安保法案反対の学者ら約150人、打倒・安倍政治で若者との共闘宣言――ノーベル賞受賞の益川敏英氏「首相の判断次第で戦争が始まってしまう。安倍政権に鉄槌を下さねばならない」 2015.7.20

記事公開日:2015.7.23取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田)

特集 安保法制
※7月23日テキストを追加しました!

 安保法案の衆院強行採決後、報道各社の世論調査で支持率が軒並み30%台に急落した安倍晋三政権へ、「鉄槌を下さねばならない」との発言が印象的だった記者会見が、2015年7月20日、東京・神田錦町にある学士会館で行われた。「安全保障関連法案に反対する学者の会」100人記者会見、である。

 発言の主は、2008年にノーベル物理学賞に輝いた、京都大学名誉教授の益川敏英氏。学問分野横断型の有識者組織「安全保障関連法案に反対する学者の会」の発起人の1人である。

 「学者の会」は、先の衆院での採決の強行について、この日の会見で、「8割を超える大多数が、今国会での成立は不必要としていた状況の中での強行採決は、主権者としての国民の意思を踏みにじる、立憲主義と民主主義の破壊だ」などとする抗議声明を発表。同会によれば、賛同する学者数は7月20日現在で1万1218人に上り、この会見には約150人の学者らが参集したという。

 スビーチした学者らが讃えたのは、連日の国会前での抗議行動が象徴する「若い世代の台頭」である。質疑応答の中で、「世間には『大学の先生が言うことは絵空事だ』という見方がある」との質問があり、「学者の会」が安倍政権の支持率を引き下げるパワーを今以上に帯びるには、こうした見方が障害になると指摘されたが、学者側は、学生の反対運動との連携が、より鮮明なものになれば世論は変わる、との認識を示した。

 会見ではIWJの岩上安身も質問に立っているが、会見終了後のぶら下がり取材の方が、内容的に充実したものとなった。京都大学教授の高山佳奈子氏は、「仮に、主要メディアの要職の人が、安倍首相から圧力をかけられたり、首相と裏取引を行っていたら、場合によっては刑事罰の対象になり得ると考えられる」と指摘。この言葉に刺激を受けた岩上安身は、高山氏に向かって、日を改めてのロングインタビューを申し込む意向を伝えた。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2015年7月20日(月)17:00〜18:30
  • 場所 学士会館202号室(東京都千代田区)
  • 詳細 http://anti-security-related-bill.jp/
  • 主催 安全保障関連法案に反対する学者の会

新国立競技場「白紙化」の成功体験を生かせ

 益川氏は、「安保法制の問題で(安倍政権のやり方に)反対する世論が、ここまで急速に立ち上がってきたのは、60年安保を彷彿させる」と指摘した。

 そして、安倍政権は、憲法9条をなし崩しにしようとしていると批判し、「(安保法案が成立すれば)安倍首相の判断次第で戦争が始まってしまう。安倍政権に鉄槌を下さねばならない」と口調を強めた。さらには、衆院での強行採決を嫌った国民らが、安倍政権の支持率を引き下げている点を強調。「情勢は非常に明るいが、安倍首相は、自分の任期中は何をやるかわからない人」とも言い、今の世論の隆盛を無駄にしてはならないと力説した。

 「学者と学生が一緒に闘っていることが、実に素晴らしい」と声を弾ませたのは、東京大学名誉教授の上野千鶴子氏だ。「新国立競技場の建設計画は、市民の声で白紙に戻った」と力を込め、安保法案でも同様の展開が期待できるとし、国民は「敗北主義」に陥ってはならないと訴えた。

 「われわれは、手遅れになる前に行動を起こさねばならない。大学はすでに標的にされている。(若者に深く考えることを学ばせる)人文系の学部を(国立大から)なくせ、という動きが現に起きている」

 国際基督教大学特任教授の千葉眞氏は、「今後、安倍政権の支持率を、20%台以下にまで下げることが重要。自民党と公明党の中に反対議員が多数登場し、彼らが次回総選挙への危機感を抱くようになれば、国会情勢は明らかに変わる」と話した。

武力拡大は「国際秩序」に寄与せず

 京都大学教授の高山佳奈子氏は、「海外でも、米軍の財政や人員的負担の一部を日本が担うことに関しては、肯定的な意見がある。が、憲法を無視して、政策を推進することを是とする議論は皆無だ」と述べた。米欧社会では立憲主義が重視されている、とも指摘した高山氏は、「その証拠に、独裁国家とされるベラルーシは、欧州評議会に加入させてもらえない」と述べた。

 高山氏からは、集団的自衛権が行使されるようになった場合、中東などで働く日本人のジャーナリストやボランティアが、過激派組織に襲われる可能性が高まる、との言及もあった。

 「日本でも、交通機関を狙った爆弾テロが起きるかもしれない。武力拡大による抑止力効果を当て込んだ政策は、国際秩序を保つことにはつながらない」

 千葉大学教授の酒井啓子氏は、「中東・ホルムズ海峡に機雷が撒かれるリスクが、安倍内閣から重ねて指摘されてきたが、一体、いつの話をしているのか」と喝破。2015年7月14日に、イランと米国の外交上の歩み寄りを意味する、イランの核開発をめぐる協議が合意に至っていることを紹介し、「イランがペルシャ湾に機雷を撒く国際情勢は、とうの昔に過ぎ去っている。そのような、ずれた認識を持つ政権が、武力行使容認の方向へと日本を引っ張っていったら、われわれは、とんでもない事態に見舞われる」と語気強く語った。

今は「首相退陣」の一点に注力する

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  1. 武尊43 より:

    防衛白書からもホルムズ海峡での諍い(イラン関係)が削除されました。
    フジテレビ・日テレでの親偏親党首相だけのテレビ番組でも、とうとう一度もホルムズ海峡での機雷問題には触りもしませんでした。逆にアナウンサーが変な小屋について「ホルムズ海峡ですか?」と聞いたら「いえ、アメリカの艦船です」と言い換えてしまったのです。そりゃそうでしょう。日本に火粉が降ってくるくらい近いのは、近海に展開するアメリカ艦船くらいしか有り得ません。その艦船への防御ならば周辺事態法で間に合う筈ですが、これについてコメンテーターも異議を唱えない不思議な番組だした。
    もう完全に崩壊逸脱した戦争法案だ、ということが露呈した番組でした。
    尚、国連法でも資源などの為に戦争をする事を禁じていることをこの首相は知らないのでしょうかねェ?

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