11月26日に、南アフリカで確認されたオミクロン株が「VOC(懸念される変異株)」に指定されて以来、感染が確認された国は、世界各20数ヵ国以上に達している。上昌広医師は、今現在、欧米と違って日本で感染が落ち着いている理由は、「ワクチン接種が遅れた怪我の功名」だと述べた。
岩上安身は「ちょうど日本でワクチンの効果が切れた頃にオミクロン株が入ってきて大流行するかもしれません。オミクロン株が感染力が高く、再感染しやすいという指摘もあります。田代先生はどう見ていらっしゃいますか?」と問いかけた。
田代氏は「まだデータが少なすぎるのでなんとも言えないが」と断った上で以下のように述べた。
「100年前のパンデミック(いわゆるスペイン風邪)の時も、繰り返し(感染拡大の)波が起きたんですね。当時は遺伝子解析も完全じゃないから症状が変わったから多分変化したんだろうというのがわかるくらいで。でも、突然、ある日消えちゃったんです。当時、今よりもっと10倍ぐらいの規模だったのに」
「どんどん変異して入れ替わっていくうちに、弱毒化していって、感染しても何も症状が出ないようになります。コレラも梅毒も初期がすごいですよね。オミクロンがこれだけのスピードで感染拡大しているということは、ある意味毒性が弱いということかもしれません。
毒性が弱いから飛行機に乗って移動できたりするわけで、エボラ出血熱のように90%もの致死率だったら、ウイルスはあんまり広がることはできないでしょう。すぐに宿主がなくなってしまうから。
もし、オミクロンの毒性が弱くなっているとすれば、(消滅への)プロセスに入っているということを示唆するのかもしれません」
岩上安身は、オミクロン株の出現によって、マーケットも揺さぶられていると指摘した。
岩上「11月26日の米株式市場では、ダウ平均の下げ幅は一時、1000ドルを超えで、終値は前営業日に比べて905ドル04セント(2.5%)安い3万4899ドル34セントになりました。株式や原油、暗号資産(仮想通貨)などリスク資産が軒並み売られるなか、安全資産とされる米国債には買いが殺到したと。
ファイザーやモデルナのトップもワクチンの有効性が下がるかもしれない、数ヶ月内に新たなワクチンを用意すると言っています。
これについてどう思われますか?」
田代氏は「金融市場で言うと、リスクを『みんなで食っている』」状況だと述べた。
田代氏「まず、(ワクチンを製造している)製薬会社の経営幹部の意見をみんなが鵜呑みにすることにはびっくりです。一言で言えば『なんともおいしい』話です。これで(ワクチンは)2回目、3回目、4回目と、永久に終わらない商売です。政府から受注する永久ビジネス。今度は飲み薬も作っています。