「悪意を持って論文を仕上げた訳ではない」
小保方氏「このたびはSTAP細胞に関する論文にたくさんの疑義が生じてしまい、多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。深く反省しています。誠に申し訳ございませんでした。
データをまとめて執筆していく作業は私の能力を超えていたかもしれませんが、全力に取り組んできました。それでも私は、STAP細胞がいつか誰かの役に立つと信じ研究を続けてきました。私は決して悪意を持って論文を仕上げた訳ではありません。
調査委員会の調査結果では、事実関係を把握しないまま『不正』と判定されてしまいました。そこで昨日不服申し立てをしました。STAP現象は何度も確認されている事実です。この現象が多くの人の役に立つ日を夢見て研究を続けてきました。
室谷弁護士「不服申し立てのポイントについて。レーン3の挿入について。研究の結果がないのにあったかのようにするのが改竄であり研究不正。しかし本件では、実験結果を示す画像が存在しています。レーン3の挿入は研究不正ではなく、掲載方法の問題にすぎません。
『見やすくする』というのは、『Nature』の誌面の関係上、小さくする必要もありました。要するに、レーン3の挿入は、結果の偽装に向けられたものではないので、不正ではありません。
ゲル2について。小保方さんの証言に従い、高さを80%縮小して2度回転してトリミングすると、Figure1iになってズレが生じません。調査委員会が小保方さんに十分に聞き取りをせず、小保方さんが誤っていると判断したと考えます。
『捏造』という言葉の意味について。理研の規定には『存在しないものを存在するように作りあげる』となっています。しかし本件では、存在しない画像を作出はしていません。したがって、捏造ではありません。
小保方さんは自ら画像の申告もしていますし、3月9日には『Nature』に訂正論文も提出しています。したがってこれは、論文の手続き上のミスであって、捏造ではありません。
理研の最終調査報告書では、学位論文から画像を切り貼りしたということが、推論で言われている。しかし実際は、ミーティングのパワーポイント資料で使用された画像を用いたものです。比較すると、文字の色も位置関係も同一です。
このパワーポイントは、ラボミーティングで使用されたものです。いくつもあるパワーポイントのうちのどのパワーポイントから抽出されたのかということは、小保方さんも記憶が定かではありません。いずれにしろ、調査委員会が言うように学位論文からのものではありません。
調査委員会の言い分は『間違うはずがないから間違うはずがない』から捏造だ、というもの。これは合理的な論法ではありません。調査委員会の調査は不十分で、正確な判断をしてほしいと考えています」
「自己流」に反省の弁
毎日新聞「パワーポイントのテラトーマ画像をいつの段階から取り違いをしたのか」
小保方氏「2011年のラボミーティングでのパワーポイントでは、何由来のものか記載がありません。テラトーマの画像は若山研で確認し、実験ノートにも記載しました」
毎日新聞「論文を作成する際、なぜパワーポイントから持ってきたのか」
小保方氏「そこは本当に申し訳ございませんとしか言えません……。そこで元データをたどっていれば、こういうことにはならなかったと反省しています」
NHK「画像の取り違いについて悪意がないことは分かりますが、見栄えをよくして切り貼りをすることは科学的には許されないのでは」
小保方氏「自己流でやってしまったことは反省しています。私の不勉強で申し訳ないとしかいえません。
NHK「科学コミュニティーの中で疑念を起こさせるようなものであったという認識はあるか」
小保方氏「結果は変わるものではないし、結果が正しく示されているので問題はないと考えていました」
NHK「学位論文とよく似た画像の使用について、笹井氏に御自身から申し出たのは確かか」
小保方「取り違えに気づいた時点で申し出た」
取り違いに気づいたのは2月18日
IWJ岩上安身(以下、岩上)「今の質問に関係があることですが、まず、画像の取り違いについて自己申告したとご主張されています。つまり、調査委員会が指摘するより早い段階で気づかれていた。気づかれた日付はいつでしょうか。外部の指摘より早く気づいたというのは、御自身の不正への疑いを晴らす重要なポイントですが、御自身が気づいたのはいつでしょうか。立証できるようなものを含めて、ご説明いただけるでしょうか。
それから、ご主張では『学位論文からの写真ではない』とおっしゃっていますよね。したがって、理研が『学位論文から切り貼りしているという申告がないから疑わしい』としているのは、その根拠を失うと思うのですが、この点について合わせて見解をお聞かせ願えますか」
小保方氏「まず、写真の取り違いについて気づいたのは2月18日だと記憶しています。もし間違っていたら申し訳ありません。それで、その時に申告したという証拠ですが、その日のうちに『Nature』のエディターの方にメールを、問い合わせという形で送っております」
