特定秘密保護法 民主対案 大畠幹事長「情報を検証できる仕組みが必要」 修正協議は「状況を見定める」 2013.11.21

記事公開日:2013.11.21取材地: テキスト動画
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(IWJ 安斎さや香)

 「現状の秘密保護法案であれば、評価するものではない。とても賛成するという状況にはない。大欠陥法案である」

 政府与党が成立を目指し、みんなの党、日本維新の会とも修正合意した特定秘密保護法案に関して、民主党は政府与党案の問題点を5つにまとめた対案として、「公文書管理法改正案」、「情報公開法改正案」、「特別安全保障秘密適正管理法案」、「情報適正管理委員会設置法」、「国会法改正案」といった関連5法案を策定。民主党の大畠章宏幹事長は21日の記者会見で、「過去の情報を後々検証できるようなしくみにしておくことが必要だ」と述べ、現状の政府与党案については「情報を秘密にしたまま自由に廃棄できる、闇から闇へ葬り去ってしまうようなことができる法案だ」と切り捨てた。

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  • 日時 2013年11月21日(木)

 民主党案のポイントは以下の通り。

  1. どこまでを秘密とするかの基準を指定し、国会に調査・勧告する第三者委員会の設置
  2. 違法行為や政府の過失の隠蔽は秘密指定を禁止とする規定
  3. 30年後に秘密の公開を原則とした指定解除ルールの明確化
  4. 処罰は漏洩側のみとする取得者処罰事項の削除
  5. 罰則を5年以下の懲役とする罰則の軽減

 その他、民主党案には、知る権利を法目的として明確化することや、閣議・閣僚会議・NSCの議事録作成の義務づけ、行政文書の廃棄ルールをガイドラインで定め、手続きを厳格化すること、訴訟でのインカメラ審理の導入、両院議長・副議長が必要と認めた場合に、行政機関の長に情報提供を命じることのできる権限の付与などの規定を盛り込み、衆議院に提出したと報告があった。

民主党が与党との修正協議に応じる可能性

 IWJは特定秘密保護法に関し、民主党がみんなの党・維新の会のように修正合意で妥協することなく、反対の姿勢を貫くのか否かについて質問。大畠幹事長は「政府与党案の骨格をみる限り、国民の知る権利、報道の自由は担保できないのではないか」との認識を示した上で、「民主党の5法案を成立させるために現場で交渉している。(委員会での審議の)状況を見定めて、党としての対応を決めたい」と述べた。廃案に持ち込む可能性については、「(民主党は)法案の部分修正ではなく、対案を出した。(法案の)骨格から考える必要がある。大欠陥法案であることは間違いない」としながらも、「今後の委員会での審議の経過をみていきたい」と慎重な姿勢を示した。

■全編動画

一票の格差問題「0増5減では不十分」

 一票の格差問題について20日、最高裁が昨年12月の衆院選を「違憲状態」と判決したことを受け、大畠幹事長は、「0増5減では不十分。一人別枠の構造的な問題は最終的に解決されているとは言えず、国会においては今後も選挙制度の整備に向けた取り組みが着実に続けられていく必要がある」と、民主党としての認識を明らかにした。さらに、党として「一票の価値の平等は、国民の基本的人権の基本であることから、この判決を重く受け止め、当時の自民党安倍総裁を含む党首間の約束である定数削減を含め、格差是正の早期実現に向けて取り組んでいきたい」との方針も表明した。

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