”史上最悪の愚策”真珠湾攻撃を行った当時の日本と似通っている現在の安倍政権~安保法制、TPP、AIIB、中東情勢について、『日米開戦の正体』著者・元外務省国際情報局長・孫崎享氏に岩上安身が聞く~岩上安身によるインタビュー 第549回 ゲスト 孫崎享氏第1弾 2015.6.8

記事公開日:2015.6.10取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・原佑介、佐々木隼也、平山茂樹)

※2021年5月4日 フル公開としました。

 原発再稼働、TPP、そして集団的自衛権の行使容認。安倍政権は、米国からの要請に対して唯々諾々とつき従い、まったく日本の国益にはならない政策を次々と実行している。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、新刊『日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか』の中で、真珠湾攻撃を行い、対米開戦という道を選んだ当時の日本と、現在の安倍政権が似通っている、と指摘する。孫崎氏は、その共通点として、以下の3点をあげる。

  1. 本質論が議論されないこと
  2. 詭弁、嘘で重要政策がどんどん進められること
  3. 本質論を説き、邪魔な人間とみなされる人は、どんどん排除されていくこと

 この日のインタビューでは、『日米開戦の正体』の中身に入るための準備作業として、現在の安倍政権による「暴走」の事例をひとつひとつ検証。国会で審議が続く安保法制や、AIIB(アジア・インフラ投資銀行)をめぐる問題、TPPとアベノミクスの行方、辺野古新基地建設問題、サウジアラビアによるイエメン攻撃を中心とした中東情勢などについて、2015年6月8日、岩上安身が孫崎氏に見解を聞いた。

<会員向け動画 特別公開中>

■前半

■後半

  • 日時 2015年6月8日(月) 16:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

なぜ『日米開戦の正体』を書いたのか――かつての真珠湾攻撃への流れと、現在の安倍政権の姿勢が似てきている

岩上安身(以下、岩上)「本日は、『日米開戦の正体』を上梓された孫崎享さんにお話をうかがいます。この本は、みなさん、絶対に読んでください! 本日は、『日米開戦の正体』だけでなく、様々な時事問題についてもお聞きします」

孫崎享氏(以下、孫崎・敬称略)「今日は、よろしくお願いいたします。私は、この本は歴史書ではないと思っています。現在の状況を考えるために書いた本なんですね。ところで、天皇陛下が新年にあたり、『満州事変に始まる戦争の歴史に学ぶことが大切だ』と語りました。戦争への流れと、現在の安倍政権の流れが似てきているということです」


※孫崎享著『日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか』は、IWJ書店にて、孫崎氏の直筆サイン入りで販売中です。ぜひ、IWJ書店をご利用ください(IWJ会員への登録が必要です)。 お陰様で完売いたしました。

岩上「しかし、この天皇陛下の発言について、報じないメディアがあります。私は、天皇陛下は国民の一人で、かつ有識者であると思っています。天皇の言葉から、議論が生まれればよい。そう思っています。

 この、『日米開戦の正体』を読んで勉強になったのは、軍部が邪魔な人間を消していったことです。そして、その中に、昭和天皇が含まれていた、ということですね。例えば、荒木貞夫のように、マキャベリスティックで、尊王の気持ちを持っていない人物が軍部の中にいた、ということですね」

孫崎「これは、現在の安倍政権に通じています。一水会の鈴木邦男さんに教えていただいたのですが、右翼思想には、現実の天皇が理想の天皇と乖離している場合、現実の天皇を退けていい、という考えがあるそうです」

岩上「昨日、『ネトウヨは本当にアホだ』ということをTwitterに書きました。集団的自衛権で日本周辺を空っぽにしてどうするんだ、ということを書いたんですね。すると、ネトウヨから大変絡まれました。彼らは、初戦の空戦で戦争が終わる、と考えているようです」

孫崎「昨日、講演をした際、育鵬社の教科書の話になりました。他の教科書もあわせて、『満州事変は日本の生命線だった』という書き方をしているんですね。

 しかし、このような書き方は、ポーツマス条約で何が決まったか、ということが分かっていないために起きているものです。ポーツマス条約で、遼東半島と南満州鉄道が日本のものになりました。しかし、満州からは日本は退け、ということになりました。だから、『満州が日本の生命線だ』というのは、国際条約を破っていることになるのです。

