現在、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書が順次発表されている。IPCCが1990年に最初にまとめた報告書は、「人為起源の温室効果ガスがこのまま大気中に排出され続ければ、生態系や人類に重大な影響をおよぼす気候変化が生じるおそれがある」と警告し、CO2の増加による地球温暖化に対して警鐘を鳴らしてきた。
世界的な「常識」として定着しつつあるこの「地球温暖化」について、「地球は寒冷化している」と異議を唱えるのが、名古屋大学名誉教授で地球環境科学が専門の小川克郎氏である。6月14日、小川氏が居を構える八ヶ岳で、岩上安身がロングインタビューを行った。
気候変動に寄与しているのはCO2だけではない
小川氏は1900年から2011年における世界の気温の変化を4期に区分し、2002年からの第4期は気温が下がっていると証言する。その間もCO2は上昇しているにも関わらず、である。そのことから小川氏は、CO2と気候変動との間に相関関係を見出すのは難しい、と主張する。
CO2以外に、地球の気候変動に寄与しているのが、太陽の存在だ。小川氏によれば、CO2と太陽の気候変動に対する「寄与率」はともに0.5であり、CO2のみを気候変動の原因とみなすIPCCの報告書は誤りであるという。
「Global Warming(地球温暖化)派は、地球温暖化はCo2だけが関係あると思っています。他方、Anti-Global Warming派は、地球温暖化とCo2は関係ないと思っている。0か100になってしまっています。サイエンスとして、それではあまりに不毛です
原理的には、地球の過去の歴史を見る限り、Co2が地球の気温を変えたというのはあまりないと思います。地球の気温の上昇は、太陽とCO2、両者の兼ね合いである、ということです。0か100じゃないんですね。0か100かは科学ではありません」
「原子力はもはや主役になれない」
IWJはこれまで、『原発依存と地球温暖化論の策略』の著者で九州国際大学の中野洋一教授や横浜国立大学の伊藤公紀教授らへの取材を通じ、「地球温暖化」という言説には科学的見地から大いに疑問の余地があり、原発を推進するために政治的に流布されたものである可能性を指摘してきた。
かつて通産省に務めた経歴を持つ小川氏は、「内部事情がよく分かっています」と前置きをしたうえで、「原発をやめることは(政治的に)容易なことではありません」と指摘。これからの日本のエネルギー政策の展望について、「石油の埋蔵量も2011年をピークに減っており、原子力も主役にはなれない以上、省エネも含め、地球環境とエネルギーの問題を根本的に考えなおす必要があるでしょう」と語った。
温暖化、資源外交、エネルギー政策、全て繋がってます。これは聴くべし。
第2部の45分あたりからのお話で、
石油やガスの値段を釣り上げれば米国のシェールガスの採算性が向上する件についてですが、
ウクライナの紛争も米国がEUにシェールガスを売りつけるのが目的というお話も聞きますし、
現在の中東の紛争が長引けば、石油やガスの値段が上がっていきます。
米国のシェールガスの採算性のために、日本が中東に武器を輸出するのならば、
それこそ集団的自衛権のマジックみたいに思えてくるのですが。
「地球は寒冷化している」 地球環境の変化とエネルギー政策の展望について聞く~岩上安身による名古屋大学名誉教授・小川克郎氏インタビュー https://iwj.co.jp/wj/open/archives/146579 … @iwakamiyasumi
温暖化論者も、寒冷化論者にも立ち止まって考えてほしい好インタビュー。
https://twitter.com/55kurosuke/status/956100841244540928