新宿アルタ前で聞かれた「基地賛成」の声~「戦争や米軍基地に対するリアリティに欠けているのでは」ーー沖縄の現実を知る関東在住者が「辺野古リレー」で街頭アピール 2015.5.5

記事公開日:2015.5.6取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 「基地が嫌なら僕だったら引っ越しますね」

 東京に住む人間にとって、沖縄から聞こえてくる「基地反対」の声は単なるわがままに聞こえるのだろうか。

 沖縄県の辺野古新基地建設に反対する抗議行動には、全国から多くの支援者が駆けつけ、参加している。関東在住者を中心に、現地行動の参加経験を持つメンバーからなる「辺野古リレー」は2015年5月5日、新宿アルタ前で「辺野古に基地を作らせない集中アピール」を行なった。

 一部、歩行者天国となった新宿通りを利用して、メンバーらは「NO MORE U.S. BASE IN OKINAWA!」(沖縄にこれ以上の米軍基地はいらない)と書かれた横断幕を掲げながら、連休を利用してショッピングを楽しむ観光客を狙い、辺野古の実情を街頭で訴えた。

 約1時間半続いた街頭アピールだが、聴衆からは冷ややかな意見も聞かれた。2人の小さな男の子を連れて歩いていた30代の男性はIWJのインタビューに対し、「国が決めたことなら仕方ない」と話した。

■ハイライト

  • 日時 2015年5月5日(火)15:00~
  • 場所 新宿アルタ前広場
  • リンク 辺野古リレー

「もし基地が東京にきても受け入れる」…聴衆から寄せられた「基地賛成」の声

 「基地が嫌なら僕なら引っ越しますね。国が決めたことだから仕方ない。もし、東京に基地ができたとしても、僕はそこでどうやって暮らせるか、先の生活を考えますね。基地があることで経済的な利点もあると思いますから」

 有事の際、基地が狙われることで自分の子どもの身に危険が及ぶとは考えないのだろうか。IWJのこの質問に、男性は「戦争とはそういうもの。自分の子どもだろうが関係ない。自分で外交ができるわけではないので、国に任せるしかない」とコメントした。

 小学生の子ども連れの40代の父親にも話を聞いた。

 「沖縄はこれまでの苦しい経緯があるので、辺野古に基地を作るのは反対です。県外のどこかに作ることができれば一番いいですね。基地自体は反対していません。守ってもらっているという感覚があります。もし、東京にできても、反対はしないと思います」

珍しくない米軍基地肯定の意見「戦争や米軍基地に対する現実味がないんです」

 2014年9月から新宿や渋谷の街頭でアピール行動を続けてきた辺野古リレーのメンバーの一人は、こうした冷ややかな意見は珍しくないと話す。

 「戦争や米軍基地に対する現実味がないんですよね。沖縄で起きている事実を知っている人があまりにも少ないのだと思います。事実を知れば判断ができることも、情報がないからできない。沖縄だけの問題ではないという認識を持ってもらえる方法を模索しながら、アピールを続けています」

 同じくメンバーの一人、園良太氏も目の前を行き交う観光客に向けて、熱を込めて語りかけた。

 「“沖縄の人たちがわがままを言っている”、“負担軽減だから仕方ない”などと言われているがそれは嘘です。“日本のために我慢しろ”、“日本の安全保障のために我慢しろ”と言っておきながら、東京ではこうして食べたり飲んだり、ショッピングを楽しんでいる。それはおかしいのではないでしょうか。

 わがままなのは私たちの方ではないでしょうか。現地に行ったメンバーからの話を聞いて下さい」

「屈辱の日」に行なわれた海保の暴力

 2007年前後から定期的に辺野古を訪れているという女性メンバーの一人は、今年も4月下旬から数日間、キャンプ・シュワブのゲート前で座り込み行動に参加したという。女性は見聞きした現地の状況を報告した。

 「4月下旬、辺野古を訪れました。4月28日、サンフランシスコ講和条約が発行された日、沖縄県と奄美大島を切り離した形で、日本が主権を回復した。沖縄では『屈辱の日』と呼ばれています。この日に、辺野古の海で海上保安庁が何をしたか。

 反対派の市民が乗った船を意図的に転覆させました。今、政府はむちゃくちゃなやり方で、辺野古の新基地建設を強行しようとしています。

(…会員ページにつづく)

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「新宿アルタ前で聞かれた「基地賛成」の声~「戦争や米軍基地に対するリアリティに欠けているのでは」ーー沖縄の現実を知る関東在住者が「辺野古リレー」で街頭アピール」への1件のフィードバック

  1. 武尊43 より:

    最初の男性に言いたい。引っ越す?故郷を捨てるんだ。仲間を残してね。そして子供を根なし草にするんだね?それで子供が喜ぶと思うかい?
    更に東京にも基地は有るんだよ。青山墓地の向かいにヘリパッドが有るんだ。私は幼い頃野球をしていて、隣に着陸してくるヘリの音に驚きながら見ていたんだ。そりゃあ凄い音だった。でもねそれは一度っきりだったんだ。しかし沖縄ではそんな光景が日常茶飯事なんだぜ。沖縄の何所へ行っても戦闘機とオスプレイやヘリの音が響いている筈だ。あんたは知らな過ぎだよ。
    そして賛成する人達に言いたい。そんなに言うなら自分の居場所に誘致しなよ。「俺の家の隣に作ってくれ」ってね。
    私は御免だよ。原発も米軍基地も嫌だね。そうさ、私は我がままさ。だからあんた方が引き受けてくれよ。引き受けてくれれば、私はあんた方に一生感謝し足を向けないで寝るよ。
    経済的恩恵?そんなものは、もう無い方が優位だと分かってきてしまっているのを知らないんだね。矢張り無知過ぎなんだよ。
    だから沖縄の人達も思っているのさ。少しは引き受けてくれってね。
    最後に言って置く。米軍は日本を守っているんじゃない。日米安保ってのは『米国太平洋覇権防備安全保障』でしかないんだよ。核の傘は日本に駐留している米軍兵士とその家族を守る為に有るんだ。只そこに偶々日本人が住んでいるにすぎないのさ。
    もう少し頭冷やして考えて欲しいんだけどなァ、、。

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