 私が、この人が生きていたら日本が変わっただろう、と思うのは、伊藤博文なんです。伊藤博文は、日本の軍が満州に居残ったことを危惧し、参謀総長を怒って、ポーツマス条約を守るように、と言いました。伊藤博文が生きていれば、日本軍が満州に進出することはなかった、と思います」

岩上「孫崎さんはこの本の中で、伊藤博文を殺した安重根を手引きしたのは、日本の軍部と外務省だった、という驚きの仮説を立てていますね」

孫崎「玄洋社の内田良平などが関わったのではないか、と思います」

戦術面では優秀でも、戦略的思考ができていなかった日本軍

孫崎「日本の軍は、戦場では勝ちます。しかし、それは、大きな流れの中での戦略で勝つ、ということではありません。山本五十六も、戦場では勝つのですが、戦略の面では全然だめでした」

岩上「現在のネトウヨも、開戦のイメージしかありませんね」

孫崎「山本七平が、戦艦大和のことを議論しています。撃沈されることが確実なのに、なぜ出撃したのか。それが『空気』のせいだ、ということでした。以前であれば、そういう議論が存在しました」

岩上「かつては、『日本軍は馬鹿な軍隊だね』ということが、常識だったんですけれどね。太平洋戦争と欧州での戦争をつなげたのは、英国の首相・チャーチルですね」

孫崎「チャーチルは、ヒトラーの攻撃を打破する方法を2つ考えました。一つは、ドイツがソ連を攻撃すること。もう一つは、日本が米国を攻撃し、米国が参戦することでした。

 真珠湾攻撃の日の日記に、チャーチルは、『これで我が国は救われた。日本人は木っ端微塵にやられるだろう』と書いています。チャーチルは南北戦争を研究し、先に攻撃した方が負ける、ということを理解していたのですね。

 今、敵基地攻撃、という論が出てきています。これは、日本を守るためのものではないですね。何を考えているかというと、米国に向かうテポドンが発射しようとしている際に、攻撃する、というものです。しかし、日本はそのことで、ノドンに攻撃されます。こんな無茶苦茶な話はありません。

 今、G7が行われています。ドイツはウクライナ危機などを通じて、自主路線を出しています。ドイツは、米国の戦略の中にいたら怖い、ということで、独自にロシアと交渉しました。しかし日本は、それと真逆の状態にいます」

岩上「孫崎さんの本を読むと、吉田茂が稀代の悪党であることが分かります」

孫崎「吉田茂は、中国のことをやっていて、傍流なんですね。田中義一内閣の時、満州への侵略がありますが、吉田は田中に取り入っています」

岩上「安倍総理は、満州はドイツから受け取った権益だ、と言っています。これは、笑ってすませられる話ではありません。ポツダム宣言にしても、『つまびらかに承知していない』、つまり同意していない、ということです」

安倍総理の顔写真が15枚も出てくる、育鵬社の公民教科書

岩上「今、弾圧が始まっています。経産省前で3人が逮捕され、京都でも似たようなことがありました」

孫崎「マルチン・ニーメラーが『共産主義者が襲われたとき、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった』と言っています。このように、一連の大きな流れがあります」

岩上「育鵬社の『公民』の教科書ですが、フジテレビのマークがついています。ここは扶桑社の子会社で、新しい歴史を作る会が分裂してできたものです。この中に、安倍総理の顔写真が、なんと15枚も出てくるんです」

孫崎「へぇ…(驚)。今、日本のあちこちで、教育委員会にものすごい圧力がかかっています。この教科書では、『学徒出陣をこの戦争は、我が国の初めて経験する総力戦でした(略)大学生も入隊することになりました』などと書いていますね」

岩上「誰も入りたくて入ったわけではないのに、まるで当時の生々しい状況が書かれていません」

孫崎「物事を見ないようにしていますね。先日、京都の四条通りを500人くらいでデモしたんです。でも誰一人目を向けない。『事実を見たくない』という層が増えています。伊丹万作の『日本人全体がお互いに騙したり騙されたりしていた』の言葉を思い出します」