岩上「外部からの指摘ではなく、ご自身で気づいたということについて、何か証拠立てられることはできますか」
小保方「証拠……」
岩上「わかりました。それでは、さきほどから争点になっている、『学位論文から取ってきたという申告がないから駄目なんだ』というロジックを理研の報告書は組み立ててきているわけですが、これは小保方さんのお話と真っ向から食い違う。この点について教えてください。調査委員会から聞き取りと受けているときに、そのことをご自身から話さなかった理由を、やりとりの模様を含めてご説明願えればと思います」
小保方「はい。まず、取り違いに気づいた段階で、……すいません、少し頭を整理してから、いいですか」
岩上「どうぞ」
小保方「まず、すべてのデータのプロパティといいますか、載せたデータにこれ以上の間違いがないか、という点をすべてチェックいたしました。その段階で、テラトーマの写真の生データがなかなか見つからなかったんです、実は。写真をそのまま載せてしまっていたので、なかなか見つからなくて。ものすごく古いデータまで溯っていったら、それは学生時代に撮った写真である、ということに気づきました。
そのために、博士論文の方のデータを調べたら、それにも載っていたので、まず、早稲田大学の先生に、『学位論文のデータを投稿論文に用いることは間違ったことでない』という確認をとりました。
その段階で理研の上司にも『大変な取り違えをしてしまいました』と報告しました。すると『間違っているのは「Nature」の方なのですぐに修正依頼を出さなくてはならない』と指示を頂きました。そして、『Nature』の方にその後すぐ、『写真を取り違えてしまいました、正しい写真は存在していて、これです』と問い合わせを出しました。
その後、調査委員会にも、『間違いを発見しました』という風に言ったんですけど、当時、私の認識では、学位論文というのは私個人の作品であって、外部に発表するための、いわゆる投稿論文ではないので、それについて調査委員会にそこまで報告する必要が……あの、ないと判断したというよりは、そこまで、正直、もう気が回らなかったというのが正直なところです」
岩上「意図を持ってその点について触れなかった、ということはないということですね」
小保方「はい、そうです。そのようなことはありません」
STAP細胞は「200回以上、作成に成功」
ニコニコ七尾「STAP細胞の作成のコツは。公開実験はするか」
小保方氏「私はこれまで200回以上、作成に成功しています。これから最適条件を示せるように研究を継続していきたいと思います。研究室は毎日が公開実験のようなものです」
テレビ朝日「若山さんについて。違う系統のマウスだったのはなぜか」
小保方氏「それは論文とは違う実験のマウスのはずです。その実験について若山さんとお話していないので分かりかねます」
テレビ朝日「実験ノートが2冊であったことについて」
小保方氏「ノートはもっと存在します。ただ、理化学研究所に提出したノートが2冊だったということです」
TBS「実験ノートが杜撰だとされているが」
小保方氏「私からすれば、十分トレースできるレベルだと思います。ノートの提出は突然求められたので、その場で持っていたのが2冊だったということです。他にも提出できるノートはたくさんあります」
月刊ザ・リバティ「STAP細胞が存在するのかどうかという議論をすべきではないか。今後、理研の再現実験に参加したいかどうか」
小保方氏「私はSTAPの研究を前に進めたいと思っています。しかし、研究内容以外のことに注目が集まってしまいました。
再現実験に再現するかどうかは、理研から何の連絡もありません。未熟な私にもし研究者としての今後があるのでしたら、STAP細胞が誰かの役に立つことを夢見て、今後も研究を続けたいと思っています」
関西テレビ「調査委員会から捏造と認定された時の率直な感想は」
小保方氏「あまりのショックで何も考えられませんでした。弁護士の先生がご一緒してくれて、研究が正しいのであれば不服申し立てをすればよいとアドバイスしていただきました」
関西テレビ「若山教授について」
小保方氏「私のメールも電話もパンクしている状況で、共著者間の連絡ができなくなってしまいました。画像の取り違えについては3月10日の前に若山さんに伝わっていると思いました」
TBS「実験が200回以上も成功しているなら、いったん論文を撤回して、よりよい論文を書くのではどうか」
小保方氏「論文の撤回は、この実験が間違いであることを著者が世界に発信することになってしまいます」
朝日新聞「ノートは計何冊あって写真はどれくらいあるか」
小保方氏「写真は本当にたくさん、何百枚はあります。ノートはハーバードにもあって、4、5冊はあると思います」
フリー・井上記者「理研は小保方さんが論文の撤回に同意したと言っているが」
小保方氏「理研からは撤回を視野に入れて検討したらどうか、と言われてそれには同意しましたが、撤回自体には同意しておりません」
