「情緒論的に口を閉ざすのは政治家として無責任だ」イスラム国問題、辺野古基地移設で徹底論争する構え ~「生活の党と山本太郎となかまたち」小沢一郎氏、山本太郎氏両代表が記者会見 2015.1.27

記事公開日:2015.1.27取材地: テキスト動画
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(IWJ・佐々木隼也)

特集 小沢一郎/陸山会事件|特集 山本太郎

※1月27日テキスト追加しました!

 生活の党に山本太郎参議院議員が合流し、新たに「生活の党と山本太郎となかまたち」が結成された。2015年1月27日、小沢一郎代表と、新たに党の共同代表に就任した山本太郎代表が参議院議員会館で記者会見を行い、「安倍政権との対峙」姿勢をあらためて示した。

 IWJは、沖縄の民意に反し、強行に辺野古基地移設を進める安倍政権の姿勢について質問。自身も辺野古ゲート前で住民と共に機動隊へ抗議を行った山本氏は、80歳を越えた女性が警察官に押し倒されたにも関わらず意に介そうとしない機動隊の様子を批判し、「もっとたくさんの人達にこの沖縄の現状を知ってもらいたい。今回(生活の党に)合流したことで、この問題について話す機会がいただけたことは非常に大きなこと」と意気込んだ。

 小沢氏も、仲井眞前知事が基地移設を了承したのを逆手にとって政府は強引に進めていると指摘。「沖縄の民意は選挙で示されており、これを強行しようとしても現実としてはできない。きちんとした手続きやったほうがいい」と語った。

 また、イスラム国による邦人人質事件について問われた小沢氏は、「人命救助が最優先の当面の課題」としたうえで、「ただ、こんなことが何によってもたらされたかを考えなければならない。スラム国と戦争、敵対状態にある国にお金、物資を支援するということを公言し、アメリカを中心にした有志連合に参加すると現地で宣言したことになります。イスラム国が自分たちの敵であると認識するのは当たり前」と、安倍総理の外交姿勢を批判した。

 山本氏は、安倍政権の外交的失策やリスクマネジメントの失敗への批判を封じる同調圧力が蔓延していることについて、「これはショック・ドクトリンだ」と指摘。「自衛隊の海外派遣や集団的自衛権の問題に足を踏み入れようとしているのは明らか。人質事件が表面化してから、イギリスとの2+2(ツープラスツー)は確実に動き始めている。上げるべき声は上げていかなければならない」と語った。

 小沢氏も、「(国会において)徹底的に論争すべき。情緒論的に口を閉ざしてしまうのは政治家として無責任だ」と、強い口調で語った。

 質疑では他に、山本氏の「脱被曝」路線が合流によって緩んでしまうのではないか、との質問もあがった。会見には多くの記者が詰めかけたが、既存メディアで質問をしたのは朝日新聞一社のみだった。

■ハイライト

  • 会見者 小沢一郎代表、山本太郎代表
  • 日時 2015年1月27日(火) 16:00~
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

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【以下、@iwj_ch4による報告ツイートをリライトして掲載します】

小沢氏、山本氏のグループがひとつに

 まずは小沢氏、山本氏の挨拶から。

小沢一郎共同代表「昨日、正式に会合を持ちまして、党の役員構成を議論し、決定しました。『生活の党と山本太郎となかまたち』という名称で新しい政党を立ち上げることとなりました。

 議員は国会において、いろんな機会に発言の場を得て、自分の主張をするのが本来の役目ですが、両グループが一緒になり、できるだけ広い形で活動をしていこうという趣旨でこの政党を作ることに合意しました。

 党といっても小さな政党なので、議席数に応じた国会の発言の機会は多く与えられないのですが、山本太郎氏とともに、国会と、国民の皆さんとのつながりをいろんな形で持っていければ、人数が少なくても我々の主張を広く国民の皆さんにお話し、皆さんの意見を聞くこともできるのではないか、と考え、これから活動していくということになりました。