「不承知だ」と、ポツダム宣言を否認した安倍総理

岩上「安倍総理の『ポツダム宣言不承知』発言がありました。事実上の否認ではないか。安倍総理は、誤った戦争だったという認識かと問われたのですが、答えず、『不承知』であると言いました」

孫崎「普通の首相が、ポツダム宣言を読んでいないということはありえます。戦後レジームの脱却を掲げている安倍さんですが、戦後の出発点がポツダム宣言です。しかし、この発言については、テレビ朝日以外どこも放送しなかったようですね」

岩上「NHKは、ポツダム宣言の部分を丁寧にカットしました。籾井勝人氏が会長を務めるNHKはどこまでも腐っている。これでは、戦前と変わりません。

 しかし、安倍総理は実はポツダム宣言を読んでいるんです。原爆投下のあとに『どうだ』とばかりに叩きつけられた、と言っています。ポツダム宣言は原爆投下前のものですから、認識が間違っています」

孫崎「ポツダム宣言は、これをのまなかったら日本を破壊するぞ、という意志が強いものです。しかし、当時の日本の首脳は、『断固拒否』でした。彼らは、日本が破壊されても構わないというのでしょうか。ダレスがサンフランシスコ講和条約を作った時には、ポツダム宣言の定着を目的にしていました。

 自衛隊は空と海、陸とで一体運用ができていないので、米国は個別に連携し、強い武器を与えています。昔と違うのは、米国が日本に対し、警戒感がなくなったことです。米軍が陸上自衛隊と初めて連携したのは、3.11の時でした」

岩上「日本に対しては、依然として国連の敵国条項が外されていませんね」

孫崎「親日国である台湾ですら今、慰安婦記念館を作る動きがあります」

岩上「2005年に安倍さんは、テレビ番組での日本共産党の志位和夫委員長との討論で、『満州に攻め入ったわけではない』『ドイツから譲り受けたもの』という嘘を垂れ流しました」

孫崎「彼は、『嘘と分かっていて嘘を言える人』です。これは、政治家にも滅多にいません」

岩上「安倍総理のポツダム発言の時、磯崎総理補佐官が『ポツダム宣言が一言一句正しいとは限らない』と総理の不承知をフォローした」

孫崎「彼は、国民とともに仕事をしようという気持ちがない人です。自治省から天下りで地方に行き、常に上から目線で仕事をしてきた人です。

 後藤さんがイスラム国に殺された時に、安倍政権が『交渉しない』と言いました。この時に、NYタイムズのマーティン・ファクラー氏が面白いことを言っていました。彼は、『安倍総理は、後藤さんを人質に出したことで、これほど貢献したんだと(米国に)言いたいのだろう』と言いました」

ウクライナ危機を煽り、日本に集団的自衛権の行使を求める米国のジョン・マケイン上院議員の存在

<ここから特別公開中>

岩上「安倍総理のウクライナ訪問で、ロシアへの制裁と対話と圧力、ウクライナへの2300億円の支援を約束しました」

孫崎「しかし別の場所で、安倍総理はロシアと仲良くしない、と言っている。最近ロシアの議長が来日した際に、外務省がブロックしました。

 その後、自民党の偉い人に会いに行ったのですが、そこで議長が『ブロックしている人がいる』という言葉を外務省の通訳は訳しませんでした。たまたまロシア語の分かる人間がそれを指摘して分かった。今の外務省は、通訳が通訳しなくて良いという所まで狂っているのです。

 G7で音楽会が開かれたのですが、そこに安倍さんだけ写っていないのです。普通だったら、ウクライナではなくドイツに早くに入り、いろんな人と会うでしょう。しかしそれをしていない。その影響で、この音楽会にいないのでしょうか。あるいは、この写真を掲載した媒体が、安倍さんは必要ないと思ったのでしょうか」

岩上「ウクライナのクーデターを裏で煽動したジョン・マケイン上院議員について、どのようにお考えですか」

孫崎「彼は、本当に危険な人物です。イラク攻撃に対してEU諸国が渋った時に、『米国にとって一番重要な事態に参加しないということは、米国もあなたがたの一番重要な旧ユーゴに参加しない』ということを言いました。その翌日、EU諸国はイラク攻撃に理解を示した。これは日本に対して集団的自衛権の行使で使われる戦法です。

