日本の「闇の奥」日米合同委員会の議事録開示請求、外務省は無関係な「安全保障」を盾に拒否!三木由希子氏「このままでは情報公開が形骸化してしまう」 2015.12.2

記事公開日:2016.1.4取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ、記事構成:佐々木隼也)

※1月4日テキストを追加しました!

 「日本のハート・オブ・ダークネス(闇の奥)、それが日米合同委員会です」――。孫崎享氏の『戦後史の正体』をはじめ、「戦後再発見双書」シリーズをプロデュースした編集者の矢部宏治氏が刊行した『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』には、日本国憲法をも超える日本の官僚と米軍との「秘密会議」の実態が、ありありと記されていた。

 「公文書で明らかになっていることですが、日米合同委員会で決められたことは、日本の法体系の上位に来ています」。

 この矢部氏の証言を裏付けるように、現在、日米合同委員会に関する情報は、「日米双方の合意に限り公開する」とされ、最初の会合から50年が経過した今も、議事録だけではなく、関係資料や合意内容などすべてが不開示になっている。

 日本がいまだに「米国による占領体制」であることを、自ら積極的に維持している実態を見せつける、一つの訴訟がある。

 2015年12月2日、東京都千代田区の司法記者クラブにて、日米合同委員会情報公開訴訟・提訴会見が行われた。外務省に対し、日米合同委員会(1952年と1960年)の議事録の一部を請求(2015年4月30日)したものが、不開示決定(2015年6月30日)になったことに対し、この日、その処分の取消と開示の義務づけを提訴した。

 今回開示を請求したのは、日米合同委員会において「『すべての協議内容は、日米双方の合意がなければ公表しない』とした日米合意」が事実かどうかが記されている2つの議事録だ。

 外務省は、ひとつは存在しないと言い、もうひとつは情報公開法5条3号に基づき、日米安全保障を盾に、「国益を損なう。不利益を被る」として非公開とした。

 原告であり、情報公開に詳しい「情報公開クリアリングハウス」理事長の三木由希子氏は、「『日米双方が合意しないと公表しない』という合意は、安全保障や外交上の政策そのものとは関係ない。今回の提訴は、日米情報公開のあり方を問い質すために行った」と話す。

 その上で、安全保障に直接関わらないことでも、安全保障を理由に情報公開をしない国の姿勢を批判し、「情報の中身によって、公開の是非を判断しないと、情報公開が形骸化してしまう」と危惧した。

■ハイライト

  • 訴訟の対象:外務省の行った日米合同委員会(1952年、1960年)の議事録の一部に対する不開示決定
  • 原告:特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長 三木 由希子(法人としての提訴)
  • 被告:国(処分庁 外務省)
  • 日時 日時 2015年12月2日(水)16:30〜
  • 場所 司法記者クラブ(東京都千代田区)

日米合同委員会議事録の一部を情報公開請求するも、不開示

 まず、弁護団の秋山淳弁護士が本提訴について、「外務省へ、日米合同委員会の議事録の一部について情報公開請求を行なったが、不開示決定があったため、処分の取消と開示の義務づけを本日、東京地裁に提訴した」と報告した。

 今回開示を求めた議事録とは、文書1が「1952年8月、日米行政協定に基づく日米合同委員会において、すべての協議内容は日米双方の合意がなければ公表しないとした、合意の事実がわかるもの」。文書2は「1960年、日米地位協定発効後に開催された、第1回日米合同委員会議事録が、日米間の合意がない限り公表しないと、日米両政府間で合意したという事実がわかるもの」である。

 それに対する外務省の不開示理由は、文書1は「存在しない(不存在)」とし、文書2は、その存在には触れず、情報公開法5条3号に基づき、「日米双方の合意がない限り公表されないことが前提だ。日米間の信頼関係を損なう。米側との協議や意見交換を行うことを阻害する。米軍に対する日米両政府の対処能力を低下させる。米軍の安定的駐留と円滑な活動を阻害するおそれがある」というもの。秋山氏は、「その理由は、はたして法律に当てはまるのか」と疑問を呈した。

※情報公開法5条3号=公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報。(法務省ホームページより)

沖縄県の公開決定に、国が取り消しの逆訴訟をする

 三木氏は、今回の提訴のきっかけを、「2015年3月、米軍の北部演習場を通る県道70号線の共同使用に関する文書を、沖縄県が情報公開条例に基づき公開決定を行った。それに対し、国が公開決定を取り消すよう、那覇地裁に逆訴訟を起こしたこと(現在係争中)だ」と述べた。沖縄県が公開決定した中に、日米合同委員会の議事録を含む情報があったのが、国が取り消しを求めた理由である。

 現在、日米合同委員会に関する情報は、日米双方の合意に限り公開するとされ、議事録だけではなく、関係資料や合意内容なども、すべて不開示になっている。「過去に不服申し立てで、関連文書の開示請求は行っているが、すべて不開示。行政救済レベルではまったく動いていない」。

(…会員ページにつづく)

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「日本の「闇の奥」日米合同委員会の議事録開示請求、外務省は無関係な「安全保障」を盾に拒否!三木由希子氏「このままでは情報公開が形骸化してしまう」」への2件のフィードバック

  1. 清沢満之 より:

    【「外務省が米の機密解除に反対」 史実を隠す『外交の闇』 元諮問委員が証言!】
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160106-00010011-nishinp-int

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    日本の「闇の奥」日米合同委員会の議事録開示請求、外務省は無関係な「安全保障」を盾に拒否!三木由希子氏「このままでは情報公開が形骸化してしまう」 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/277200 … @iwakamiyasumi
    「米国による占領体制」を維持し続けている日本政府。これは植民地政府のやり方だ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/941787554650587137

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