山本太郎共同代表「『生活の党と山本太郎となかまたち』の共同代表をさせていただくこととなりました。無所属であった私は、数の世界の政治、国会の場で一人でやれること、やれないことというのを一年半にわたって身をもって経験しました。

 一人でやっていくというのは、事実上国会で干されているのと同じなのですね。発言権がほぼない、限られている、という部分において、やはり政党という形で、そこの一員となり、発言力を高めるということで、山本太郎に託していただいた皆さんに、この国に生きる全ての皆さんに貢献していきたいと思い、二つのグループがひとつになりました」

辺野古基地移設問題「沖縄の民意は示されている」

 続いて質疑応答へ。

IWJ松井「辺野古基地移設について、山本議員は現場に行き、機動隊に排除されました。陸上、海上自衛隊による力づくの排除が続き、市民は過激派呼ばわりされています。こうしたことは許されるのでしょうか?」

山本氏「時を遡れば、グアム、テニアンで済むところを、繰り返されたという部分があります。沖縄の民意ははっきりしていますが、省庁は『さまざまなご意見がありますから』と言います。しかし、さまざまな意見を集約するのが民主的な選挙であり、沖縄の名護市長選、知事選、衆院選のすべての小選挙区で、辺野古に基地は作らせない、という民意がまさったわけですが、結果、政府側の方針は変更されず、粛々と進めると言っています。これではただの無茶苦茶な暴君です。

 ゲート前に集まる人や、カヌー隊がそれに反対する運動を展開しています。そういう人々に対して過激派という言葉は当たらないと思います。一体どちらが無茶苦茶なのか。これは、世界中が見ていることです。

 私もゲート前に行きましたが、国会議員であっても、『はいはい、邪魔、邪魔』とあしらわれてしまう状況なのです。暴力排除もありました。80歳を越えた女性が警察官に押し倒され、頭を打ちました。

 『救急車を呼べ』と言う声に対し、それを心配する現場の指揮官もおらず、救急車を呼んだのは市民側でした。機動隊の車両によって、救急車が入ってこれない状況でした。いったい誰を守るために、そのような仕事をしているのか、と憤りが生まれ、もっとたくさんの人達に、この沖縄の現状を知ってもらいたいと思います。今回合流したことで、辺野古基地問題について話す機会がいただけたことは非常に大きなことだと思います」

小沢氏「行政的には、前知事が了承したのを逆手にとって政府は強引に進めています。沖縄の民意は選挙で示されており、これを強行しようとしても現実としてはできないと思いますが、きちんとした手続きを早くやったほうがおさまるだろうと私は思っております」

定例会見は基本は山本氏、ときどき小沢氏で

フランス10「社民党と統一会派を組むという可能性はあるのでしょうか? また、小沢代表は週に一回の定例会見を行っていたが、今後、どちらかの代表が定例会見を行う可能性はあるのでしょうか?」

山本氏「今後、どのような広がりを見せていくのか、を考えていかないとなかなか難しい問題があります。現時点では考えておりません。これから話し合いをしていこうとしているところです」

小沢氏「(定例会見は)できるだけ山本氏にやっていただきたいと思っていますが、たまには私も出てこいと言われればやりたいと思います」

イスラム国による邦人人質事件、小沢氏「国際紛争は国連の平和活動を通じ協力すべき」

日刊ゲンダイ「イスラム国による人質事件に関して、安倍首相の中東歴訪と、2億ドルの支援が原因と言われていますが、民主党をはじめ、事件の解決を待たず、追及するともりはないと言っています。今後国会をどういった姿勢で臨むのでしょうか?」

小沢氏「人命救助が最優先の当面の課題。ただ、こんなことが何によってもたらされたかを考えなければなりません。国際紛争の中で、日本がどういった立ち位置に立ったか、が、将来に起こるだろう問題を考えた時に大事だろうと思います。

