理研調査委、小保方晴子氏の不正認定を確定 再調査はせず 2014.5.8

記事公開日:2014.5.10取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 理化学研究所はSTAP細胞論文の問題で、小保方晴子ユニットリーダー側が申し立てた再調査をしないことを、2014年5月8日、東京都内で開いた記者会見で正式に発表した。

 これにより、4月1日に理研が示した「小保方氏に改ざんと捏造があった」とする最終結論が確定。理研は小保方氏に対し、論文取り下げの勧告を行った。

 論文不正の最大の焦点は、STAP細胞の万能性を示す、論文で核となる画像が、別の実験の画像だったこと。会見で、「改めて再調査を行う必要はないと考えた」と断言した調査委員長の渡部惇氏(弁護士)は、「論文に書かれている実験条件の下で得られたデータであるかどうかで、捏造の有無を判断した」とし、小保方氏らの論文に捏造があったことは明らかだとした。調査委は、論文では「生後1週のマウスの脾臓細胞に酸で処理した」としているにもかかわらず、掲載された画像は、生後3週~4週齢のマウスの骨髄細胞に機械的なストレスを与えている点を問題視している。

記事目次

■ハイライト

  • 出席 渡部惇委員長、川合眞紀理事(研究担当)、米倉実理事(コンプライアンス担当)、他全委員
  • 日時 2014年5月8日(木)
  • 場所 KFC Hall&Rooms 国際ファッションセンター(東京都墨田区)

 渡部委員長は冒頭で、「悪意」の意味について、「故意と同じ理解である」と述べた。

 理研の規定では、「悪意のない間違いは不正ではない」とされている。悪意という言葉を巡る解釈の違いが、理研と小保方氏の間に対立を生んでいるふしがあり、小保方氏は、不正と認定された画像の不備は「過失であって不正ではない」と主張している。渡部委員長は「(理研が定める悪意とは)国語辞典などに掲載されている法律用語としての『知っていること』の意味である」と強調し、小保方氏の反論を退けた理由の説明に移った。

小保方氏、「正しいデータの提示法を認識していたはず」

 まず、改ざん(2つの実験データの切り貼り)について。小保方氏は「画像調整して見やすくしたことが、結果に与えた影響はない」と主張しているが、渡部委員長はこれを、「目視で配置換えなどを行ったことにより、画像は真正なものではなくなった」と一蹴。その上で、今回の審査の過程で、これまで埋もれていた「事実」を探り当てたことを明らかにした。

 小保方氏らが、2012年4月にも『ネイチャー』誌に論文を投稿し、掲載を拒否されたことはすでに報じられているが、同じ年の7月に、新たな画像データを加えた類似論文を、『サイエンス』誌に投稿している。その折に、『サイエンス』誌側から、「画像を切り貼りした場合は、両側に線を引くなどして区別すること」などが求められていたのである(同論文は掲載されず)。

 渡部委員長は「小保方氏は、その時点で(切り貼りを行う際の)正しいデータの提示法を認識していたはず」と指摘。調査委は、小保方氏の「『サイエンス』誌からのコメントには、まったく目を通していなかった」などの説明は合理性を欠くとしており、渡部委員長は、調査委からの『サイエンス』誌論文の提出要請に、小保方氏が従わなかった旨を伝えた。「調査委はこれを、小保方氏が自ら、弁明の機会を放棄したものと理解した」。

 記者が「不服申し立て後にヒアリングが行われなかったのは、小保方氏側に原因があるということか」と尋ねると、渡部委員長は「弁明の機会は十分に与えられたものと考えている」と応じた。

実験ノートの追加提出なし

 違う実験条件で得られた画像を使ったことを、理研が捏造と認定したことに対し、小保方氏が「存在しないデータや研究結果を作り上げたものではない」と訴えていることについて、渡部委員長は「(小保方氏のずさんなデータ管理の下では)データ誤使用の危険性があることは明白であり、論文への掲載の際には画像1枚ずつの入念な確認が求められる。それをやらなかったことには『悪意』が認められる」とし、小保方氏が、STAP細胞が存在することの証拠だとした実験ノートからは、小保方氏が真正と主張するデータを確認できなかった、と強調した。

 実験ノートについては、日付の無記述が多いとし、渡部委員長は内容の記述分量に関しても、「4ページ進むのに、6月から翌年2月という時間が経過している」と、その圧倒的な記述の少なさを批判した。

 さらに渡部委員長は、「4月9日の会見で、小保方氏が『調査委に出した2冊以外にも実験ノートが存在する』と表明したことを受け、調査委は小保方氏に当該する実験ノートの提出を求めたが、ノートの追加提出は一切なかった」とし、小保方氏から、調査委の最終報告を覆すための新証拠は示されなかったことを報告。渡部委員長は、小保方氏は『ネイチャー』誌のみならず、『サイエンス』誌などへの投稿でも、今回、捏造にあたるとされたものと同じ画像を使っており、画像の出自を確認できるチャンスが2度以上あった点にも言及した。

記者の追及、渡部委員長が遮る

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