集団的自衛権の行使容認をめぐり、自民、公明両党の協議が佳境を迎える中、6月13日、衆議院第二議員会館前では、憲法解釈を変更する閣議決定に反対する国会前緊急行動が行われ、約200人の市民が集まった。主催団体は、「戦争をさせない1000人委員会」。今年3月に発足し、解釈改憲による集団的自衛権行使容認に反対する運動を展開してきた。
1000人委員会は、前日の12日に、日比谷野音で大規模な抗議集会を行い、国会を包囲したばかりだ。閣議が予定されている20日までは集中的に国会や官邸周辺で抗議行動を行う予定で、17日と20日には官邸前での緊急行動を呼びかけているほか、19日には、沖縄国際大学教授であり、元琉球新報論説委員長の前泊博盛氏を講師に招き、院内集会が開かれる。
「時間がない、安倍政権の暴走を許してはいけない」
緊急行動が始まると、1000人委員会の一人、福山真劫氏が挨拶。安倍総理と民主党・海江田万里代表による11日の党首討論に言及。憲法改正ではなく、解釈改憲で乗り切ろうとする安倍政権の手続き論を問題視した海江田代表だったが、安倍総理は集団的自衛権の必要性を強調するのみで、海江田代表の質問に正面から回答することを避けた。
これについて福山氏は、「答えない理由は、はっきりしている。憲法改正は国民世論が反対するから、こそこそと解釈改憲をやろうとしている」と厳しく批判した。
福山氏は、「集団的自衛権行使の本質は、米国の軍事戦力に自衛隊を取り込むこと。米国の軍事戦略とは何か。軍産複合体や石油利権を守るための戦争ではないのか」と訴え、「閣議が行われる6月20日が山場。私たちに時間はない。この1週間で、『安倍政権の暴走を私たちは許していない』という声を届け続けたい」と呼びかけた。
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