キリスト教圏とイスラム教圏の「文明の衝突」に、なぜ日本が首を突っ込むのか!?――改憲論者でありながら、安倍政権の集団的自衛権行使容認を批判する慶応義塾大学名誉教授の小林節氏へのインタビューを再配信! 2015.1.10

記事公開日:2015.1.10取材地: テキスト動画
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(岩上安身)

★小林節氏のインタビューを1月10日(土)19:30から、会員限定で再配信!会員登録はこちら

 1月7日(現地時間)、フランス・パリの風刺週刊誌「シャルリ・エブド」本社で起きた乱射事件の衝撃がおさまらない。誘発されたのか、報復なのか、フランス各地で次々と銃撃事件や爆破事件が連続している。

 2日後の8日には、フランス東部ヴィルフランシュ•シュル•ソーヌや、中部のルマンにて、いずれもモスクの内外で爆発が起きるなど、緊張感は高まる一方だ。各国メディアは軒並み「イスラム過激派」を犯行の主体として決めつけて報道しているが、現在のところ、犯行声明は出されていない。

※1月9日(金)21時35分現在、容疑者兄弟2人は立てこもり中。The teleglaphが、こちらからライブ中継を行なっている。

 実は、乱射事件の前日1月6日、イスラム国への作戦支援のため、フランスの空母「シャルル・ド・ゴール」とそれに付随する艦隊が4月にペルシャ湾に派遣されると報じられた。その直後に起きた事件だったのだ。

 イスラム国への軍事作戦を展開するものの、長期化・泥沼化は避けられそうにない。報復のテロも懸念される、そんなタイミングで起きたこの凄惨な事件は、言論の自由を脅かすテロ事件であると同時に、イスラム国やそのシンパからの報復ではないかとも疑われた。

 この事件を受けて、ただちに安倍晋三内閣総理大臣は「言論の自由、報道の自由に対するテロを断じて許さない」と事件を非難するコメントを発表した。政治の最高権力者の座にありながら、一新聞を名指して繰り返し非難し、圧力をかけ続けた人物の言葉とは思えない発言である。

 「テロには屈しないという強い決意の下に、国際社会の緊密な連携の中で取り組んでいきたい」などとも話し、テロ資金対策や過激派対策で国際連携を強化する方針を示した。集団的自衛権の対象国は米国だけではない。NATOも対象となる可能性がある。つまり、きなくさい「対テロ戦争」の最前線にのこのこ首を突っ込んでいく、ということを宣言したようなものである。

 昨年2014年、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した安倍政権には、米国に後押しされて「イスラム国」への空爆に参加・支援する欧州各国の不安や緊張や危機感が、ほとんど感じられない。

■ハイライト

集団的自衛権――キリスト教とイスラム教の、歴史を賭けた戦いへ引きずり込まれる怖れ

 キリスト教国とイスラム教国の間には、十字軍以来の血ぬられた怨恨と憎悪の歴史が横たわっている。複雑に絡み合う中東情勢に、わけもわからぬまま、米国に言われるがままに引きずり込まれた先に何が待っているのか。日本を舞台にしたテロだ、と小林節氏は断言する。

▲岩上安身のインタビューに応える小林節・慶應義塾大学名誉教授

 「今、世界で起きていることは、キリスト教とイスラム教の、歴史を賭けた恨みの戦いです。なんで神道と仏教の、第三の文明の我々が介入しなくちゃならないんですか。

 アメリカについていったら、イスラムの恨みでテロが起きます。9・11はニューヨークだった。ロンドンもあったじゃないですか。マドリードもあった。東京でも起きますよ。そんなコストを払う必要はないですよ」

 改憲論者でありながら、安倍政権による改憲草案を厳しく批判し続けている、慶応義塾大学名誉教授の小林節氏は、昨年11月28日の岩上安身のインタビューにおいて、集団的自衛権の行使によって日本がイスラムのジハーディストたちのテロにあうリスクが高まると警鐘を鳴らしていた。

 昨年2014年12月14日に行われた饗宴Vにも登壇し、現在の安全保障の脆さについて弁舌をふるった小林節氏のインタビューを1月10日(土)19:30から、会員限定で再配信します。この機会をお見逃しなく!

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