日本は移民を受け入れる環境が整っているだろうか。
7月17日、谷垣禎一法務大臣が外国特派員協会で会見し、日本の移民政策などについて説明した。
(IWJ・原佑介)
日本は移民を受け入れる環境が整っているだろうか。
7月17日、谷垣禎一法務大臣が外国特派員協会で会見し、日本の移民政策などについて説明した。
■ハイライト
2013年の1年間で日本に入国した外国人の数は1125万人で、初めて1000万人を上回ったという。さらなる観光立国化を推進するため、全閣僚が名を連ねる「観光立国推進閣僚会議」は、2020年に2000万人の外国人旅行者招致を目標に掲げている。
そのためにも日本ブランドの作り上げと発信、ビザ要件の緩和等による訪日旅行の促進、外国人旅行者の受け入れの改善、国際会議などMICEと呼ばれるMeeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、ConventionまたはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の誘致や投資の促進を進める。
「入国審査の手続き待ちの時間短縮を目標にしている」という谷垣大臣は、自動化ゲートを取り入れ、出入国審査の円滑化を図る、とした。さらに「好印象を持ってもらうため、入国審査官にも『おもてなし』の気持ちを大切にしてもらい、ホスピタリティの向上に努めていく」と述べた。
また、谷垣大臣は、日本の活性化、国際化促進のため、高い専門技能などを有する外国人「高度人材」の獲得にも意欲を示す。本来、在留歴10年以上の外国人にしか出ない永住許可を5年に短縮することや、高度人材の家事使用人や親の同行を認めるなど、優遇措置を設けると明かした。
質疑では、シンガポールの外国人記者が「移民は日本にとって大事だが、移民政策をしようとしても、日本にはヘイトスピーチ問題がある。この法的規制についてどう考えているか」と質問した。
谷垣大臣は、「ヘイトスピーチは大変恥ずかしいことだと思っている」と述べ、「もちろんこういったことは良くない。様々な啓発活動をすることは大事。政治家も発言していく必要がある」と回答した。
さらに谷垣大臣は、京都朝鮮学校へのヘイトスピーチ裁判にも言及した。「在日特権を許さない市民の会(在特会)」のメンバーらが、2009年に京都朝鮮第一初級学校の前で繰り広げたヘイトスピーチに対し、朝鮮学校側が名誉毀損にあたるとして損害賠償を求めた裁判だ。
(…会員ページにつづく)
シンガポール記者「日本にはヘイトスピーチ問題がある」との質問
大臣は「大変恥ずかしいこと」とおっしゃるが谷垣氏のように紳士的な人たちだけではないのが現状