 2016年の大統領選挙は、必ずオバマより右になります。ブッシュの弟は、今後の米国の最重要課題は、いかに同盟国に米国の作戦に参加させるか、と言いました」

岩上「マケイン上院議員は、エルサレムで安倍総理と会談しています。マケイン氏が、ホルムズ海峡に自衛隊を出すよう、要求しているのです。また、安倍総理は、米議会での演説をイスラエル・ロビーに頼ったと言われています」

イエメン、イランを中心とする中東情勢の現在

岩上「サウジアラビアによるイエメン空爆について、お聞きしたいと思います。今回の攻撃は、国連安保理の承認を得ていません」

孫崎「私は、なぜ米国が、中東でこのような政策をやっているのか、ということを考えます。まず、武器が売れるかどうか、です。もう一つは、イスラエルの安全保障に資するかどうか、です。米国とイスラエルにとっては、それぞれの国が仲違いして弱体化すればいいんです。つまり、両者は平和を望む勢力ではない、ということです。

 アフガニスタンからアルカイダが逃げたとき、行き先がパキスタンとイエメンでした。ですから、イエメンはずっと標的だったのです。こうした混乱の中から、さらにアルカイダ的なものが出現する可能性もあります」

岩上「次は、イラン情勢です。ローザンヌ合意で、欧米諸国とイランが、核問題の包括的解決に向けた枠組みで合意しました」

孫崎「実は、米国とイスラエルの中では、イランをやっつけてやろう、という動きが強まっています。大統領選挙の後、米国の対イラン政策はかなり強硬になると思います。第一次世界大戦は、ローカルな争いが世界に拡大しました。これは、抑止のシステムがオセロゲームのように裏返っていった、ということです。その結果、戦争を仕掛けた帝国が負けていきました」

岩上「米国は、イランがヨーロッパにミサイルを打つという理由で、NATO防衛のためにMD配備する、と言っていました。それが今度は、ウクライナ危機に際してMDを配備し、ロシアを本格的に攻略する、というかたちになっています。

 そして、イランが、中国とロシアの結びつきに加わろうとしている、と言われます」

孫崎「今だったら、イスラエルはイランを空爆できると思っています。しかし、イランが地対空ミサイルを装備すると、それができなくなってしまいます」

岩上「現在報じられているFIFA汚職事件は、米国からロシアへの嫌がらせではないか、と言われています。プーチン大統領は、これに対して激怒しています」

孫崎「2018年のロシア大会で、トーナメント戦ではなく勝ち抜き戦にしよう、という話になっていますね」

AIIBへの不参加で、世界中から孤立することになってしまった日本

岩上「さて、AIIBについてお話をうかがおうと思います。宋文洲氏、柯隆氏という中国の知識人にお話をうかがいました。米国と日本は、AIIB参加を見送りました。しかし、イギリス、ドイツ、フランスなど欧州諸国、さらにBRICs諸国も参加を表明しました」

孫崎「日本は、AIIBに入らないことによって、米国に忠誠を誓ったのです。外務省の人たちは、米国追随以外に、考えることをやめてしまいました。日本は、合理的な判断ができない国にさせられてしまったわけです。

 東大の加藤陽子さんが、戦前のシステムの中で、社会民主主義的な改革が実現できず、その代わりとして、軍部に期待が集まることになった、と指摘しています。今の日本も、中国や韓国を敵視することで、自らの正当化を図ろうとしています」

岩上「TPPで日本語が『公共調達』の分野で『非関税障壁だ』という話になれば、公的な文書が英語になり、英語ができる人が一級市民、英語ができない人が二級市民、ということになりかねません。植民地というのは、政治的にも文化的にも支配されるのです。

 しかし、文科省は、10年後に5割超の学部授業を英語で実施する、という通達を出しています。これに対して、東大以外の大学が受け入れる方針である、としています。人文系の学問、文学や歴史、社会学は、大学で扱われなくなる可能性があります」

孫崎「戦略の一つは『差別化』。どう違ったものを作り出せるか。いかに日本のものを作れるかです。オリジナリティもなく、完全に潰されるでしょう」

岩上「第二の開国、明治維新のときだって日本語で通しました。これ、もう元に戻れないですよ? 日本破壊です」

注目が集まる「SEALDs」や立憲デモクラシーの会

岩上「東大で行われた立憲フォーラムの集会には1000人を越える人が集まりました。国会前では安保法制に異を唱える『SEALDs』という若者たちが大勢の市民を集めました。我々は若い人と対話していかなければなりません。

