舛添要一東京都知事は、18日の定例会見で、東京都に初めて飛来するオスプレイ、新国立競技場建設で取り壊される都営霞ヶ丘アパート、ヘイトスピーチ、国家戦略特区などについて、それぞれの見解を示した。
(IWJ・石川優)
舛添要一東京都知事は、18日の定例会見で、東京都に初めて飛来するオスプレイ、新国立競技場建設で取り壊される都営霞ヶ丘アパート、ヘイトスピーチ、国家戦略特区などについて、それぞれの見解を示した。
記事目次
■ハイライト
国連の人権委員会は7月15、16日に日本を審査し、各地で人種差別的な街宣活動が行なわれていることに対して、日本政府に対応をうながす意見があがった。
京都の朝鮮人学校に対するヘイトスピーチについては、裁判で賠償命令も出されている。大阪市の橋下徹市長も、大阪市として対応を検討すると表明している。
このヘイトスピーチについて、舛添知事はどう考えているのか。東京では、2020年に東京五輪を控えており、この問題にどう対処していくのか、世界の注目も集まる。
舛添知事は、過去、厚生労働大臣時代に社会保険庁の年金着服問題が発覚した際、「社会保険庁より市町村の方が信用ならない」などと発言し、首長らから大反発を受けた。また、知事就任会見でも、過去に女性蔑視的な発言をしていたことについて、問いただされている。過去に幾多の問題発言をしていた舛添知事だが、この日の会見ではそれらの発言を一転。人権擁護の持論を披露した。
舛添知事は、「ヘイトスピーチというのは好ましくないと思っております。多様な価値観を認めるというのが、民主主義の基本。それを否定するようなことは止めるべき」だと述べ、「根本的に人権に対する挑戦。人権啓発キャンペーンのようなところで徹底的に、そういうことは止めるべきであるということを言いたい」と、ヘイトスピーチに断固とした態度で対応すると語った。
ヘイトスピーチをする都民に対して、舛添知事は「歴史に名の残る世界一の祭典、2020年の大会にできるのですかと。そのようなことをやっていて、東京は世界一の街と言えるのですかと。恥ずかしいと思ってもらわないといけない」と主張。ヘイトスピーチ撲滅に向けて、都民に対し次のようにアピールした。
「人権も守れないような東京で、他の国の人、他の民族に対して、それだけ汚い言葉をかけるような東京で、それはオリンピック・パラリンピックなんて胸張ってやれませんよ。ですから、こういうのは東京都民が私と同じ気持ちになっていただいて、そういうことは許さないのだと、そういう思いを持っていただきたいと思います」
7月15日、神奈川県の厚木基地にオスプレイが初めて飛来した。関東では初めて飛来したことになる。同月19日には、オスプレイが東京の横田基地に着陸する。
舛添知事は、7月10日にオスプレイの横田基地飛来に関するコメントを発表し、国に対して、地元住民への丁寧な説明を求めた。
この件について、舛添知事は会見で「基本的に安全保障は国の専管事項ですから、そのことについて、今の政府にとやかく言うことはありません」と発言を避け、「基本的な説明はあったと思いますけども、もう一歩踏み込んだ形で丁寧にやってもらうと、なお地元の住民の皆さんも安心すると思っています」などと述べて、国の責任を強調した。
新国立競技場の建設にともない、都営霞ヶ丘アパートの取り壊しが問題となっている。先月6月には日本スポーツ振興センター(JSC)による住民説明会が開催されたが、地元住民からは、十分な説明に欠き、JSC側には住民の意見を丁寧に聞き取る姿勢がなかったとの声が上がっている。
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