 イスラム国と戦争、敵対状態にある国にお金、物資を支援するということを公言し、アメリカを中心にした有志連合に参加すると現地で宣言したことになります。イスラム国が自分たちの敵であると認識するのは当たり前です。集団的自衛権とまったく同じことなので、あくまで国際紛争は、国連の平和活動を通じ協力すべきだというのが私たちの考え方です」

山本氏「これはショックドクトリンだ」政権批判の自粛迫る同調圧力を批判

山本氏「『今は心を一つにするために、安倍政権による外交的失策、リスクマネジメントの失敗、という批判をしている場合じゃないだろう』という同調圧力がありますが、これは便乗型、ショックドクトリンと言えます。

 自衛隊の海外派遣や集団的自衛権の問題に足を踏み入れようとしているのは明らかです。人質事件が表面化してから、イギリスとの2+2(ツープラスツー)は確実に動き始めています。上げるべき声は上げていかなければならないと思っています」

小沢氏「情緒論的に口を閉ざしてしまうのは政治家として無責任」

フリー・田中龍作氏「政権批判は慎むべきという自粛ムードが共産党にまで蔓延していますが、これを、国会論議を通じてどう打破していくのでしょうか? 永田町には保守層までまきこんだ市民政党がまったくないなか、これをどうやって作っていくのでしょうか?」

小沢氏「(国会論議において)徹底的に論争すべきだと思います。情緒論的に口を閉ざしてしまうのは政治家として無責任だと思います」

山本氏「どんどんタマを投げていくということ。安倍政権による外交の失策、昨年2014年夏、秋に何をやっていたのか。イスラエルとの包括的パートナーシップや、わざわざ中東まで出向き、イスラム国旗の前でテロとの闘いを宣言するというのは挑発です。

 (安倍首相は)本当に日本国の船長としてふさわしいのかどうか。私はブログの中で市民とのつながりを持っていきたいと言っていますが、政局のプロフェッショナルの小沢氏と一緒にやっていくことで、市民に政治を取り戻していきたいと思います」

政党名に個人名は問題なし、山本氏「他に問題にすることがたくさんあるのでは…」

朝日新聞「次世代の党から、会派名について個人名が入っていることを問題視する声があがっていますが、どのように対応されますでしょうか?」

山本氏「どうしてそんなことが問題になるのでしょうか。そんなことより問題にすることがこの国には山ほどあるのに。おそらく政党名に個人名が入ったことで、『その手があったか』ということの裏返しではないかなと思います。

 政党名に個人名というのは、昨年11月18日に参議院の内閣委員会において公選法86条の2において問題がないというこを確認取れています。こんな事を問題にするのは、これから勢いづきそうだな、ということに不安をもっているのかなと思います。

 そんなことを問題にするのではなく、手をつなげるところはつないで、安倍政権に対しての対峙というのを詰めていった方が良いと思うのですが。

 小沢代表に『(この政党名で)いいんじゃないか』、と言っていただいたことが、度量の深さを示しています。他の案では『一郎太郎』というのも提示したのですが、なんとこれもしっかり議論にかけていただきました。こんな柔軟な人が政治にいたんだな、と思いました」

山本氏の「脱被曝」路線は今後どうなる?

山本氏「また、生活の党は被ばく防護ということを訴えています。高線量の地域に住んでいる人に対して、避難する権利を与えるということ。生活の党には私と近いものがあると感じました。被ばく問題についても突き詰めていきたいと思います」

AntaMedia「山本議員が当選時、後押ししたのは脱原発より脱被ばく。それが他政党とつながることで緩んでしまうのではないか? 小沢氏と突き詰めていけるのか?という声がありますが」

小沢氏「生活の党は、旧来の政党では唯一明確に脱原発、脱被ばくを表明しています。山本氏の主張と一致していますので、その心配は無用です」

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