2020年9月7日、東京電力の定例会見は、コロナ禍の中、東京本社会見場に入場ができないため、千代田区内幸町の幸ビルに設置された臨時会見場で行われた。
会見では、2020年9月3日の定例会見で明らかとなった、東京電力福島第一原子力発電所の被災当時の2011年3月11日から3月15日の期間において、同原発内で緊急作業に従事した作業員が「緊急作業従事者」として未登録であった事や、被ばく線量の上方修正が必要とされた問題について質疑が行われた。
東京電力は3日の会見で、緊急作業従事者について「3月11日から3月15日までは手書き等で管理していたので漏れが生じたが、16日からはコンピューターで管理していたのでこれ以降は確認できる状態だ」としていた。
この日の会見で、東電広報担当の八木秀樹氏は、「まだ確認中」と前置きした上で「手書きで対応していたところをパソコンに置き換えたことによって線量計と(作業員)個人の紐づけができたので、比較的正確に線量が把握できるようになった」と見解を修正した。
しかし当時、実際に公的文書にもとづき原発に入退出する作業員を把握できたのは、東電の発表によると7月29日からだ。また、東電は「3月16日時点で、緊急作業従事者登録証を発給していなかった」ことも、あわせて認めた。