元外務省国際情報局長の孫崎享氏とニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏が先月2月18日、『崖っぷち国家 日本の決断』 (日本文芸社、2015年2月) (2015年2月、日本文芸社)を出版した。この新刊本の刊行記念トークイベントが、3月6日、東京の八重洲ブックセンターで行なわれた。
「イスラム国と安倍外交」と題して、著者の2人がトークした。
(取材・記事:IWJ・石川優、記事構成:IWJ・安斎さや香)
元外務省国際情報局長の孫崎享氏とニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏が先月2月18日、『崖っぷち国家 日本の決断』 (日本文芸社、2015年2月) (2015年2月、日本文芸社)を出版した。この新刊本の刊行記念トークイベントが、3月6日、東京の八重洲ブックセンターで行なわれた。
「イスラム国と安倍外交」と題して、著者の2人がトークした。
記事目次
■ハイライト
神奈川新聞がファクラー氏にインタビューした記事が今月3月3日に掲載されると、たちまちネット上で話題となった。
この日の対談でも、イスラム国による邦人人質事件が話題にのぼった。安倍政権は今回、邦人2人の救出に失敗し、日本がこれまで築いてきた平和主義を捨て去り、積極的平和主義という、これまでの方向性と真逆の路線に向かっていると指摘されている。
ファクラー氏は、この邦人人質事件が、日本にとって重大な局面だとし、こうした重大な局面であるにも関わらず、日本のメディアは問題提起をせず、沈黙していると断じる。
「国民が選択しようにも、メディアが沈黙していては選択肢は見えてきません」
邦人人質事件をめぐって、日本政府の対応はどうだったのか。ファクラー氏は、日本のメディアの報道姿勢について指摘した。
「どういうふうに2人を助けようとしたのか。あの2人の責任なのか。日本政府はどれくらいの責任があるか。日本国民が海外で何かの事故とか事件にあったら、守るのは日本政府しかない。どういう社会、政府、外務省がいいか、そういう根本的な議論をほとんど見なかった」
ファクラー氏が、とりわけ今回の邦人人質事件で感じたことは、「本当にこの国の主権が国民にあるのか」ということだという。
「自分たちが何をやっているかというのを、政府が国民に説明しようとしない。どちらかというと、海外、米国を含めて、発信していた。国内の議論、国民がどう思うか。どちらかというと、軽蔑していた感じ。どうせ、(国民が政府の方針に)ついてくる。メディアについては、大きい新聞が批判しないから、説明しなくても済む」
なぜ、ファクラー氏にインタビューしたのが神奈川新聞だったのか。これについて孫崎氏は、少し違和感があると指摘し、本来なら、大手新聞がファクラー氏にインタビューすべきであって、ファクラー氏が所属するニューヨークタイムズの東京支局は、築地に本社を構える朝日新聞のビルの一角にあり、目と鼻の先でインタビューを取ることは難しくないと語る。
(…会員ページにつづく)
どうしようもない大手記者クラブメディア。サラリーマンジャーナリスト。
孫崎享氏×マーティン・ファクラーNYタイムズ東京支局長が対談、邦人人質事件で「沈黙」した日本のメディアに苦言〜多様な価値観を認めない空気は「北朝鮮並み」と痛烈批判 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/237348 … @iwakamiyasumi
「民は愚かに保て」を地で行く報道機関。
https://twitter.com/55kurosuke/status/580346800701214720