2021年6月18日(金)午後1時より衆議院本館にて、第20回「ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム」ヒアリングが開催された。
このヒアリングでは、第39回アドバイザリーボード資料「緊急事態宣言、ワクチン展開、オリンピック、デルタ変異株などにもとづく6~9月東京における流行プロジェクション」(2021年6月13日)などを論拠として、野党議員により関係省庁にオリンピック開催の是非が問われた。
上記資料の考察では、デルタ株の影響がなく人流増加を五輪開催期間中も15%増程度に抑えうる場合(最も楽観的なシナリオ)から、デルタ株の影響が非常に大きく7月前半~中旬に緊急事態宣言の再発令が必要となる場合(最も悲観的なシナリオ)が示され、「オリンピックの有観客開催が感染者数および重症者数に及ぼす影響は、その時点での感染者数、デルタ株の状況、そしてオリンピック期間中やその後の人流によって大きく影響される」と記されている。
- 【資料3-2(1)】鈴木先生提出資料(1)(厚生労働省、2021年6月16日、pdf)
- 第39回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年6月16日)(厚生労働省)
いずれにせよ、オリンピック開催がリスクであること、重症者や死者を生じる可能性がありながらオリンピックを開催する大義とは何か、そこまでして開催せねばならないのか、という野党議員の問いにオリンピック・パラリンピック推進室の担当者は満足に答えることはできなかった。
また、立憲民主党の山井和則衆議院議員は、五輪に関する尾身茂新型コロナ対策分科会長の意見と、菅義偉総理をはじめとする政府の方針の食い違いから、「菅首相は五輪開催の可否そのものを専門家にたずねることを今までしてこなかったのか? 科学でなく政治的な案件としてもう開催を決定しているのか? そうならば、重症者、死者が出たときの責任は誰が負うのか?」と、厚労省、オリ・パラ推進室などに問うたが、やはり答えはなかった。
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