エリザベス女王死去前の調査で、なんと英国人4人に1人が、女王の在位終了で君主制終了と答えていた! 他方、日本の大手メディアの皇室意識調査は初めから天皇制擁護の観点で組み立て! 女王死去報道に欠けていたのは、大植民地帝国の支配者としての負の側面! 2022.11.24

記事公開日:2022.11.24 テキスト
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(文・IWJ編集部 文責・岩上安身 2022年11月24日時点で加筆・アップ)

 2022年の物故者中、最も話題になったのは、9月8日に96歳で亡くなった英国女王エリザベス2世であることは間違いないだろう。国葬は各国に中継され、日本の天皇皇后をはじめ多くの国賓が参列した。

 ところが、女王死去の4か月前の調査報告では、なんと英国人の4人に1人が、女王の在位終了が、君主制をやめるタイミングと考えていたことが判明した。

 現実には国民の85%が10年後も君主制が残ると考えてはいるものの、特に若者、少数民族、スコットランドの住民等を中心に、君主制支持が弱まっているのは事実だ。今後、英国の君主制に何らかの変化が訪れる可能性がある。

 他方、日本の皇室に関する大手メディアの世論調査では、そもそも皇室の存続を問う選択肢がない。天皇制擁護を大前提に、質問が組み立てられているのだ。

 さて、今回のエリザベス女王死去に関する世界の大手メディアの報道で、決定的に欠けていたのは、女王が大植民地帝国の支配者としての負の側面だ。

 オーストラリアの政治団体、ソーシャリスト・オルタナティブ・レッド・フラッグは女王死去の翌日、「最も血なまぐさい植民地帝国(おそらく今日の米国に次ぐ)の積極的指導者だった」とコメントしている。

 女王の足跡に関して今後、植民地の君主としての行動も検証されるべきだろう。それは、日本の皇室に関しても同様のはずだ。

 詳しくは、ぜひ、記事本文を御覧いただきたい!

国葬の後、ウェストミンスター寺院を出発する、エリザベス2世の棺の行列。(Wikipedia、Department for Digital, Culture, Media and Sport

記事目次

エリザベス女王死去の前、英国人の4人に1人は、女王の在位終了が、君主制をやめるタイミングと考えていた!

 英国のエリザベス2世女王が2022年9月8日、滞在先のスコットランドのバルモラル城で死去した。96歳だった。

▲故エリザベス2世女王。(Wikipedia、The White House

 女王死去を受け、王位継承権1位の長男チャールズ皇太子がチャールズ3世として新国王に即位した。

 英国のシンクタンク、British Futureが、6月に行われた故エリザベス女王の「プラチナ・ジュビリー(在位70周年記念祝典)」を前にした、5月15日に「Jubilee Britain報告書」を発表した。

※Jubilee can help bridge divides – but monarchy needs to broaden its appeal(ブリティッシュ・フューチャー、2022年5月15日)

 この報告書は、プラチナ・ジュビリーの行事が英国にどういう影響をもたらすかを調査したものだ。

 報告書は、この記念祝典が国家の分断を架橋する力があるとしている。ただし、君主制が分断を架橋できるには、若い人々やエスニック・マイノリティーへのアピールが必要だとしている。

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