 『SEALDs』は中年も年配も集まってほしいと呼びかけています。マルチイシューで話してほしい。戦争、原発、TPP…人を排除せず、色々な考えを発信できる場を作れれば、まだまだどこまでもいけると思います」

孫崎「自民党の改憲漫画は見ました? あの漫画は酷い。読んで『そうだ』と思ってしまう人も大勢出てくるでしょう」

岩上「自民青年部が週末に全国100ヶ所街宣をしました。国民に対するヘイトスピーチですよ。『戦争反対!』と叫ぶ人に、ごくわずかな聴衆が『反日反対!』と応じていました。

 ちなみに、中国の戦闘機SU35。日本が導入するF35を上回るらしいです。これどうです?」

孫崎「中国と戦争して勝てるということはないです。かと言って占領されるわけではない。軍事がないと占領されるというのは、刷り込みです。

 カザフスタンの石油を中国が取りに行かないのは、取りに行かないほうが利益になるからです。自民党の改憲漫画には、『明日、侵略されたらどうする?』ということを書いています」

岩上「そんなの戦いますよ。ベトコンに学び、追い出すまで戦いますよ。

 先生、『日米開戦の正体』に入りたいんですが、こんなに時間が経ってしまいました。先生、前、中、後編にさせていただくということで、また近いうちにお時間いただければと思います。ご視聴ありがとうございました」

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  1. あのねあのね より:

     亡くなった明治生まれの祖父母から十五年戦争という言葉をよく聴いた。十五年戦争こそが天皇陛下のお言葉にある『満州事変に始まる戦争の歴史』そのもので最後は昭和20年の敗戦である。大正時代前半の大正バブル、後半のバブル崩壊、関東大震災、昭和恐慌、軍部の台頭・・・何もかもが現在の動きに良く似ている。しかし、似ているのは偶然ではなく、戦前の動きをなぞったシナリオが有ると考えると全ての動きの謎が解けるのである。国会議員の三原じゅん子議員の八紘一宇発言などもシナリオを書いた人間がいると考えると合点が行く。戦後は絶対にタブーであった発言だが、麻生太郎議員の受け方があまりにも自然であることが不自然だからそう言えるのだ。
     右翼の天皇陛下に対する考えでは、かつて坂本龍馬が天皇を玉に例えて、玉を持っている方が勝ちであると言ったことによく似ている。ただの道具くらいにしか考えていない大変不敬な考え方である。右翼系雑誌の皇太子殿下排除の考えは、ネットや週刊文春などに載っているガセ情報が“効いている”ようだ。しかしこれは、反応を確かめながら徐々に潜在意識の中に入れてゆくという世論誘導の初歩の初歩の方法を使っただけである。週刊文春には皇室内の皇太子妃殿下の情報が記事としてよく出てくるが、限られた人数の中で情報が出たとすれば情報を漏らしてしまう人間は直ぐに特定で来てしまうので普通は信頼される情報ではない。それを確かな情報として記事にしているが、読んでみると明らかに“小説”である。ネットで拡散している、ミッションスクール出身の皇太子妃殿下を創価学会の信者とするガセ情報も信頼性は非常に低いが一部の人間は積極的に広めている。こういうガセ情報も間違った世論誘導の“武器”として使われるので要注意である。
     大体、1993年の自民党の下野を民放テレビ局のせいにする安倍首相は単なる嘘吐きに過ぎないのでマトモに評価すべきではない。本当の下野の理由はリクルート事件を始めとした自民党の金権腐敗と消費税導入、それに米の輸入自由化だ。有権者の生活破壊と自民党の金まみれが原因なのだ。おごる平氏が政権を失っただけだ。

  2. ちー より:

    「天皇陛下が言っている」じゃなくて「天皇陛下がおっしゃっている」だろ?

  3. ちー より:

    憲法の冒頭に規定されている天皇を語ることが政治利用などという、おかしな自己規制が、まさに憲法違反ではないでしょうか。

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