「神宮球場は日本野球の歴史を感じられる場所であり、それを破壊することは日本野球のアイデンティティを失うこと。この再開発は野球ファンのためではなく、お金のための開発です」~11.5 神宮外苑再開発の根本的見直しと神宮球場の保存を求める要望書を都知事に提出 ―登壇:ジャーナリスト ロバート・ホワイティング氏ほか 2025.11.5

記事公開日:2025.11.13取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

※25/11/14 テキスト追加

 2025年11月5日午後3時より、東京都新宿区の東京都庁第一本庁舎にて、「神宮球場に想いを寄せる市民の会」の主催により、記者会見「神宮外苑再開発の根本的見直しと神宮球場の保存を求める要望書を都知事に提出」が行われた。ジャーナリストのロバート・ホワイティング氏と「神宮球場に想いを寄せる市民の会」共同代表の竹田保久氏が登壇した。

 会見冒頭、竹田氏から、このたび小池百合子東京都知事あてに提出された要望書の内容について、説明が行われた。

 要望書には、具体的に、以下の6つの要請が記されている。

1. 2025年9月26日の事業計画変更認可(新ラグビー場棟(ラグビー場棟)の規模縮小、全体工期の1年延長、総事業費の減額)を撤回し、権利変換計画の手続きを中止すること。

2. 2023年2月の施行認可の妥当性を再検証し、その撤回を検討すること。

3. 神宮外苑全体の歴史的・文化的・環境的価値を再評価し、保存・再生を前提とした代替案を公開の場で検討すること。

4. 環境影響評価を国際基準に沿って再実施し、完全なデータ公開と住民参加、第三者による検証を行うこと。

5. 失われた市民スポーツ機能(第二球場・軟式グラウンド等)に対する実効性ある代替・補償を示し、長期的な市民利用の確保を約束すること。

6. 情報公開と説明責任を徹底し、都民が実質的に関与できる民主的な意思決定プロセスを整えること。

 竹田氏の説明に続き、ホワイティング氏のスピーチが行なわれた。

 ホワイティング氏は、1962年に初めて早慶戦と国鉄スワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)の試合を観戦して以来、60年以上にわたり、明治神宮球場に通っており、神宮球場を「聖地」と呼ぶ、筋金入りの神宮ラバーである。

 ホワイティング氏は、このたびの再開発について、「神宮球場の場所に高層ビルを建て、商業施設を並べることは、東京の文化と歴史への裏切りです。(中略)神宮球場は、日本の野球の歴史を感じられる場所であり、それを破壊することは、日本の野球のアイデンティティを失うことです。この再開発は野球ファンのためではなく、お金のための開発です」、また、「私はこれまで、ボストンのフェンウェイ・パーク(ボストン・レッドソックスの本拠地球場)、シカゴのリグレー・フィールド(シカゴ・カブスの本拠地球場)、そして、日本の甲子園球場を見てきました。どれも改修され、今も使われています。神宮球場も同じように改修すればいいのです。壊す必要はありません」と思いを述べた。

 現在、「『野球の聖地』伝統ある、緑の神宮球場を守ろう!」と題した署名活動が行われており、11月12日午後5時現在、4万2867筆の署名が集まっている。

 質疑応答など、会見の詳細については、全編動画、及びハイライト動画を御覧いただきたい。

■IWJ記者質問部分

■全編動画

  • 日時 2025年11月5日(水)15:00〜
  • 場所 都庁記者会見室(東京都庁第一本庁舎内)
  • 主催 神宮球場に想いを寄せる市民の会

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