元沖縄タイムス論説委員で、現在はフリージャーナリストの屋良朝博氏が、2018年12月28日、自由党県連からの要請を受け、2019年4月に予定されている衆院沖縄3区補選に立候補することが決まった。
この補選は、玉城デニー沖縄県知事が知事選に出馬したことにより衆議院議員を失職したことにともなうもので、自民党はすでに島尻安伊子元沖縄北方担当相の擁立を決めている。
自由党沖縄県連は玉城知事の後継者として、稲嶺進元名護市長と屋良氏の二人に候補者を絞り込んでいたが、稲嶺氏は要請を固辞し、屋良氏が28日午後、正式に要請を受諾した。また、玉城知事も屋良氏の擁立に賛同を示している。屋良氏は無所属で立候補し、「オール沖縄」の全面支援を受ける見通しで、当選後に自由党に所属することになりそうだ。
- 衆院沖縄3区補選 ジャーナリストの屋良朝博氏が出馬を受諾 「玉城県政を支える」(沖縄タイムス、2018年12月28日)
沖縄3区は辺野古新基地の建設が進められている名護市や、高江のヘリパッドが作られた米軍北部訓練場などを抱えている。島尻氏は辺野古新基地建設に賛成しているため、新基地建設が争点となることは確実だ。
屋良氏は沖縄の米軍基地問題に詳しく、現在はシンクタンク新外交イニシアティブ(ND)の評議員もつとめており、辺野古新基地を建設しなくても普天間返還は可能と論じている。
自由党の小沢一郎代表は28日、立憲民主党、国民民主党、日本共産党など野党各党幹部に共闘を要請し、翌29日、那覇市内のホテルで屋良氏、自由党沖縄県連代表の國仲昌二氏(宮古島市議会議員)と共に記者会見を行った。
記者会見後、IWJ沖縄中継市民のインタビューに答え、屋良氏は補選立候補にあたって次のように語った。
「政治家を目指すということはまったく考えていませんでした。ただ沖縄の基地問題は政治が決めることなので、政治が変わらなくては沖縄の基地問題は変わらない。こういう思いはずっとありました。(基地問題は)政治がすべてを決めると理解しています」
さらに屋良氏は、対立候補となる島尻氏との選挙戦について、「僕は20数年間、基地問題や、教育にしても経済にしても色々と考える立場にいましたので、その経験を最大限に活かして、根拠のある議論をしていきたい」と力を込めた。
最後に屋良氏は、「(国政進出を果たしたときは)小沢一郎代表から『遠慮するな、どんどん突っ込んでいけ。自由にいっていいよ』ということを言われ、フリーのライセンスを得た気がしたので、どんどん突っ込んでいきたいと思っています」と、意気込みを語った。
屋良氏には、2018年9月の沖縄県知事選に際し、宜野湾市で岩上安身がインタビューを行っている。屋良氏はインタビューの中で、「日本国内の構造的な差別に根差しているのが基地問題」であることを強調している。こちらもぜひ、あわせてご覧いただきたい。