2014年8月20日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。火山活動のモニタリングに関する検討チームについては、島崎邦彦委員に「継続的に関与してもらいたい」との考えを示した。
2014年8月20日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。火山活動のモニタリングに関する検討チームについては、島崎邦彦委員に「継続的に関与してもらいたい」との考えを示した。
記事目次
■全編動画
川内原発審査書案の意見募集に際して、審査書案に記載された項目を確認するには、議事録を全て追わなければならない。米国NRCでは、申請者に対する追加情報要求と、その回答という文書を軸に行れている。それに比べると、「日本の方式は劣る」として、「改善を考えているのか」と記者が質問した。さらに、米国では”行政審査制度”があり、一般公衆からの意見を受け入れている事例をあげ、規制委での取り入れについても質問した。
田中委員長は、米国NRCのマクファーレン委員長と意見交換した際、「各国それぞれのやり方があるから、今の日本の方法で良いんだと明確に言っていた」と述べ、「まずそれが大きな答えだ」と回答。各国それぞれの仕組みがあるため、日本もNRCと同じ仕組みでなければならないというわけではないとの考えを示した。
午前に開催された定例の規制委員会にて、火山活動のモニタリングに関する検討チームを設置することが承認された。9月に退任予定の島﨑邦彦委員が座長となるメンバー構成案が示されたことから、今後、島崎委員が同検討チームにどのように関与するのか、記者が質問した。
田中委員長は、「継続的にいろいろ関与していただこうと考えている」と回答。また、かねてより記者が要望していた島崎委員の記者会見については、「私からどうこうすべきだとは申し上げませんけども」と前置きしながら、「退任までには一度はそういう機会はあると思います」と含みのある考えを示した。
午前に開催された定例の規制委員会にて、原子力災害事前対策等に関する検討チームを再開することが承認されたことから、防災指針、防災計画について記者が質問した。
委員長は、「防災避難計画については、まだまだ改善の余地があると思う」と答えたが、どの検討会で扱うかはまだ決めていないという。一般的なことは、各地の地元の実情をふまえて、”時間をかけて改善を図りたい”との考えだ。さらに、防災計画に関する意見交換については、自治体などステークホルダーから、委員長自身と意見交換したいなど、「要請があればお断りしたことはない」と言い、「要請あれば積極的に説明したい」と表明した。
午前に開催された定例の規制委員会にて、災害事前対策の検討チームで、UPZ外のプルーム対策が必要な範囲についても今後の検討課題に入った。ただし、原子力災害対策重点区域という観点では、どこまで拡大すればいいのかという話にもなり、現在のUPZが30kmは国際的にも最大だから、UPZを拡大する考えは「今のところ持っていない」との考えを示した。
東京電力福島第一原子力発電所の2号機海水配管トレンチの凍結止水が、東電の見込み通りに凍らず、後手後手に対応していることについて、委員長は「あまり利口じゃないと思う」と感想を述べた。
また、「いろんなことを考え、二の手、三の手を考えて早急にきちんとした目的達成を早急に速やかにできるようにすべきだと思い、委員会等で何度も発言している」と漏らした。
北陸電力志賀原発の審査申請を受け、他のプラントとの共通部分について、ヒアリング等を進めることが承認された。BWRでありながら、申請にフィルターベントが盛り込まれてないことについて、記者が質問した。
委員長は、審査が進む過程の中で「議論されていくだろう」とし、「私自身が今ここで判断を申し上げる段階ではない」と答えた。
東北電力の東通原発と同様、志賀原発は敷地内破砕帯調査の評価が完了していない。破砕帯調査が未完了なサイトの申請が続いていることについて、記者が質問した。
委員長は、「事業者に申請するなとは言えない」として「申請は受ける」という考えを示しながらも、「できるところから審査を進め、場合よっては手戻りになるかもしれない」ことを示唆。「それを覚悟で事業者は申請してきてるんだろう」との見解を述べた。