6月18日に東京都議会で、塩村文夏議員に対して複数のセクハラやじが飛ばされ問題となっている。これを受けて、6月25日に都議会で「都議会の信頼回復に関する決議」が採択され都議会は閉会となったが、この問題はまだ終わったわけではない。7月7日、「都議会・性差別やじ問題の幕引きを許さない緊急集会」が開催され、この問題についてさまざまな意見が出された。
(取材:IWJ・松井信篤、記事:IWJ・ゆさこうこ)
6月18日に東京都議会で、塩村文夏議員に対して複数のセクハラやじが飛ばされ問題となっている。これを受けて、6月25日に都議会で「都議会の信頼回復に関する決議」が採択され都議会は閉会となったが、この問題はまだ終わったわけではない。7月7日、「都議会・性差別やじ問題の幕引きを許さない緊急集会」が開催され、この問題についてさまざまな意見が出された。
■ハイライト
東京都議の西崎光子氏や八王子市議の陣内やすこ氏は、この問題が、単なるセクハラの問題ではなく、人権の問題であることを強調した。陣内氏は、妊娠や出産という個人的な事柄に関して公の場所で発言したことはセクハラの定義に当てはまるとした上で、「いつ、どのようなパートナーと、どのように子供を産むのか、あるいは産まないのか」ということは個々の女性が決める問題であり、人権の問題に関わってくると述べた。また、西崎氏も同様に、このセクハラやじが「人権侵害」にあたるとの認識を示した。
さらに、こうしたやじは、女性の政治参画を阻むものであるとの見方も示された。関東学院大学教授の細谷実氏は、「女性一般に対する政治的攻撃であり、女性の社会進出を拒むもの」であると述べ、こうしたセクハラやじは「ヘイトスピーチと共通性がある」と指摘した。
弁護士の中野麻美氏は、「妊娠や出産は人間の尊厳にかかわる問題」であり、セクハラやじが「人の行動の自由、心の持ち方、何を考えるのかなどの自由を奪ってしまう」、「持てる力を発揮できなくなってしまう」とし、自由な発言が求められる都議会においてこのような発言がなされたことは、民主主義の基盤を崩してしまうものとして受け止められると訴えた。
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