共同通信「早稲田大学への博士論文は取り下げるのか」
小保方氏「博士は指導されて授与されるもので、授与された立場の人間が取り下げを申請するものではない、とアドバイスをしていただきました」
記者「割烹着を着ていることに注目が集まったことについて」
小保方氏「皆さん、面白いところに注目するな、と。正直、恐ろしかったです」
日刊スポーツ「割烹着やピンク色の部屋について、理研が用意したとの報道もあるが」
小保方氏「割烹着は3年前くらいから使用していました。壁をピンクにしたのは、ユニットリーダーに着任したときだと記憶しています」
日本テレビ「画像の切り貼りについて、笹井さん、若山さんへの相談は」
小保方氏「報告はしていません。すべて自分の判断でやりました」
「STAP細胞はあります!」
フジテレビ「STAP細胞の有無について」
小保方氏「STAP細胞はあります!コツやある種のレシピのようなものがあるんですが、それは発表していければいいなと思います」
ビデオニュース・神保「発見につながった独自の方法を振り返ってみて」
小保方氏「未熟な点や不勉強な点は多々ありましたが、独自にSTAP細胞にたどりついたという思いはあります。しかし、それは謙虚さにかけるのではという考えもあります」
フジテレビ「『トカゲの尻尾切り』となっている状況について」
小保方氏「私自身が写真を取り違えました。他の方のことについてコメントする立場にはないと思います。私の力不足だったと思います」
日本テレビ「当初、STAP細胞はiPS細胞に比べて優位性があるとされましたが」
小保方氏「iPSとの比較については、私の考えと理研の考えに開きがあったと思います。私自身は広報活動に参加できる立場にはありませんでした」
記者「理研が特定研究開発法人の認可のためにSTAP細胞を急いだのではないか」
小保方氏「投稿論文はいつ受理されるか分からないものです。理研内ではそういった雰囲気はなかったと思います」
日経BP「立証責任は小保方さんにあるのでは。これでアカデミアを説得できると考えているのか」
室谷弁護士「わずか1週間で準備したので、これからさらに調べていって、より強い証拠を出せるようにしていきたいと思います」
朝日新聞「STAP細胞ではなくES細胞が混入していたのではないか、という指摘があるが」
小保方氏「研究室内ではES細胞の培養は行っていない環境を確保していたので、混入することはありません」
NHK「真正な画像がある、とのことだが、その根拠は」
小保方氏「画像については調査委員会にも報告しています。それを第三者的な観点から検証することについて、弁護士の先生と相談しながら進めていきたいと思います」
時事通信「理研にはどういう対応を期待するか」
小保方氏「もう少し弁明の機会を与えていただけたらと思います。体調が思わしくないなかでの調査となってしまいましたので」
STAP細胞「再現できる」
フジテレビ「第三者が再現実験に成功するでしょうか」
小保方氏「必ず再現できると思っています。細かなコツをクリアすれば大丈夫だと思います。今は研究室に行けない状態ですが、協力できる状況になればいいなと思います」
TBS「STAP細胞の作製に200回成功したということだが、誰が立ち会ったのか」
小保方氏「個人名は出せませんが、これまで私が所属した研究室の方は、比較的多く実験の成功を見ていると思います」
記者「世界中で再現実験が行われていないなかで、そのコツを公開しないのはなぜか。世界に向けて詳細なプロトコルを発表したらどうか」
小保方氏「『Nature』への訂正原稿を優先しなければならなかったし、体調もままならなかったのでできませんでした」
記者「理研に裏切られたという気持ちはあるか」
小保方氏「そのような気持ちは持つべきではないと思っています」
NHK「4、5冊ノートがあるとのことだが、どこに保管しているのか」
小保方氏「いくつかの研究室に分けて保管しています。調査委員会からもう少し詳しく聞いていただければ、それは詳しくお伝えしていました」
弁護士ドットコム・亀松「不服申し立ての手続きについて。理研の規定には、同じ委員が調査することになると思うが」
小保方氏「一度出た判断が同じ方によって覆ることは難しいと思います。外部の方にお願いしたいと考えています」
「未熟な研究者」という断罪 「肝に銘じていきたい」
朝日新聞「野依理事長が『未熟な研究者』と言ったが」
小保方氏「重く受け止め、肝に銘じていきたいと思います。私にこの先も研究者としての道があるならば、難病患者の方で期待をもたれている方のためになりたいと思います」
大阪スポーツ「笹井さんと不適切な関係にあるのではなどと報じられているが」
小保方氏「そういうことはありません。そういう報道が出たことに、非常に戸惑っています」
読売テレビ「『大きな力が働いている』というコメントが報じられているが」
小保方氏「あまりに予期しない出来事が続いて、記者の方に突然囲まれたということもあり、そういうコメントになったのだと思います」