理研の笹井副センター長が会見。3つの根拠示し「STAPある」 ~謝罪は役割範囲強調で「責任論」への言及少なく 2014.4.16

記事公開日:2014.4.16取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 STAP(スタップ)細胞論文の不正問題で、最後のキーパーソンと言われている共同著者の1人、理化学研究所の笹井芳樹副センター長が、4月16日、都内で記者会見を開いた。1月末に発表された論文に疑惑が生じてから、笹井氏が報道陣を前にするのは、これが初。記者会見が遅れた理由については、「理研の調査委員会に協力していたため、4月に入るまで許可が出なかった」と弁明した。

 笹井氏は、万能細胞(胚性幹細胞(ES細胞))研究の第1人者として世界的に有名。STAP細胞研究では、論文の執筆で小保方晴子氏(理研ユニットリーダー)を支援した。先般の理研調査委の最終報告では、「研究不正行為はなかったが、データの正当性と正確性などについて、自ら確認することなく論文投稿に至っており、その責任は重大である」との認定が下されている。

記事目次

■ハイライト

  • 会見者 笹井芳樹氏(発生・再生科学総合研究センター副センター長)、加賀屋悟氏(広報室長)
  • 日時 2014年4月16日(水) 15:00~
  • 場所 ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区)

 会見は謝罪で始まった。「私が参加したSTAP研究の論文では、混乱と齟齬により、多くの心配や疑惑を招く事態となり、心からおわび申し上げる」。深々と頭を下げた笹井氏は「論文に関しては、調査委員会によって2つの不正行為があったと判断された。このことは、この論文の共著者としては、心痛の極みだ」とも述べた。

 さらには、「日本の科学全体への(海外からの)信頼を損ねる結果になりかねない状況になっている」と事態の重大さを認める発言をし、重ねて低頭した。

 会見で笹井氏が強調したのは、論文作成での自身の役割だった。論文投稿までには、1. 着想・企画、2. 実験の実施、3. データの解析と図表の作成、4. 論文の文章の書き上げ――の4段階があるとし、通常の研究では、この4段階が同一の研究室内で行われることになるが、STAP細胞研究では構成が複雑だったと指摘した。

 「第1段階は、ハーバード大と若山照彦研究室が担当した。第2段階の実験の実施のほとんどは若山研で、これは論文中の80実験パネルのうちの75が、小保方さんと若山さんを中心に行われた。第3段階も若山研で、小保方さんが担当した」。

 笹井氏は第4段階、つまり、論文の書き上げの段階で参加したとのこと。問題となったアーティクル論文は、笹井氏が参加する前に、小保方氏と若山氏により一度書き上げられており、2012年春にネイチャー誌に投稿されている。だが、それは辛らつな評価を受けて却下されている。

不正を見抜けなかった理由

 「私の今回の役割は、(再投稿のための)論文文章の書き直しでの協力だった。論文の筋立てに沿って、複数の図表を組み合わせる作業でも協力した」。そして、「論文再投稿までの2年間のうち、最後の2ヵ月強の段階で加わった」と続けた上で、「どうして、私が論文の過誤を見抜けなかったか、という疑問にこれから答える」と宣言した。 

 笹井氏はまず、「私は第4段階からの参加であったため、すでに多くのデータは、実験ごとに図表になっていた。したがって、不正の認定が下された2つの画像については、時期的に生データや研究ノートに触れる機会がなかった」と釈明。小保方氏については、「あくまでも独立した研究室のリーダーであり、私の直属の部下ではなかったため、私が大学院生を指導する時のように『ノートを見せなさい』と求めることはできなかった」と語った。同じく共著者である若山氏(山梨大)の、小保方氏への指導力を信頼していたとする発言も聞かれた。

 小保方氏の実験ノートの少なさや、記述のずさんさに関する指摘については、「最近は、ノートはメモ程度にし、データはパソコンに入れて検索すればいい、という考え方の研究者もいる」とし、「ノートの冊数と実際の実験量の間に、因果関係を見い出すのは難しいと思う」と語った。それに対し、記者から「自身の基準に照らした場合はどうなのか」と突っ込まれると、「(私は部下の若手研究者に対し)3年後の自分に向かって書け、と指導している。私の研究室であったなら、もっと冊数が増えていた」と応えた。

小保方氏、高い集中力とずさんさが同居

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