「真実にたどり着いていない者に、真実を明らかにしようとする者を批判する資格はない」
「福島原発事故・吉田調書」に関する朝日新聞報道と人権委員会(PRC)見解に対する記者会見が、11月17日、原発事故情報公開弁護団主催により開催された。
同弁護団の海渡雄一弁護士は、「朝日新聞の当初の『命令違反による撤退』とする報道の方が正確なものであって、誤報とされるようなものではなく、記事全体を取り消した朝日新聞の判断は誤りで、これを追認したPRC見解こそが誤報である」と主張した。
吉田所長の1F構内待機指示は、柏崎刈羽メモに明確に記載されていたし、15 日朝8時30分の東電本店記者会見で配布された資料にも明記されていた。
そして、東電は、この会見時には、650名の2Fへの移動の事実が判明していたにもかかわらず、この事実を明らかにせず、退避した社員は1F近くに待機していると発表していた。
650名の2Fへの移動は所長の指示命令に明らかに反しており、だからこそ、東電は記者会見においてこの事実を隠蔽したのだと考えられる。
吉田所長の1F内待機の指示の存在を認めながら、この指示があいまいなものであったかのように分析するPRC見解は、これらの客観的資料やこれと符合する吉 田調書をあえて無視し、推測にもとづいて議論を組み立てている。
事実と推測を混同しているのは吉田調書報道ではなく、このPRC見解の方である。
真実にたどり着いていない者に、真実を明らかにしようとする者を批判する資格はない。
朝日新聞社も含めて、すべてのジャーナリストには、3月15日朝の福島第一原 発の真実を明らかにするという責任が残されている。
- 原発事故情報公開弁護団 2014年11月17日 PRC 見解批判 『11.12 朝日新聞社・報道と人権委員会見解によせて』
おそらく、既存メディアでもこの問題を扱ってくれるはずですから、iwj以外のメディアでも語ってください。
これに対する反論がある場でも主張してください。言論の自由とはそういうことでしょうし。いくつか質問したいことがあります。公の場で。
もう一つ付け加えると、福島第一原発から署長の命令に反して逃げたといわれる600人にものぼる方たちの職務遵守(法律用語は避けます。論戦にのっていただきたいので)について、「違反」行為があったと訴えられたらどうしますか? リスクをある程度認識して職場に就いているはずの人たちが逃げたのです。緊急避難ですか?