仲卸・小峰屋 築地有志の会代表呼びかけ人)、山口タイ(築地市場水産仲卸・樋徳 築地有志の会代表呼びかけ人)、畑 明郎(日本環境学会・元会長)、坂巻幸雄(日本環境学会・土壌汚染WG長)、渡辺 泉(東京農工大准教授)
  • 日時 2016年10月20日(木) 17:00~
  • 場所 都庁記者クラブ(東京都新宿区)

地下水管理水位の「2メートル」を維持できていない東京都 「雨が多く、もともとの水位が高かった」!?

 東京都が10月3日以降に公表した「豊洲市場用地における地下水位測定結果」(東京都HP )によると、水位は、地下水管理水位のAP2メートル(Arakawa Peil・荒川基準水面)を超え、ほとんどの地点でAP3〜5メートルの範囲を動いており、地下水管理システムの効果が疑問視されている。

 東京都は、水位が下がらない理由について、「この夏の雨が多く、もともとの水位が高かったためだ」と説明していた。

  • 豊洲市場 システム稼働後も地下の水位は下がらず(10月20日 4時08分、NHK) ※現在、該当ページ削除

豊洲の”粘土質”土壌で、水の吸込口に目詰まりが起き、地下水の汲み上げができていない!? 畑氏「当然予想されたこと」

 豊洲の土壌汚染問題について、警鐘を鳴らし続けてきた畑氏によると、豊洲の粘土質土壌により、井戸ストレーナー(水の吸い込み口)の目詰まりを起こし、地下水の汲み上げができていないのだという。畑氏は、「当然予想されたことなんです。ここの土質では」と一刀両断。地下水管理システムの効果に疑問を呈した。

▲畑明郎氏

▲畑明郎氏

 畑氏は、豊洲新市場の地下空間でヒ素やシアン化合物(青酸カリ)が検出された直後、岩上安身のインタビューに答えている。

日本環境学会・坂巻幸雄氏「専門家会議の人たちとも、フリーな学術的な議論を通じて、この問題を解決するためにはどういうデータがいるのかということを、フランクに話し合いたい」

 この日の記者会見には、日本環境学会の坂巻幸雄氏も参加。坂巻氏は「とにかく専門家会議の人たちとも、フリーな学術的な議論を通じて、この問題を解決するためにはどういうデータがいるのかということを、フランクに話し合いたい」と述べつつ、「ただ、そういうことを言っても、なかなか東京都側、専門家会議側としてはそれを受ける体制に今、ない」と説明した。

▲坂巻幸雄氏

▲坂巻幸雄氏

 坂巻氏は2010年、IWJ設立前の岩上安身のインタビューに答え、早くから豊洲市場の汚染の実態を警告していた。

 重ねて坂巻氏は、「いまだに、例えば、地下水の標高だけしか(情報を)出してこない。いったいどれだけの水を汲み上げて、その水質はどうだったのかという一番基本的なデータすら、出そうとしてこない」と追及。「そういうことを出さなくてもいいものだとは、専門家会議の人たちも思っていないんじゃないかと思うんですが、それを自ら言い出せないようなところに問題のかなり大きな深い根っこがあると思っています」と話し、東京都と専門家会議の情報公開のあり方を批判した。

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