【IWJブログ】被害を受けるかもしれない地元にありながら、原発再稼働の「蚊帳の外」に置かれるいちき串木野市民の思い「放射能は一定の圏内にとどまるものではない」 2014.10.28

記事公開日:2014.10.28取材地: テキスト独自
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(記事構成:IWJ・原佑介)

 九州電力・川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市に隣接し、原発から30キロ圏内に含まれるいちき串木野市。同市では、「避難計画を考える緊急署名の会」が市民を対象にした戸別訪問を行い、九州電力と鹿児島県に再稼働しないよう申し入れる署名を集め、その数は2014年6月24日時点で累計15,464筆におよんだ。

 いちき串木野市の人口が3万人弱なので、過半数の住民が再稼働に反対したことになる。

 川内原発の再稼働には「地元の同意」が必要だが、「地元」の範囲は明確に定まっておらず、伊藤祐一郎鹿児島県知事は地元の範囲について、「県と薩摩川内市で十分」との認識を繰り返し強調している。いちき串木野市議会は、同市も意見書を可決するなどしているが、知事は意向を変えていない。

 原発再稼働に口は出せないが、重大事故が起きれば「当事者」になることは確実。いちき串木野市民は、そんな立場に置かれている。IWJは、緊急署名の会のメンバーであり、今年の5月からいちき串木野市在住の高木章次氏に地元住民の思いを聞いた。

▲高木 章次氏

 以下、インタビューの模様を報告する。

避難計画の内実に多くの不安を残す川内原発の審査書

高木氏「原子力規制委員会による川内原発の審査書は、九電の方針を確認しただけのもので、避難計画の内実については多くの不安があります。大事故が発生し、避難が必要な事態になった場合、原発から30キロ圏の住民の協力がなければ、薩摩川内市民の避難も大混乱に陥ってしまいます。

 避難計画は30キロ圏内と圏外で大きく分けて議論されることが多いのですが、放射能というものは、ある一定の圏内にとどまるものではないのです。だからこそ、私たちは薩摩川内市に隣接するいちき串木野市の市民の声を集めてきました。

 川内原発の再稼働に関して言えば、私たちは、周辺自治体や周辺住民の同意なしに、薩摩川内市が単独で再稼働を求めることを危惧しています。それに、川内原発の工事計画書と保安規定の審査も、まだ終わっていません」

御嶽山噴火で改めて確認された鹿児島の火山リスク

IWJ記者「御嶽山の噴火が市民の危機意識に与えた影響はどれほどのものでしょうか」

高木氏「あの噴火以前から鹿児島では、カルデラのリスクについて議論されてきたので、あの災害報道が『ダメ押し』となりました。御嶽山の噴火を見て、鹿児島の市民は『やっぱり(危険だ)』と改めて思いました。

 噴火の前兆については、『分からない』『現在の科学の水準では把握できない』というのが火山学の専門家、学者共通の見解です。現在、桜島の噴火回数が急増していることも、振り返ってみれば『前兆だった』ということになるかもしれません」

原発関連の労働者が多い一方、県民の59%が再稼働に反対

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